桜吹雪舞う頃に6
シキは桜吹雪の入り口に目をやる。
そこには一人の桜吹雪のナイトメアアクセルが必死に何かを伝えていた。
既に淡い光が身体を包んでいる。
つまり、ここからどう足掻いても彼は死ぬ。
身体を構成している凝固のシンマネの結合が解け、拡散して行く光だ。
『逃げろ……!ナイトメアブレーキがッ……!』
『どうした!』
先程の会議をしていた人達が、駆け寄りその異常性を確かめようとしていた。
『ここに来るッ!物凄い数だ!数千人いるッ!がっ……!?』
桜吹雪のメンバーが腹に出来た傷が大きく開き、多量のシンマネが漏れ出す。
前のめりに倒れ、その身体は七色の光になり消え去る。
『シキさん!これって!』
「この建物は元はナイトメアアクセルとナイトメアブレーキを繋ぐ寄り合い所のようなものだった。対立する二つのナイトメアが遊べる場所はここだけだ。だけどその桜吹雪を無理矢理組織化して均衡を崩したのは俺だ。この組織には元はナイトメアブレーキだった者もいる。相手のこの対応は当然なんだよ」
密かに力を付け、その結果を見せつけ、着実に仲間を増やして決起した反逆者の集まりはもう消えてもらうつもりだったらしい。
『間に合ったってこう言う事だったんですね』
「シキ!桜吹雪の仲間がっ!どうなっちゃってるんだよ!」
「敵が攻めてきやがったのさ」
「数千って!戦うの!?」
「落ち着け、大丈夫だ。なんとかなる」
シキはとても落ち着いていた。
それが燦にはとても不思議でしょうがなかった。
逃げようにもここはまだどうしようもなく逃げ場のない場所での立地であり、戦おうにも寄せ集めの数百人が数千の規模を誇る戦闘のエキスパートに敵う道理はない。
どうするというのだ。




