表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【二年生編】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第十六章 二年生突入編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/15

第1033話 勝って叩き直してやる



 貴族の決闘、その意味がわかっていようといなかろうと……もう、決闘を挑んだのだ。それを私が受けた。

 もう、止めることはできない。


 お互い、相手になにを望むのか。ルーランドは「望みねぇ」とつぶやくと、口端を釣り上げた。


「なら、俺が勝ったらあんたは俺の下……つまり部下になれ!」


「部下ぁ?」


「なんですって!」


「アレク!」


 要求されたものは、部下になれ……か。要求するものはなんでもいい、金品や武器、魔導具……相手の持ち物だけでなく、このように物以外でも。

 私とゴルさんだって、物以外の賭けをしたわけだし。


 客席はざわつくけど、声を荒げたのはルリーちゃんと女の子だけだ。


「では、エランはなにを望む?」


「うーん、私の望みかぁ」


 望みと言われても……会ったばかりの相手に、なにを要求すればいいんだろう。相手の力や、なにを所持しているかもわからないのに。

 そりゃ、挑む側からすれば要求するものはすぐに決められるだろう。私もそうだった。


 部下になれと要求されたのだから、逆に私が勝てば彼を部下にするとか……いらないなぁ。


「さあ、どうするエラン。賭けさせるものがなければ……」


「じゃあ、私の言うことを一つ聞いてもらう……っていうのはどうかな?」


 考え抜いた末、思いついたのはそれだった。

 言うことを一つだけ聞いてもらえる権利。ふふん、これならばなんだって聞いてもらえるんだ、私ってば頭いいー。


「それは……」


「エランちゃん、決闘の勝者の要求は絶対なんだから、決闘に勝つこと自体が『なんでも言うことを聞かせられる』に繋がるのよ?」


「言うことを聞かせたいことを要求すればいいわけだからね」


「……」


 いい案だと思ったのに、呆れがちのクレアちゃんとそれを補足するナタリアちゃんに穴を突かれてしまう。

 もっともだけど、これではドヤ顔で言った私がバカみたいじゃないか。


「ひひひっ……なんだおい、決闘の決まりも理解してねえのかよ! とんだマヌケだ!」


「ムカッ」


「エランさんがマヌケですって!?」


 腹を抱えて笑うルーランドに、ルリーちゃんが立ち上がり怒りをあらわにする。

 そんなルリーちゃんに、女の子が平謝りをしている。


 ……そんなに笑うことないじゃないか、一年坊主……!


「じゃあ、決めたよ。私が勝ったら、目上に対する礼儀ってもんを叩き直す。いや、私が直させる!」


「……いいのかいそれで」


「いいよ!」


「キミも、それで構わないかい?」


「どうせ俺は負けねえ。なんだっていいさ」


 あの野郎、すごい自信だ。


「いきなり決闘を挑んでくる無礼さに、年上に対する敬意も感じられない言動行動……一から叩き直してやる!」


「……今エランちゃん自己紹介でもしてる?」


「クレアさん、しーっ」


 ともかく、両者相手に望むものが決定した。

 ウーラスト先生は、こほんと咳払いする。


「エラン・フィールド。アレクレス・ルーランド。

 互いの要求は受け入れられ、賭けはここに成立した。

 私ウーラスト・ジル・フィールドが決闘の立会人として、これを確かに受理する」


 決闘の審判……というか立会人である先生が、それを宣言する。サテラン先生も同じ宣言をしていたし、やっぱり決闘の決まり文句みたいなものなのだろう。

 彼女と違うのは、ウーラスト先生は表情から嬉しさが隠しきれていない。言いたかったんだろうな。


 賭けになにを対象とされるかわからないというのは、特に貴族にとってとても重要なこと。なにを賭けられるのか、決闘直前までわからないからだ。

 家に関係することなら、自分の手で悪い影響を与えてしまうかもしれない。だからこそ、誰も決闘を気軽にはやらない。


「決闘には、互いが全力を持って臨むべし。勝ち負けに一切の言い訳は認められない。

 両者、異存は」


「「ない」」


 私とルーランドの声が重なった。確かゴルさんの時も、そうだったっけ。


 手に持つ魔導の杖を、ゆっくりとお互いに向かい合わせる。

 私の杖がルーランドを、ルーランドの杖が私を、互いに睨みつけている。


「魔導学園二年生、エラン・フィールド」


「魔導学園一年生、アレクレス・ルーランド」


 お互いに、名乗りを上げる。こういうことは、ちゃんとするんだな。

 それを受けて、ウーラスト先生は声を上げる。


「それでは、決闘を開始する!」


 その直後……お互いの杖から魔法が放たれ、それが衝突する。私が撃ったのは、火の玉。対してルーランドも、火の玉。

 奇しくも同じものをイメージしたってことか。まあ、このあたりイメージしやすいもんな。


 自分の中の魔力を扱って放つもの、それが『魔法』だ。そして、魔力を魔法として昇華するために重要なのが、イメージ。

 自分がイメージしたものを、魔力によって具現化する。その結果が魔法となる。


 なので、今のように火の玉をイメージすれば火の玉が。水の槍をイメージすれば水の槍が出現する。イメージの力が具体的であれば、より強力なものを生み出せる。


「はっ、やるな」


 ただ、同じものをイメージしても術者の魔力量により威力は変わる。なので、全力でないにしろ私の魔法と相殺したのは少し驚いている。

 一年生で一番、と言っていたのは、ウソではないようだ。


「ふぅん……いいじゃん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ