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召喚幻想紀 - 召喚魔法で作り上げた最強パーティーで成り上がり - 作者:花京院 光

第一章「冒険編」

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第九話「魔法都市ザラス」

 ザラスまでの道を進み続けた俺達は、ついに目的の町に到着した。
 魔物の侵入を防ぐために、背の高い石の壁が町を囲んでいる。 
 やっと着いたか……。
 長かったようだが、実際は十日間程しか掛かっていないだろう。

 道中ではスケルトン達とレイス達に戦い方を教えつつ、俺自身も自分の戦い方を追求した。
 右手でブロードソードの攻撃を繰り出しつつ、左手でファイアボルトを撃つというスタイルだ。
 最近はファイアボルトを作り出すまでの速度もかなり早くなり、矢の速度も上昇した。
 命中率はあまり変わらないが、威力は明らかに増している。

 リーシアはというと、驚異的な速度で成長している。
 出会った時は140センチ程だった身長も、今では明らかに150センチを超えている。
 幼かった顔つきも、段々と大人の女性の顔に変化しつつある。
 精霊の契約をしたからだろうか、リーシアの成長速度には目を見張るものがある。

 フーガもリーシアに負けず劣らず、段々と体格が良くなっているような気がする。
 体から感じる火の魔力も、日に日に強くなりつつある。
 いつの日か、俺よりも強力な火の攻撃を使えるようになるだろう。
 俺も負けてはいられないな……。

 俺とリーシアとフーガは早速ザラスの町に入る事にした。
 レイス達とスケルトン達には近くの森の中で待機を命じた。

「レオン、ここが魔法都市ザラス?」
「そうだよ。魔法を研究している機関が多くて、魔術師や魔法剣士を育てるための魔法学校なんかもあるんだ」
「魔法学校かぁ……私も新しい魔法覚えたいな」
「リーシアはやっぱり氷の魔法が好きなのかい?」
「うん、なんだか自分に合っている気がするの」
「それじゃ、後で魔導書を買いに行こうか。今日の予定はまず、冒険者ギルドで冒険者の登録をする事、それから宿を見つけて、魔導書を買いに行こう」
「わかったよ」

 俺はリーシアとフーガに今日の予定を伝えると、すぐにザラスの町に入った。


 〈魔法都市ザラス〉

 ザラスの町に入ると、そこは冒険者で溢れていた。
 俺が見た事もない種族の獣人や、冒険者に飼い慣らされた魔物の姿もあった。
 流石にアンデッド系の魔物の姿はなかったが、俺のフーガと同種のファイアウルフも居た。
 武器を装備した冒険者の姿も多いが、やはりここは魔法都市なのか、魔術師風の身なりをしている人も多い。
 召喚獣だろうか、ガーゴイルを肩に乗せている者、路上に水晶玉を置いて占いをしている者も居る。
 小さな露店が多く、俺が見た事もない魔法道具がぎっしりと並べられている。
 町を見て歩くだけでも面白そうだな。

「レオン、賑やかで良いところだね!」
「そうだね、俺の村はこんなに活気が無かったからな。やっぱり都会は楽しいよ」
「すぐに冒険者登録をするの?」
「そうだね、早速冒険者ギルドに向かおう」

 俺達は冒険者の登録をするために冒険者ギルドを訪れる事にした。
 ザラスの町には冒険者ギルド以外にも、魔術師ギルドや召喚士ギルド等、様々なギルドがあるみたいだ。
 冒険者ギルドは、ザラスの町の中心の商業施設が並ぶエリアにあった。

 三階建ての立派な石造り建物で、どうやら一階が受付になっているみたいだ。
 建物の窓から室内の様子を覗いてみると、屈強な冒険者が食い入るようにクエストボードを見ていた。
 やっとここまで来たか……。
 ついに念願の冒険者登録が出来る。

「リーシア、ここが冒険者ギルドみたいだよ。早速中に入ってみよう」
「そうだね……なんだか緊張する。私、精霊だから登録できないかも……」
「大丈夫だよ。冒険者の登録は精霊でも獣人でも出来る」
「うん……」

 リーシアは自分が精霊だから冒険者の登録を出来ないと思っている様だが、以前父から聞いた話では、冒険者の登録は人間以外の種族も可能で、クエストの内容を理解出来る言語力があるなら年齢の制限もなく、種族の制限もないらしい。
 早速冒険者ギルドの中に入ってみよう。
 俺達は冒険者ギルドの扉を開いて中に入った……。


 〈冒険者ギルド〉

 扉を開けてギルドの中に入ると、冒険者達は一斉に俺達を見つめた。
 きっと俺達が幼いからだろう。
 中には挑発的な目で睨んでくる冒険者も居る。
 気分が悪いな……。
 俺とリーシアとフーガは、恐る恐るギルドの奥にある受付に進んだ。
 どうやらここで冒険者としての登録をするらしい。
 受付の係員だろうか、四十代程の女性が、退屈そうに本を読みながら紅茶を飲んでいる。

「すみません。冒険者の登録をしに来たのですが」
「あ? 登録? あんた、何歳?」
「え? 十七歳ですよ」
「冒険者になって何がしたいんだい?」
「世界を見て回りたいんです、それからダンジョンや迷宮を攻略したいです」
「ダンジョンや迷宮をねぇ。攻略なんて出来るのかね、あんたみたいなガキが」
「きっと攻略してみせますよ。俺はそのために冒険者になります」
「十七歳のガキが? まぁ、せいぜい死なないでおくれよ。死なれると手続きが面倒だからね。それで、そっちに居る女の子は何歳だい」

 随分態度の悪い女だな……。
 なんだか腹が立ってきた。
 だが、受付の女性の言葉は正しい。
 十七歳の俺がダンジョンや迷宮を攻略出来る可能性は低いだろう。
 だが、俺は冒険者として生きる事を心に決めている。
 心に決めている以上、他人より優れた冒険者になりたい。
 難易度の高いダンジョンを自分の力で攻略してやるんだ。
 それが俺の目標だ。
 リーシアは俺の服の裾を掴みながら、恐る恐る返事をした。

「年齢はありません。精霊だから……」
「精霊!? あんたが精霊? そんな嘘、誰が信じるかしら。坊やもまた面白い女の子を連れてきたね。ハハハ! 十七歳のガキに自称精霊の女の子、それから後ろに居るのは魔獣のファイアウルフかい。こんなパーティーでダンジョンや迷宮を攻略したい? 命がいくつあっても足りないだろうね! 冒険者を舐めるんじゃないよ! ガキが!」

 やはりこの受付の女性は腹が立つな……。
 俺の事を馬鹿にするだけならまだ良いが、リーシアが精霊かどうか疑うなんて信じられない。
 それに俺のフーガはそこら辺の弱いファイアウルフじゃない。

「リーシアは精霊だし、俺がファイアウルフを連れていてもダンジョンを攻略出来る事を照明してみせますよ。早く登録をさせて下さい」
「まだ嘘をつくかい。そんなに登録がしたいならさせてやろうじゃないの。この石板の上に手を載せなさい。あんたのステータスを今から確認しようじゃないの」
「ステータス? 良いですよ。登録が出来るなら」

 俺はカウンターの上に置かれた石板の上に手を触れた。
 すると、石板の上には綺麗な金色の文字が輝いた。

 『レオン・シュタイン』
 種族:人間
 所属:精霊王・ガウス
 称号:精霊の契約者
 武器:『鉄のブロードソード』
 防具:『白銀の鎧』
 装飾品:『精霊王の指環』
 スキル:『スラッシュ』『ガード』
 魔法:『ファイア』『ファイアボルト』『ファイアボール』
 召喚獣:『グレートゴブリン』『スケルトン』×3『ファイアウルフ』『レイス』×2

 種族は人間か、当たり前だな。
 それから……所属が精霊王。
 うん? 精霊王!?
 俺が精霊王に所属している!?

「あんた……何者だい!? 精霊王ガウスの配下の者かい!?」
「配下ではありません、精霊王から加護を受けた者です」
「精霊王の加護……? こんな若造が……ガキが!?」

 受付の女性が、精霊王の名を出した瞬間、ギルド内に居た冒険者達は驚いた表情で俺を見つめた。
 俺は精霊王ガウスとやらを知らない。
 どれだけ偉大な精霊の王なのかはわからないが、精霊と契約した者に対して、魔物の素材から新しく魔物を召喚できる力を授けられる程、有能な王だという事は理解しているつもりだ。

「信じられない、精霊王の加護を授かった人間が居るなんて……」

 それから俺は、リーシアの手を取って石板の上に載せた。
 リーシアの手が石板に触れた瞬間、石板は強く輝いた後、金色の文字を宙に浮かべた。

 『リーシア』
 種族:精霊
 所属:レオン・シュタイン
 称号:なし
 武器:『霊力の杖』
 防具:なし
 装飾品:『精霊王の指環』
 スキル:なし
 魔法:『ヒール』『マナシールド』『アイス』

 リーシアの情報が宙に輝いた瞬間、ギルド内は大いに盛り上がった。

「ザラスの冒険者ギルドから精霊と精霊王の加護を受けた冒険者が生まれたぞ!!」
「精霊王から認められた冒険者……きっと歴史に名を遺すような偉大な人物になるに違いない!」
「これは凄い事になるぞ! 精霊王の加護を持つ冒険者か……大陸で最強の冒険者になるだろう!」

 冒険者達は興奮した面持ちで俺達を取り囲んだ。
 そんな様子を、受付の女性は不満げな表情を浮かべて見ている。
 すると、騒ぎを聞きつけたのか、カウンターの奥から一人の男性が現れた。
 立派なローブを身に纏っており、背中には巨大な大剣を背負っている。
 肩まで伸びた黒い髪と青色の綺麗な目が印象的だ。
 年齢は四十代だろうか、彼がギルド内に現れただけで、場の雰囲気が一瞬にして変わった。

「カミラ、相手を見た目だけで判断するなと、今まで何度注意した?」
「申し訳ありません! マスター!」
「謝罪の言葉も聞き飽きたな。雑用係からやり直した方が良いんじゃないのか。ギルドを運営している者の役目は何だ? 冒険者を支援する事だ! そんな基本的な事も忘れたのか」
「いいえ……覚えています……」
「それなら今後は相手を侮るような行動を慎む事だ! 次はないぞ! 下がれ!」
「申し訳ありませんでした!」

 受付の女性は、マスターと呼ばれる男性に怒鳴られるや否や、もの凄い勢いでカウンターの奥に消えていった。
 俺が言いたい事を全てこの男性が代言してくれた様な気がして、心がスッキリしたな。
 マスターと呼ばれた男性は俺の前に立つと、右手を差し出してきた。
 握手を求めてるのだろうか。
 差し出された手を握ると、マスターの心地の良い魔力が俺の体に流れてきた。
 この人は並みの冒険者じゃない。
 俺はなんとなくそう思った。
 彼の体から感じる魔力は、父さんよりも、アッシュおじさんよりも遥かに強い。
 複数の属性の力を感じる。

「良い魔力を持っているな。どうやら精霊王ガウスの加護を受けるに相応しい人物の様だ。精霊と魔物と共に冒険者を目指す者。私は冒険者ギルドのマスター、エドガー・ベルネットだ」
「どうも、アルシュ村のレオン・シュタインです。それからこっちは精霊のリーシアとファイアウルフのフーガです」
「冒険者、レオン・シュタイン。先程は職員が失礼をした! 私から代わりに謝罪をしよう。君達を冒険者ギルドのメンバーとして心から歓迎する」
「ありがとうございます」

 どうやら俺達はギルドマスターから歓迎されている様だ。
 無事に冒険者としての登録をした俺達は、クエストの受け方や冒険者のランクについての説明を受ける事にした。
 説明は先程の態度の悪い女性ではなく、若くて誠実そうな男性の職員から受ける事になった。

「まずはこちらのギルドカードを二枚、お渡しします。こちらのギルドカードには冒険者様本人の情報が記載されています。内容は先程、石板が光の文字として表したものと同じです」

 俺は職員の男性から小さな金色のギルドカードを受け取って確認してみた。
 内容は自分自身のステータスと全く同じだった。

「冒険者ギルドで登録をして下さったレオン様は、これから正式にクエストを受ける事が出来ます。最初はGランクの冒険者から始まり、クエストを達成し続ける事によってランクを上げる事が出来ます! 冒険者としてのランクが上がれば、相応の特典を、冒険者ギルドが在る地域内で受ける事が出来ます!」
「特典ですか?」
「そうです! 例えばこの魔法都市ザラスでは、Cランク以上の冒険者は町の宿の宿泊費が無料になります。それから、クエスト受注時にポーションを無料で受け取る事が出来ます。他にも様々な特典がありますが、特典が発生する冒険者ランクはCランクからです!」
「それならCランクの冒険者を目指す事にします」

 俺がそう宣言すると、ギルドマスターのエドガー・ベルネットは微笑みながら俺の肩に手を置いた。
 なぜだかこの人と一緒に居ると気分が安らぐような気がする。
 今すぐにでもクエストを受けてみようか。

「Gランクの冒険者はどんなクエストを受けたら良いですか?」
「そうですね……アルシュ村からザラスまでの森に巣食うレイスの討伐はいかがですか? Gランクの方には少々難易度の高いクエストかもしれませんが、このクエストをクリアする事が出来ればFランクに上がる事が出来ますよ!」
「え? レイスを? それならもう既に狩ってきましたよ」
「はい……? レイスをですか……?」

 俺がそう言うと、受付の男性は目を丸くして驚いた。
 倒すどころか素材から新しいレイスを召喚して仲間にしている事を伝えた。

「レイスを倒して素材から新しいレイスを作り上げた!?」
「そうですよ。レイスは既に討伐済ですし、俺の仲間のレイスが近くの森で待機しています」
「は……? はい。かしこまりました。本来なら魔物の素材を持ち帰ってもらって、討伐を確認してからクエストを完了して貰うのですが、今回はギルドカードにも二体のレイスの名前が表示されていますので、シュタイン様とリーシア様のFランク昇格を認めます。こちらは報酬の20ゴールドです」

 受付の男性は驚いた表情を浮かべながらも、報酬の20ゴールドを渡してくれた。
 レイスの討伐が20ゴールドか……。
 かなり報酬の高いクエストなんだな。
 冒険者として登録をして、一日でGランクからFランクに上がってしまった。
 案外すぐにCランクを超える事が出来そうだな。
 この調子でクエストをこなそう。

「それから、ギルドカードには職業を登録する事が出来ます! クエストの依頼人が、今どんな冒険者がクエストに挑んでいるのかを確認するために必要ですので、シュタイン様とリーシア様の職業の設定をお願いします」
「そうですか、それなら俺は戦士で、リーシアは魔術師でお願いします」
「戦士に魔術師ですね……かしこまりました! 登録を完了しました」

 もう一度ギルドカードを見てみると、俺の職業は戦士に、リーシアの職業は魔術師になっていた。
 ついに冒険者としての一日が始まった。
 明日からまた新しいクエストを受けよう。

 今日はこれから宿を探して、リーシアのための魔導書を買わなければならない。
 それから、レイス達とスケルトン達の装備も必要だ。
 俺達は早速、ザラスで冒険者のための装備を取り扱っている店に向かう事にした……。
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