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崩壊24.9
ある日の事、ユウゼンが頼みごとをしてきた。
「僕、買い出しに出かけるからさ、スイと一緒にユイのお守りをしておいてくれないかな?」
年齢に関しては、ユイとシキのどちらが上なのか、これは誰にも分からない。
シキには生まれた日にちが分からないからだ。
命からがら生きてきた彼には意識してこなかった事だ。
それでもユイはどうにもおっとりしすぎるきらいがある。
鈍感な印象だが、意外性のある繊細さと意地っ張りを隠しているのはシキには理解できていた。
やはりスイとユウゼンの子だ。
お守りという言い方は適している。
「うん」
彼はおとなしいシキの返事を聞いてから、あどけないユイの寝顔を眺める。
「ありがとう、ああスイ、ちゃんとご飯作っておいてね。今日は何の日か分かる?」
「シキくんを迎えた日だよ、そんなの忘れるわけないじゃない。ねえ?シキ」
「え、あ、うん……」
「そうだね」
「気を付けてね」
「……うん」
柔らかな微笑みとともに、ユウゼンは我が家を後にした。
……記念日だったのか……
誰からも、必要とされず、目さえ向けられないシキを二人は引き取り、そして育てた。
それから一年が経とうとしていた。




