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召喚幻想紀 - 召喚魔法で作り上げた最強パーティーで成り上がり - 作者:花京院 光

第一章「冒険編」

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第八話「魔獣・レイス」

 武器を手にした四体のレイスとの戦闘が始まった。
 俺とフーガは力の弱いリーシアを守るために、今回も最前線で戦う事にした。
 俺はまず一体のレイスに標的を定めた。
 両手斧を持っていて、体から発している魔力が一番強い個体だ。
 きっとヤツが四体のレイスのリーダーに違いない。
 手に持っている斧もかなり立派な物に見える。
 俺はレイスに対して剣を向けて挑発すると、すぐに襲い掛かってきた。

 両手斧を持ったレイスは、武器を振りかぶって俺に攻撃を仕掛けてきたが、両手斧の攻撃よりも、片手で扱える俺のブロードソードの方が攻撃速度は速い。
 俺はレイスの攻撃をギリギリの所で回避し、敵の懐に飛び込んで攻撃を仕掛けた。

『スラッシュ!』

 レイスの目の前で魔力を込めた水平切りを放った。
 この距離なら絶対に当たる!
 俺はそう確信したが、レイスは両手斧を咄嗟に投げ捨てて宙に飛び上がった。
 きっと両手斧を持ったままでは俺に勝てないと悟ったのだろう。
 攻撃速度的には俺の方が断然有利だからな。

 宙に飛び上がったレイスに対して、フーガはとっさに口を開いて炎を放った。
 え……?
 フーガって火も吐けるのか。
 当たり前と言えば当たり前か。
 自分の前足に火の魔力を込めて攻撃が出来るんだ、火を吐く事は容易いだろう。

 突然のフーガの攻撃に対して、レイスは反応が間に合わずに全身に炎を浴びた。
 レイスの体は炎に包まれて燃えているが、骨の体には炎は通用しないのか、そのまま地面に降りてきて両手斧を拾い上げた。
 体を燃やしたまま、今度は標的をリーシアに変更した。

 現在、リーシアを守っている三体のスケルトンは他のレイスと交戦している。
 実力はほぼ同等なのか、三体とも見事にレイスの攻撃に耐えている。
 リーシアは自分に向かって突き進んでくるレイスの存在に気が付いたのか、すぐに杖を構えて魔法を唱えた。

『アイス!』

 リーシアが魔法を唱えると、彼女の杖からは強い氷の冷気がレイス目がけて放たれた。
 レイスはリーシアの攻撃をもろに喰らうと、レイスの体は瞬く間に凍り付いた。
 リーシアの氷魔法は、既にレイスを一撃で凍らせられるレベルなのか……。
 俺は凍り付いたレイスの脳天にスラッシュを放って粉々に砕いた。

 それからは俺とフーガがスケルトン達に加勢し、リーシアが次々とレイスを凍らせると、一瞬で俺達は四体のレイスを仕留める事が出来た。
 きっとリーシアがアイスの魔法を覚えていなければ、今回の戦いは更に長引いていただろう。

「リーシア、フーガ、スケルトン達もよくやった! 素材と武器を回収してすぐに墓地を出るぞ!」
「わかったわ!」

 俺はスケルトン達に、墓地に散らかったレイスの素材の中から、強い魔力を感じる素材を持ち帰るように命令した。 
 素材を回収した俺達は、レイスが巣食う墓地を急いで駆け抜けた……。
 約一時間程、墓地からザラス方面に進むと、小さな湖に辿り着いた。
 魔物の気配もなく、どうやら他の冒険者も居ない様だ。
 今日はここで野営をする事にした。
 早速レイスの素材から新しい仲間を作り出そう。
 今回レイスと戦ってみて、改めて手強い魔物だという事に気が付いた。

「今日はこの辺りで野営をしようか。俺は早速レイスを召喚するよ」
「わかった。私はアイスの魔法を練習するね!」
「うん、さっきの魔法も十分凄かったけど、リーシアが攻撃魔法を使ってくれると助かるよ」
「えへへ……レオンと仲間のためにも頑張るね!」
「俺もリーシアのために頑張るよ」

 リーシアは随分と気合いが入っている様だ。
 彼女は野営の準備を終えると、すぐに氷属性の魔法の練習を始めた。
 しかし、精霊という種族はこれ程までに簡単に新しい魔法を覚えてしまうのか……。
 最近のリーシアは日に日に強くなっていく気がして、近い将来、俺の方が足手まといになるような気がする。
 というか今でもリーシアは冒険者として俺よりも優秀なんじゃないだろうか。
 リーシアを守れる強い冒険者にならなければならない。

 俺はスケルトン達に野営地の見張りを任せて、早速レイスを召喚する事にした。
 今回召喚するレイスは二体だ。
 あまり召喚獣が多すぎても、パーティーとして統制が取れなくなるような気がしたからだ。

 俺はレイスの素材を地面に置くと、早速新しい魔物を作り出す事にした。
 俺達パーティーの後方から支援出来る、強力なレイスが生まれますように……。
 俺はレイスの素材に両手を向けて魔力を注ぐと、素材は綺麗な紫色の光を森の中に放ち始めた。
 しばらく魔力を注ぎ続けていると、やがて体の小さなレイスが光の中から姿を現した。
 やはり精霊王の加護は偉大だ……。
 新しい魔物が生まれる瞬間はいつも感動する。
 俺は二体の小さなレイスの頭に触れ、自己紹介をすることにした。

「俺はレオン・シュタインだよ。君達を召喚した。これから俺のパーティーの一員として活躍してくれ」
「……」

 レイスは俺が言いたい事を理解したのか、軽く頭を下げて会釈した。
 二体のレイスはスケルトン達よりも体は小さいが、体から感じる魔力はレイス達の方が強い。
 レイス達には弓を使って後方から援護して欲しいが、今は弓も矢もない。
 新しい装備はザラスで買うとして、今はこん棒を使ってもらう事にした。
 レイス達には空を飛べるフットワークの軽さを生かした戦い方をして欲しいからだ。
 俺は適当な木を切ってこん棒を作り、レイス達に渡した。
 レイス達はこん棒を手に取ると、楽しそうに振り回している。

「これでレイスの召喚も終わったし、今日は早めに休もう。召喚のせいで魔力をかなり消費してしまった……」
「そうだね。私はしばらくアイスの練習をしてから休むよ」
「分かったよ」

 俺はアイスの魔法の練習をしているリーシアを眺めながら、フーガと共に夕食を摂る事にした。
 鞄から堅焼きパンと乾燥肉を取り出してフーガに渡すと、嬉しそうに食事にありついた。
 リーシアもかなりの速度で成長しているが、フーガも日に日に大きくなっている気がする。
 フーガは俺が渡した堅焼きパンと乾燥肉を一瞬で食べ尽くしてしまった。
 食料が足りないな。
 俺はフーガのために、森に生息する兎を狩る事にした。

「フーガ、森に入って兎を狩ろう。フーガは森に潜んで居る兎を探し出してくれ、俺がファイアボルトで仕留める」
「バウッ……!」

 俺とフーガは再び森の中に入った。
 墓地から離れたこの場所は、墓地の中の様な悪質な魔力は感じず、野生動物も多く生息しているみたいだ。
 しばらく森の中をフーガと共に探索していると、大きな白い兎を見つけた。

「フーガ、あの兎を狩ろう」
「……」

 フーガは小さく頷くと、兎の背後にゆっくりと忍び寄った。
 兎はフーガの気配に気が付き、急いで振り返った瞬間、俺は魔法を放った。

『ファイアボルト!』

 両手を向けて魔法を放つと、細くて鋭い炎の矢が飛び出した。
 炎の矢は兎の頭部を貫くと、兎は一撃で命を落とした。
 フーガは死んだ兎を咥えて俺の元に戻ってきた。

「よくやったぞ、フーガ! この調子でどんどん狩ろう!」
「バウッ!」

 俺はフーガを抱きしめて褒めると、嬉しそうに俺の顔を舐めた。
 それから俺達は森の中で兎を五羽も狩る事が出来た。
 兎を抱えて野営地に戻ると、早速下処理を始めた。
 血を抜いてから内臓を取り出して解体する。
 骨に付いた肉を削ぎ落して、調味料を掛けて完成だ。
 後は熱したフライパンに入れて焼けば良い。

 俺は鞄の中からフライパンを取り出して左手で持った。
 右手で炎を作り出してフライパンの底に当てる。
 しばらく待っていると、兎の肉が焼ける匂いが立ち込めてきた。
 肉の中までしっかりと火を通すと料理は完成した。
 俺が兎の料理を完成させると、リーシアも魔法の練習を終えた様だ。
 彼女はお腹が空いていたのか、俺が作り上げた兎の料理を美味しそうに食べ始めた。

「レオンの料理、美味しいよ!」
「それなら良かった。フーガもリーシアも沢山食べるんだよ」
「うん、フーガ! 一緒に食べよう!」

 リーシアはフーガを自分の膝の上に乗せて、楽しそうに料理を食べている。
 俺はそんな様子を見ながら、葡萄酒をチビチビと飲む。
 至福の時だな。
 スケルトン達とレイス達は野営地の周辺の見回りをしている。
 スケルトンに体力という概念はないのか、長時間見回りをしていても、疲れた仕草すらしない。

 それから俺達は夕食を食べ終わると、すぐに休む事にした。
 明日からもまたザラスに向けて移動を続けなければならない。
 アルシュ村からザラスまでの道で、一番の難所と呼ばれているこの森さえ抜けてしまえば、あとは緑が豊かな平原を進むだけだ。
 このメンバーなら問題なく抜けられるだろう。
 俺は寝る前に今後の予定を仲間に伝えてから、すぐにリーシアを寝かせる事にした。

「リーシア、そろそろ寝ようか」
「うん、おやすみレオン」
「お休み、リーシア」

 俺は今日もリーシアの隣に横になり、フーガを抱きしめながら眠りについた……。
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