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薬師の葛藤2
ワシはこの街が小さかった頃から、ここで薬師をしていた。
さらにそれより前は、この街を守るただの兵士じゃった。
その頃はワシにも家族がおってな。
……兵力が今の万分の1程で、とても守りきれずに何度も侵入され、結局ナイトメアに襲われて死んじまった。
そんな喪失を取り戻したくて、古今東西のシンマネに関する書を読み漁った。
そして降霊術に出会ったのだ。
結果家族を生き返らせる事は出来なかったが、その経験はワシに薬師としての第二の人生を指し示したのじゃよ。
習得に勤しんだこの術は、かような精神も持てない、骸を動かすだけで精一杯、その程度が限界なものだった。
しかしこのシンマネを転用した降霊術を応用すれば、薬を作れる。
せめて誰も死なせたくはなかった、いや。
「ワシは諦めてしまったのかもしれん。妻と一人息子を失った悲しみよりも、かけがえのない愛に未練を募らせるのが間違っているかもしれないと。死者を縛り付けているのに他ならないと」
「おじいさん……」
「死者への冒涜に過ぎないなどと、歳をとるとな、段々とな。何かとつけて諦める事に対する理由づけが上手くなるんじゃの」
そうして無為に過ぎ行く時間の中で、ワシはユイを拾った。
そして育てた。




