↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/59

第1053話 いろいろな魔法の使い方



 放たれる水の弾を避けつつ、私は思う。


 魔導学園の入学試験で、実技試験がルリーちゃんと一緒だった。その試験は、自ら魔法を放ち離れたところにある的に当てるものだった。

 望まれているのは魔法の正確性で、威力は二の次だ。魔力の制御を見、正確に的に当てることができるか。


 その中で驚いたのは、ルリーちゃんの魔力の制御がうまいのはもちろん、その早さだ。魔法生成の速度が、他の子よりも早かったのだ。

 今のクレアちゃんは、それとよく似ている。それに……


「せい!」


 迫ってきた水の弾は途端に形を変える。まるで鞭のように変化し、しなやかに伸びる。

 複数の水の弾が鞭に変化し、それが自在に動くのだ。直線的な動きから、変則的な動きへ。


 それをすべて避けるのは、骨だ。


「だったら……」


 試しに魔力弾を放つけど、鞭はまるで意思があるかのように避けていく。まあ、そんな簡単には当たってくれないか。

 避けるのは難しい、そして攻撃を当てるのも難しい。


 となると……


「えいや!」


「……そう、来るわよね」


 私は回避を早々に諦め、術者へと突っ込む。

 こういうのは、だいたい術者を叩けば攻撃はやむと、相場は決まっているのだ。


 無数にも思える水の鞭だけど、今の私なら……避けるのに、苦労はない。しっかりと見えているし、それに……


「っ、全身強化……!」


 クレアちゃんが呟く。

 今私は、全身に魔力強化をしている。これも、身体強化を極めたからこそできることだ。


 そのため、脚力も腕力も……文字通り全身の力が上昇する。

 素早い動きで水の鞭を避けられるし、迫るそれを腕で弾くこともできる。


「なら、これで!」


 ちまちました攻撃じゃ、私を仕留められないと思ったのだろう。クレアちゃんは自らの魔力を高め、杖の先端が淡く光る。

 それだけではない。私に迫っていた水の鞭が、杖に収束している。自分が使った魔力を、自分の力として戻しているかのように。


「お、りゃああ!」


 そして、凝縮された魔力……巨大な水の塊を、私に向かってぶん投げる。

 クレアちゃんったら、ここまでのものを……!


 魔法は、威力はもちろんだけど正確さも本人の力量に左右される。大きければ的に当たりやすく感じるだろうが、それは間違い……大きければ制御も難しい。

 もちろん、見かけ倒しで制御に力を入れた場合もあるけど……これは、違う。


 ……面白い!


「なら、私も……」


 避ける、防御する……選択肢はある。でも、それは逃げだ。

 私の中に、逃げの選択肢は存在しない。それに、クレアちゃんが正面から向かってきているのだ……それに応えるには、正面からでないと!


 私は杖を構え、意識を集中。攻撃が迫っているからって、集中力を乱せば……魔法の生成は遅れる。

 慌てず冷静に、それでいて素早く……だ!


「……ふぅっ。ってい!」


 私がイメージしたのは、火の玉。それも、その大きさは小さい……指先くらいの大きさだ。

 それを、迫る水の塊へと放つ。本来なら、大きさの違い過ぎる私の攻撃はあっという間に押しつぶされてしまうだろう。


 でもそれは、私の魔法が大きさ通りの威力しかなかったら……の話。

 私が撃ったのは……言ってみれば、逆見かけ倒しだ!



 バシュンッ……!



 二つの塊がぶつかり合い、それは大きな音を立てて相殺する。

 大きさ=威力……と考えていたら、私の負けだ。でも、私は……小さな玉の中に、うんと威力を込めた。


 これもまた、魔法の使い方だ。強い攻撃は大きい……というイメージで魔法を生成すれば、イメージ通りのものが出来上がる。

 でも、小さくても強いものをイメージできれば、それが現実となる。もちろん、言うだけでは簡単だけど、それを実践するには練習あるのみだ。


「くっ……」


 私もクレアちゃんも、相殺の際に生まれた煙の中に突っ込んだりはしない。

 その場で構え、意識を集中して……相手の出方を伺う。


 煙が晴れる。私もクレアちゃんも、じっと相手を構えていた。じっと、相手のことを見つめて……


「……ここまでにしましょ」


クレアちゃんが言った。


「そうだね」


 私も、うなずく。そして、どちらともなく杖を下ろした。

 これは決闘でも、試合でもない。訓練……手合わせだ。手合わせに、全力を出し切って戦うことはしない。


 まあ、私としてはもう少しヤッても良かったんだけど……


「はぁー、参ったわ。強すぎるでしょ、エランちゃん」


 どっと疲れが押し寄せてきたのか、クレアちゃんはその場に座った。

 私は近寄りつつ、彼女を見つめる。


「そんな。クレアちゃんだって、想像以上にやり手だったよ!」


「なんか引っかかる言い方だけど、どうも」


 クレアちゃんも相当訓練してきたのだということが、わかる。

 魔法の早撃ち、そして形状変化し一つ一つを操る。


 さらには、魔力を収束して放つ大技。一度放った魔法を自分の力として回収し、自分の力を高めるなんて……考えたこともなかったな。

 やっぱり、いろんな子と訓練したり、接することで……私だけじゃたどり着けない答えに、たどり着けることがある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。