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第38話:【彼女】と眉間の皺。★


 翌朝、昨日とはまったく違う意味で気が重かった。

 別に奈那の事は嫌いじゃない。むしろ好き。

 でもそれって私の中では友達として……いや、友達以上のつもりではあったんだけど、恋人未満にも満たない状態だった。


 つまり友達以上恋人未満未満。

 そんな感じ。だって私完全にノーマルだし。

 女の子と付き合うとか考えた事なかったし。


 どうしたらいいかさっぱりわからない。

 そして何より、ルキヤを大喜びさせてるというこの状況が悔しすぎる。


 ぽけーっとした頭を掻きむしりながら起き上がり、適当に着替えて一階に降りると、母親が朝ご飯を用意してくれていた。


 といってもあまり料理が得意な親ではないのでトーストにハムエッグ、そして甘ったるいコーヒー。

 甘いのは好きだけどお母さんの好みは甘すぎるんだよなぁ。


 いろいろ面倒だったのでハムエッグをトースターの上にのっけて一緒に頬張る。

 んで食後に甘すぎるコーヒーを一気に飲み干して頭をでろんでろんにしてから家を出た。


 玄関開けたら即ルキヤだったので朝からげんなりする。


「おはよ絵菜ちゃん。……なんでそんなに嫌そうな顔するの?」


「……はぁ、お前はいいよな幸せそうでさ」


「何言ってるの? 今一番幸せなのは絵菜ちゃんの方でしょ?」


 そう信じてやまないこいつの頭の中がいい具合にお花畑だ。


「お前にとっての幸せが私にとっての幸せだと思うなよ」


「え、奈那ちゃんと付き合うのが嫌なの……? 冗談でしょ?」


「別に嫌じゃねぇよ。奈那は好きだしさ。でもなぁ……私からしたら友達っていうかさぁ」


 ルキヤは海外の人がやれやれって時にやるようなポーズで肩をすくめた。


 腹立つなこいつ……。


「そんなのこれから距離を縮めていけばいいじゃん。付き合う事になったのにうだうだ言ってるとか最低じゃない?」


 正論過ぎて何も言い返せないんだが……。

 でも付き合う事になった事自体元はと言えばこいつのせいでだな。


 ……そう、あの買い物の日にこいつが妙な条件を付けたから悪い。


 待てよ? どうしてあんな約束する羽目になったんだっけ。


 ……あぁ、私がルキヤのちょっとアレな写真を撮りまくったからだった……。


「どうしたの? ミイラの干物みたいな顔して」


「うるせぇなぁ……過去の自分を嘆いてるんだよ」


 というか、だからそのミイラの干物ってのなんなんだよ……。もういいよその件は。


「そんな事より、いつまでそこにいるの? 早く学校行かないと遅刻しちゃうよ?」


 そう言ってルキヤが小走りで学校へ向かう。

 そこまで急がなくったっていいだろうが。

 少し遅刻していくくらいの方がいろいろ都合がいい事だってあるんだよ。

 即一時間目が始まっちまえば授業中に今後の対応を考える事もできるからな。



 いろいろ考えながら通学路を歩いていると、もうどこにもルキヤの姿はなかった。

 あいつの事だから早めに学校へ行って私と奈那との顔合わせから見届けたいんだろう。


 あいつの特殊性癖にも困ったもんだ。


「あっ、おねー様おはようございますの♪」


「おお、うさこか、おはよ」


 背後からうさこが私の肩をとんっと叩いたので振り替える。


「そういえばおねー様、先日の事なんですけれど……」


「あっ、そうだった……なんかいろいろすまん」


 私は勢いでうさこをぶん殴ってしまったんだった。


「どういう事ですの? 実は私先日シカクイでおねー様を見かけた気がするんですがいまいち覚えてないんですの。あれは夢だったんでしょうか?」


「うん、夢だ夢。早く忘れろ。あとあのお姉さんにも余計な事は聞かないように」


 うさこの眉がぴこんと上がる。


 やべ。


「どうしておねー様がうちの姉の事を知ってるんですの? やっぱりあの日お姉ちゃんの店に行ったんですのね!?」


「あ、あぁ……ちょっと水着を買いにな。でもそれだけだから。ほんとそれだけだから」


 あのお姉さんの事とか全部説明しなきゃいけないのはめんどくさすぎるし私のやった事まで思い出されたらたまったもんじゃない。


 うさこなら私のやった事を思い出しても怒ったりしないだろうし、むしろ私だって被害者なんだけど……あれは思い出さない方がお互いの為だと思う。


「あっ、友達が来てしまったので私はこのあたりで……またお話しましょうね♪ それではまた♪」


 うさこはお嬢さまのようにスカートの両側をかるく摘まみ上げながらぺこりと会釈して友達の方へ走っていった。


 相変わらず賑やかな後輩だなぁ。

 私なんかに憧れたっていい事ないだろうに。



「えーなーちゃん♪ おはよっ☆彡」


 思ったより早く学校へ到着してしまった。学校の校門をくぐったあたりでその時が訪れる。



「あっ、絵菜ちゃんおはよう♪」


「お、おう」


 この時の私はいろいろ考えすぎて、なのに何も答えがでていなくて、つまり何をどうしていいかさっぱり分かんなくて固まってしまった。


「今日も朝からかっこいいね♪」


 そう言って奈那が私の腕に腕を絡ませてくる。



「え、ちょっ」


 学校でそんな事を……と言いかけて、そう言えばこのくらい普段からやってたな……と思い、そのまま教室に到着してしまった。


 そして案の定、にっこにこしてるルキヤを見かけて私の眉間に皺が増えた。




挿絵(By みてみん)


ルキヤの傍観者ムーブと奈々の彼女ムーブに絵菜は耐えきれるのか!


胃をすり減らす戦いが始まる……! かもしれない。



お楽しみいただけておりましたら是非下の方にある☆を★に変えていって下さい♫

応援よろしくお願いします( ◜◡◝ )

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