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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1052話 お手合わせを



 魔術を使うにも、まず使うまでの工程も重要だということだ。

 詠唱の間は無防備になってしまう以上、どうすれば隙ができないか……いや、少なくさせられるか。それが重要になってくる。


「エランちゃんの場合、魔術がたくさん使える以前に魔法の威力も私たちとは段違いだから、厄介この上ないのよね」


「そんなことはないと思うけどな」


 まあ、人より魔力が多いかもなーって気持ちはあるけどさ。


 ……そうだ。


「クレアちゃん、せっかくの自習時間……話ばかりしてるのももったいないし、私とヤらない?」


 私は杖を取り出し、にやりと笑う。それを見てクレアちゃんは、露骨に嫌そうな顔をした。

 そんな顔をしなくてもいいじゃないか、失礼しちゃうね。


「私じゃ、エランちゃんの相手にはならないと思うけど……」


「相手、とかそんなの考えなくていいんだよ。これは軽い手合わせ……そんな風に考えたらいいんだからさ」


「……はぁ」


 考えてみれば、クレアちゃんとはあまりこういうことしたことなかったかも。いつも、別のこ子とヤッていたり、なんかうまい具合に避けられている感があった。

 ちなみに避けられているって言っても、なにも嫌われているからって意味じゃない。


 さっき言っていたように、純粋に力不足だと感じているのだ。


「わかったわよ、まあ……たまにはいいかもね」


 クレアちゃんはため息を漏らしながらも、承諾してくれた。


「やった! じゃ、早速ヤろっか!」


「なにがそんなに嬉しいんだか」


 クスッと笑い、クレアちゃんは距離を取る。

 そして、お互いに杖を構えて……準備は完了だ。


 これが決闘なら、正式な審判がいるし、ちゃんとした舞台が必要だ。でも、今はそんなものは必要ない。

 軽く、深呼吸をする。


「はっ!」


 このまま睨み合うのは、性に合わない。なので、先制攻撃を仕掛ける……


 ……そう思っていた。けれど、先に仕掛けたのは私ではなく……クレアちゃんだった。

 素早く光る杖が振られ、放たれるのは氷の槍。それも、計三本。


 それぞれがタイミングをズラして、迫ってくるのだ。


「てやぁ!」


 私は魔力防壁を張り、一発目を防ぐ……けど、ひび割れる。二発目で、壁が割れる。

 そして、三発目……それに魔力弾を放ち、相殺する。


 その際に起こった煙に気を取られないよう、その場から移動。けれど、上空に異変を察知……見上げると、大量の針のようなものが降ってきていた。


「なんじゃぁ!?」


 素早く構え、突風を巻き起こす。

 私めがけて迫っていた針は風に飛ばされていく。けど、その全てをかわしきることはできずに針が頬をかする。


「っ」


「はぁあ!」


 痛みに目を閉じた一瞬……足に身体強化をしていたクレアちゃんは私に迫り、魔力強化した杖を振り下ろす。

 魔力を走らせれば、ただの棒だって武器になる。それは、ここで勉強していれば誰にだってわかることだ。


 私も同様に杖を魔力強化し、振り下ろされた杖を受け止める。


「やっぱ、そううまくは行かないわね……!」


「いきなりだね……てか、容赦ないよねクレアちゃん」


「先手必勝……! エランちゃんを自由にさせたら、どうなるかわからないからね。なるべく動きを制限しないと」


「だとしても、さっきのなんて一歩間違えれば串刺しだよ……?」


「エランちゃんならあれくらい、どうってことなくかわすでしょ」


 変な信頼されているな、私……


 それにしても、思いの外クレアちゃんが強い。いや、決して舐めていたわけじゃない。ないんだけど……

 さっきの防壁も、たった二発で破られるとは思っていなかった。それに、今だって……結構力、込めてるのに……押し返せない。


 それは、日々強くなるために鍛えてきたクレアちゃんの努力の賜物だろう。

 ……でも、もし別の理由がもう一つあるとしたら。


「ふぬぬ……!」


 クレアちゃんは、実は一度死んでいる。魔導大会の決勝で、乱入者があって……そのゴタゴタで、会場に踏み込んできたクレアちゃんが命を奪われた。

 それを救ったのが、ルリーちゃん。ダークエルフの闇の魔術で、死者を蘇らせたのだ。


 それが、生ける屍(リビングデッド)と呼ばれる……そういう状態らしい。

 魂の在り処だとか、一時期それで悩んだけど……ルリーちゃんが言うには、ちゃんと生前の魂だから本人には間違いないと。


 そして、その騒動でルリーちゃんの正体がダークエルフだということがクレアちゃんにバレ……闇の魔術で生き返ったことにひどく怒り引きこもったのだ。

 その後、ルリーちゃんと決闘をして……仲直り、をすることができたのだ。


「お、りゃあ!」


 私は力任せに腕を振り切り、クレアちゃんは後ろに飛び退く。


 クレアちゃんの身体の状態は、パッと見全然わからない。一度死んだなんて言われても、そんなのは全然。

 でも、まったくなにもない……なんていうのも、またないのだろう。


「これで、どう!?」


 続けてクレアちゃんは、水の弾を次々に放つ。

 それは正確に私を狙い、しかも速い。防ごうとする前に到達するくらいだ。


 足を身体強化して、なんとか避けていく。


「……これ……」


 それにしても、クレアちゃんの魔法は……速い。発動して、撃つまでの時間が。とても。

 これは、なんだかデジャヴがある。似た人を知っている。


 この早撃ち……まるで、ルリーちゃんみたいだ。

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