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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1038話 憧れの人



「アレクレス・ルーランドくん。キミ、生徒会に入らないかい」


 こほんと咳払いをして、ぱちんと指を鳴らす。鳴らした意味はない、ただかっこよかったからだ。

 そして、出来るだけのキメ台詞的な感じで、彼に言う。


「……生徒会?」


 当の本人は、私の要求が予想外だったのか、ぽかんとしていた。

 さっきまで偉そうな表情ばかりだったから、これは実に新鮮だ。


 とはいえ、ぽかんとしているのは彼だけではない。


「え、エランさん……」


「本気?」


 ルリーちゃん、それにクレアちゃんが口を開く。

 けれど、これは別に私の気まぐれってわけじゃない。


 彼と戦いを通して、わかったこと。


「この子、魔力の扱い方がとってもうまいんだよ。入学したばかりとは思えないくらい」


 身体強化の使い方が、まさにそうだ。身体強化は魔法の基礎……だからこそ、その使い方で魔力の扱い方が見えてくる。

 全身強化ができるほどには極めていなかったみたいだけど、部分強化の走らせ方がとてもうまい。


 それに、魔導剣を魔剣として扱えるレベルなんて。すでに魔術を使える段階にあるってことだ。

 正直な話、一年前のダルマスよりも長けている。


「生徒会に必要なのは、そういう人だと思うから」


「……なるほどね」


 くすっとナタリアちゃんが笑う。その横で、マヒルちゃんはおろおろしているようだった。


「それで、どうかな」


 まあ、なにをどうするにも本人の意思が重要だ。


「……どうもこうも、決闘に負けた以上こっちに拒否権はないだろ」


「アレクッ」


 ふん、と顔をそらすルーランド。うーん、やっぱり目上への礼儀を躾けておけばよかったかも。

 まあ、生徒会に入ればそういうのは追々正されていくだろう。特に、シルフィ先輩はそういうのに厳しいし。


 それにしても、まさかこんな形で生徒会メンバーを獲得できるなんてね。


「ゴルドーラ様との決闘を思い出すわね……」


「ですね……」


「確か、エランちゃんと三年生だったゴルドーラって王子様が決闘をして……負けたエランちゃんが、生徒会に入ったんだっけ?」


「そう。ゴルドーラ様の要求に従ってね」


 懐かしい話だなぁ。あれから一年かぁ……なんだかいろいろなことがありすぎて、一年以上経っているような気がするんだよなぁ。

 それだけ濃い一年を過ごしてきたってことだよね。


 それにしても……


「まさか、魔導剣士だったなんてね」


 剣をしまうルーランドを見て、私は言う。


「ん、あぁ」


「剣はいつから?」


「……小さい頃からだ。ある人に憧れてな」


 小さい頃から、魔導剣士になるための訓練を続けていた。それはとてもすごいことだな。

 憧れている人に近づきたくて……か。私にも、なんとなく気持ちはわかる。


 師匠に少しでも近づきたくて、がむしゃらに訓練していたもんな。


「そうなんだね。なら、キミみたいな有能な魔導剣士を生んでくれたこと……その人に感謝しないとね」


「……なんだそりゃ」


 ふふふ、ちょっと照れているようにも見えるな。

 普段生意気な子がふとした瞬間に見せる照れ……そこからしか得られない栄養素はあると思うんだよね。


 そんな彼をチラチラ見ているのが、さっきから口をつぐんでいるカリナちゃんだ。


「そんな心配そうにしなくても、悪いようにはしないから」


「! べ、別に心配なんてしてないです!」


 私の指摘に、顔を赤らめて背を向ける。

 彼女は、幼馴染だって言っていたな。師匠とずっと暮らしていた私には、幼馴染なんてものはいないから……なんか、ちょっとだけ羨ましいな。


 ま、記憶を失う前の私にそういう存在が居たのかもしれないけど。


「じー……」


「! な、なんです……?」


「いや……きれいな髪の色だなと思って」


 燃えるような赤い髪。それと同じく真っ赤な瞳。

 勝ち気な性格……なんというか、どこかダルマスを想像させるなぁ。


 それに、ルーランドが魔導剣士ってのも、ダルマスとの類似点だし。


「そういえば、まだきちんと自己紹介してなかったね。エラン・フィールドだよ」


 彼女の名前は成り行きで知っただけで、お互いに自己紹介を交わしたわけではない。

 改めて自己紹介をして、手を差し出す。


「! これは、失礼しました。カリナ・ドーダンです」


 カリナちゃんも名乗り、手を握ってくれる。

 お互いに握手を交わす。この子は素直……まあ、ルーランドよりは全然素直な子だからよかった。


 しっかし、ドーダンか。ダルマスとは関係なさそうだな。


「それじゃ、彼は決闘の決まりに従い生徒会に……そういうことでいいな?」


「はい、それでお願いします」


 ウーラスト先生が私たちを見回し、確認する。

 その後、諸々の始末のため先生は職員室に行ってしまった。


 審判を務めた身として、いろいろやることがあるらしい。


「私たちも行こっか」


「はい」


 訓練所を出る。ルーランドの生徒会入りについては、また改めて帳尻を合わせよう。

 なんせ、ウーラスト先生は生徒会の副顧問だしね。


 ししし、これでシルフィ先輩も驚くだろうなぁ。私だってちゃんとメンバー集めの仕事していたんだからね。


「今さらですけど、このバカがすみません。先輩にいきなり決闘を挑むなんて……」


「バカとはなんだ」


「いいのよ、エランちゃんだって似たようなことしてきたんだし」


「なぜクレアちゃんが答えるの」


 なんか、カリナちゃんはすっかりなじんだようだな。ルーランドは相変わらずだけど。

 それとも、女の子ばかりだから緊張しているのだろうか。


「それでは、私たちはここで……」


 少し歩いたところで、カリナちゃんが言う。一年生と二年生では寮が違うもんね。

 またおしゃべりしようと、約束してわかれようとしたところ……視界の端に、赤い髪を見つけた。


 あれは……


「ダルマ……」


「イザリ兄上!」


 そう、まさにさっきまで考えていたイザリ・ダルマスの姿だ。

 その姿を見つけたカリナちゃんは、嬉しそうな表情をして……


 ……兄上? どゆこと?

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