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【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

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第1039話 破天荒な魔導士



 決闘も終わり、帰るところ……ダルマスを見つけた。

 ただ、わざわざ話しかけるまでもないかな……と思っていたところ、カリナちゃんが声を上げた。


 それにより、ダルマスもこちらに気づくのだけれど…………兄上?


「おーい、兄上ー!」


「え、どゆこと?」


 手を振り嬉しそうにしているけど、カリナちゃんはドーダンというファミリーネームだ。ダルマスではない。

 なのに、兄上?


 もしかして、複雑な家庭なのかしら……


「カリナじゃないか。それに、アレク」


「ご、ご無沙汰してます」


「別にかしこまらなくてもいい、知らない仲でもなし。それにしても、二人が一緒にいるのはともかく……なぜエランたちまで」


 ダルマスが近寄ってきて、それに駆け寄るカリナちゃん。

 どうやら二人とは知り合いみたいだけど、私たちにも目を向ける。ま、入学早々なんで一緒に居るんだって感じだよね。


 そして、ルリーちゃんは私の後ろに身を隠す。

 魔導具のフードで顔を隠しているとはいえ、ダークエルフということをバレたくないルリーちゃんが慎重になるのは当然だ……


 ……だけど、ルリーちゃんがダルマスを避けるのには理由がある。入学前、ダルマスはダークエルフであるルリーちゃんにひどいことを言ったりやったりしていたのだ。

 そのダークエルフがルリーちゃんとは、気づいていないけど。ルリーちゃんとしては、個人的に苦手意識があるのだ。


「その子たち、ダルマスの知り合い?」


「あぁ、そうだ」


「おいお前、イザリ様に向かって気安く……」


「お前は目上の人間をちゃんと敬え」


「うぐ……」


 ……ダルマスに頭を押さえられ、ルーランドは不服な様子ながらも押し黙る。

 すごい、あの生意気な小僧が一瞬で。それに、イザリ様……なんて。随分慕われているんだな。


 ……今までダルマス、ダルマスと呼んでいたから、イザリって聞くのなんか違和感があるなぁ。名前なのにね。


「なんか、シルフィ先輩に似てるかも」


 ルーランドのダルマスに対する態度は、ゴルさんに対するシルフィ先輩に似ている。

 憧れが強く、強すぎてヒートアップしてしまうところが。


 ってことは……


「キミが言ってた憧れの人って、ダルマスだったんだ」


「……そうだ」


「敬語」


「……です」


 ほほぉ、魔導剣士って共通点があると思ってたけど、まさか憧れの人であったとは。

 二人が知り合いなら、小さい頃からダルマスを見て、その背中を追いかけてきたんだろう。


 それにしても、ダルマスの前では借りてきた猫みたいだなぁ。

 思えばダルマスも、強気な性格ではあったけど目上の人間に敬意は払っていたような気がする。多分。


「憧れ? 俺の話をしていたのか?」


「まあ、決闘の流れでそういう話になってね」


「そうか、決闘の……っ!?」


 それを聞いた瞬間、ダルマスの口が開いたまま塞がらなくなった。

 そして、まるで錆びたロボットのようにギギギ……と首を動かした。


「決闘……誰と誰が?」


「私と、その子」


「……本当なのか?」


「……はい」


 それからダルマスは、深いため息を漏らす。まさかそんなことになっているとは思わなかったのだろう。


「お前、貴族にとって決闘は大切なものだと、知っているだろう」


「ですが……噂の狂犬と、杖を交えてみたかったのです」


 呆れるダルマスに、しゅんとしたルーランド。もしあの場にダルマスがいれば、そもそも決闘なんて起こらなかったのではないか……そう思わせるくらいだ。


 てか、ちょっと待って。今噂の狂犬って言った?

 それもしかしなくても私のことだよね。おい、やっぱり一年生の間でも狂犬扱いなのかよ。


「それで、お前はエランになにを要求されたんだ?」


「……俺が負けたと?」


「お前の力は俺も認めている。だが、この女は俺が知る中でも最高の魔導士だ」


 二人の間でなにやら話しているが、私は"最高の魔導士"って部分にしか興味がいかなかった。


「へぇえ〜? ダルマスって私のこと、そう思ってたんだぁ〜?」


「……言葉が足らなかったな。最高に破天荒な魔導士だ。なにをするかわからんが、その無茶苦茶さは誰にも負けないだろう」


 こいつぅ、素直になれよな、まったく。


「……はい、俺の負けでした」


「ふむ、そうか。それで……」


「安心していいよ、別に無理難題をやらせようってんじゃないから。ただ、生徒会に勧誘しただけだよ」


「……生徒会、か」


 決闘の決まりは絶対だ。なにを要求されたとしても、決闘を受けた以上は拒否はできない。

 だからこそダルマスの心配もわかるけど、私だって鬼じゃない。建設的なお話をしただけだよ。


 それからダルマスは、カリナちゃんを見て……


「カリナは、決闘のことは知らなかったのか?」


「……知ってました。でも、まさか入学初日に挑むなんて……それとなく先輩に近づけないように計画していたのですが」


「お前そんなこと考えてたのかよ」


 なるほどね。カリナちゃんも本当なら、ルーランドを止めるためにいろいろ考えていた。

 それよりも、ルーランドの行動力がすごかっただけだ。


「ところでさ。ダルマスとカリナちゃんって、どんな関係?」


 やたら親しいし、そもそも兄上呼びだし。ただならぬ関係なのは確かだよね。

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