18.パンを捏ねる。すこしマジメに考える。
パンをこねる。
恐らく、パン作りにおいて最も重要な作業。
捏ねる。
この漢字で一番最初に浮かぶのは捏造ですね。
おなじみgoo辞書によると、
ねつぞう[名]「でつぞう(捏造)の慣用読み」
実でないことを事実のようにこしらえること。
でっちあげること。
とあります。
「カタチのないものをこねて作り上げる」のようなところが由来だそう。
しかしながら「でつぞう」が本来の読み方なのか。
「捏造だ!」と同じ意味の「でっち上げだ!」。
これの「でっち」は「捏」の読み「でつ」が由来。
なので「捏っち」と表わすのだそうです。
捏っちあげだ!
ねっちあげだ! ←将来的にはこんな風に言うかも?
さて、パンを作るうえで重要な作業がこの「こね」の作業。
こねると言うと粘土なんかを台の上でひとまとめにして、
ぎゅっ ぎゅっ
と両手で丸く押し固めるような作業をイメージします。
私は陶芸をしないのでなんとも言えないのですが・・・
恐らく、陶芸の粘土をこねるのとパンの生地をこねるのは、
その目的が異なるので、似て非なる動作になると思われます。
陶芸をされる方でパンも作られる方がおられましたら、
粘土とパン生地のコネの違いを教えていただきたい気もします。
パンにおける「こねる」作業。
その目的とは…
・強力粉や砂糖などの材料を生地に均一に行きわたらせる
・強力粉のタンパク質に含まれるグルテンを生成する
・グルテンをより強く、かつ、しなやかにして生地に行きわたらせる
などとなります。
以前紹介しましたが、小麦と大麦の成分での最大の違いは、グルテンの有無にあります。小麦で作る「ふっくら&もちもち」パンのキモはこのグルテンにあります。実際、大麦粉オンリーでパンを作ると、かなりゴワゴワとした食感になるそうです。それはそれでおいしいのですが。
そんな意味では、生地をこねるとは「グルテンを引き出し、その質を高め、生地に行きわたらせる作業」となりそうです。
パン生地をこねている時に、ふと気づいたことを次回に紹介したいと思います。