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薬師の葛藤5
「まだ小さな娘……このような者が、たった一人で街を強大なものへと作りかえてしまうのか……だとすると、アゲハの懸念も納得だな」
微かな寝息を立てて、日に当たりながら眠りにつく少女の身に、とてつもない力が込められている。
見れば分かる。
これは自身と同じ力だ。
この街の中核となり得たこの少女の力、その命をもらう。
「死ね」
透明な刃を手に持ち、首筋目掛けて一振りする手前。
「ユイ!」
最後のドアをとまどいなく蹴破り、部屋へ乗り込み。
一瞬で状況を理解したシキはシルスを投げ、ユイの元でタイミングよくシンマネのバリアを張り、刃を食い止める。
「これはッ!」
すぐにユイの元から飛び退いた先に、シキは回り込み、アムスを振り込む。
「お前が、死ね」
「この一瞬で距離を詰めただと」
負けじと応戦した奇襲者だが、シキの剣術に及ばず、更に距離を離す。
「驚異的反応速度と、それについていける身体、流石だな」
その奇襲者の顔を遅れて現れた燦と、ユイの側へと回り状況を立て直したシキが目撃する。
「シキ!あいつは!」
「あの時の奴……」
その者の存在を、二人は知っている。




