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薬師の葛藤
必死に僕を拒む彼は、物憂い気な表情を戦いながら時折覗かせていた。
どうしようもない寂しさを感じてしまうのは、何故だろう。
「……何故、避けぬ」
彼の刃を僕は、受け入れる事にした。
「今まで会った年上の人って、みんな頑固で頭ごなしなのばかりだから……こうでも、しないと……話もさせてくれないから」
僕の胸を貫通するその白き刃は、その輝きをより強くした。
「……死ぬぞ、この刃の猛毒は」
「ですが、背負ってもいいかなと思えた痛みです」
そのセリフに、何処と無く信念めいたものを感じる薬師。
痛みを背負うものの事は、同じく痛みを背負ったものにしかわからぬ。
だからこの少年は、あんなに穏やかな顔が出来るのか。
だから、悲しみに敏感なユイからの招待を、受けられたのか。
「お主、不思議な目をしておるな」
「まるで、ユイのようじゃわい」
「ユイさんに、似てる?」
「その目と度胸に免じて、少しだけ話をしてやろう。このまま見過ごしてもいいが、無為に殺生を行なってはあやつに顔向けできん」
「ふぅ」
彼は漸く、周囲に放つシンマネの展開を抑え、僕の傷を直しながら事の顛末を話してくれた。




