076:ドリスの花術
「サニィとクラウドが、戦っているのですか……?」
その場の光景を目にして、ドリスが訝しげに眉を顰めた。
口にこそ出してないが、ユズリハも同じ気持ちだ。
サニィとクラウドはお茶会の襲撃の時に出会っただけだが、口論こそしているものの、こういった形で敵対する仲ではなかったはずだ。
そもそもあの口論も、同じ組織に属しているという仲間意識による、在る程度の信頼感を有したものだったように思えた。
だからこそ――尚更、クラウドとサニィが得物をぶつけ合っているこの状況が理解できない。
「せっかく俺を楽しませるコトができる女が姿を見せたっていうのによォ――ッ!?」
こちらを一瞥して、クラウドは鍔迫り合いのように力を拮抗させあっていたサニィの槍を、強引に弾く。
「目ぇ覚ましなッ、サニィ!!
テメェと殺り合うなら、正気のテメェとじゃないと、俺は楽しめねぇんだよッ!!」
即座に間合いを離し、クラウドは剣に曇空のような色のオドを乗せて振るう。
「斬間雲ッ!」
オドを纏った薄く鋭い剣圧が空を裂きながら、サニィめがけて飛んでいく。
サニィは即座に体勢を整えると、槍の穂先にオドを乗せ、切っ先で地面に擦りながら振り上げた。
「陽光走牙」
サニィの名が示すような――というには、やや陰った陽光のような色のオドが槍から放たれ、衝撃波となって地面を滑っていく。
クラウドとサニィが互いに放ったオドによる中距離衝撃波は、ぶつかり合うと周囲に衝撃と粉塵をまき散らしながら消滅する。
そして、二人は舞い上がる粉塵が収まるのも待たずに、地面を蹴り合った。
その光景を見ながら、ユズリハはうまく説明できない違和感を覚える。
「ユズリハさん、どうしました?」
よほど変な顔をしていたのか、ドリスがそう訊ねてきた。
それに、自分の内側に湧く奇妙な違和感をハッキリさせる意味も兼ねて、ユズリハは口にする。
「サニィの戦うとこ――初めて見たハズなのに、何か違和感があるんだ」
「違和感、ですか?」
「うん……。なんだろう……こう――」
完璧で淀みのないオドの操作。
ひたすらに研鑽を重ねたのだろう槍技と葉術によって、あのクラウド相手にひけを取らないだけの戦闘力を有しているサニィ。
「完璧すぎるオド操作――って言い方はちょっと違うかな。
だけど、ひたすら研鑽を積んだ末に身についたオドの使い方で、まるでボタンを押せば勝手に動く花導具のように発動してる。
それ自体はすごいコトのはずなんだろうけど……なんていうのかな……」
すごいことのはずなのに、それを素直にすごいと賞賛できない何かがある。
「サニィ!」
振り下ろされるクラウドの剣を、サニィが無言で受けながす――と同時に……
「破ッ!」
かけ声とともに、サニィが槍で横薙ぎを放つ。
「甘いんだよッ!」
その横薙ぎを、クラウドはオドを纏った左腕で強引に受け止めて、剣を突き出す。
サニィは突き出された剣を見据えて躱し、右手だけ槍から手を離すと、陽光色のオドを纏って、拳を繰り出した。
「チッ」
クラウドは舌打ちをして、強引に後ろへ飛び退く。
ダメージはさほどでもなかったようだが、完全に威力を殺すことはできなかったのか、後方へと勢いよく飛んでいき、民家の壁に激突する。
「……そういうコトか」
二人の激しい攻防を見ながら、ユズリハは理解する。
「サニィに、感情のブレが薄いんだ。
オドも完璧な操作をしてるんじゃなくて、ただ機械的に身体に染み着いた動きでこなしているだけ……!」
「それは、研鑽の結果なのではないんですか?」
「違うよ。確かに研鑽の結果、そういう境地に至るコトはある。
だけどね、クラウドの呼びかけにもロクに反応せず、淡々と攻撃を繰り出してる。あれじゃあ、まるで――花導人形だ」
さらに言えば、クラウドが定期的に呼びかけていること。
攻撃は強力ながら必殺の威力ではないこと。
何より――先ほど耳にした正気に戻れという言葉。
そこまでくれば、結論だって簡単に導き出せる。
「ドリス、警戒して」
「え?」
「サニィを人形のように操ってる奴が、この街にいるはずだよ」
誰が――という答えはこの際、必要ない。
重要なのは、その『誰か』というのは、サニィのような腕利きさえも操る能力を持っているということだ。
油断をすれば、自分も操られてしまうかもしれない。
警戒したところで防げるかどうかも分からない。
「警戒すれば、操られずに済むのならば、話は早いのですが……」
ドリスも同じことを考えたのだろう。
どうやってサニィを手中に収めたのか――そこが分からないと警戒のしようがないのも確かである。
「…………」
注意深く、睨みつけるかのように、ユズリハはサニィを見つめた。
ユズリハは霊力過敏だ。
ライラのような通常は目に見えないマナやオドを視るチカラは持っておらずとも、常人では感じ取れないマナの変化を感じ取れる。
彼女を操る何かを感じ取れれば――そう思うのだが……。
「……ッ!?」
サニィとは別のところにあるものを感じ取って、ユズリハは咄嗟に小太刀を抜刀。その勢いのまま、剣圧にオドを乗せて衝撃波を放つ。
それはただの瓦礫の山のようなものを斬り裂き、炸裂して吹き飛ばす。
舞い上がる粉塵の中に、人影が現れると、それはゆっくりとそこから歩み出てくる。
悠然とした笑みを浮かべながら出てきたのは――
「ヒースシアン・アーカ・オリエンス……ッ!」
「おや、どこかでお会いしたかな?」
甘いマスクに、どこか信用できない笑みを張り付けた男は、ユズリハを見ながら首を傾げる。
「ふむ……もしや、アレかな。
ユーノストメア嬢の侍女をしていた、東方風の姿の」
「思わず名前を呼んだのは失敗だったかな。あっさり看破されちゃったみたいだ」
ユズリハが大袈裟に肩を竦めてみせると、ヒースシアンはくつくつと喉の奥で笑った。
「キミが黙っていても私は気づいたよ。
何せ、美しい女性や、可愛い女の子は、忘れないタチでしてね」
「良く言うものだよね。その美しい女性や、可愛い女の子を、オドと香水の併用で、意図的に一目惚れを起こさせてたくせに」
そう言い返してやれば、ヒースシアンは楽しそうに笑ってみせる。
ユズリハも娼館に勤めてたころは、一夜の楽しみを盛り上げるために、そういう手段を使ったことはある。
だがあれは、その一夜の為のものであり、演出の一環だ。
しかし、この男はどうだろうか。
女誑しというのも烏滸がましい、相手の意を無視した行いである。
「それを利用して、サニィを操ってるのですねッ!」
「おや?」
ユズリハとヒースシアンのやりとりを聞いていたドリスが、そう割って入ってきた。
「これはこれは、ドリス姫様。
そのような格好をなさっているのですぐには分かりませんでした。
ですが好都合です」
ヒースシアンはキザな笑みを浮かべると、ドリスの目を見つめた。
「まったく――そう何度も通用するとは思わないでくださいませ」
実際、ヒースシアンからやられたことはなかったのだが、ユノの冷たいマナや、クラウドの強烈な威圧という二つの圧力を前にしたのだ。
その時に、精神の乱れが、マナやオドの循環を乱し、体調を悪くするというのを理屈と体験から、理解した。
だからこそドリスは、全身にマナを巡らせ、肉体だけでなく精神の背筋をも伸ばし、真っ正面からヒースシアンを見据える。
ユノやユズリハのように、緻密で細やかなコントロールなんてものは、自分には期待できない。
とはいえ、ドリスとて自衛手段として最低限、花術と花術理論は習っているのだ。
体内のマナであれば、多少の操作は可能である。
「第一条。泰然たれ。
第二条。王者たれ。
重ねて二つ――白薔薇の王。その歩み、阻めるものはなくッ!」
花術を使う上で、コントロールが苦手であれば、イメージを緻密にしろと教わったことがある。
この術は、そんな自分の在り様を明確にイメージした花術だ――
背筋を伸ばし、前を見据え、王族として相応しく、屈せず靡かず。
多少の傲慢と、多少の我が侭と、多少の親しみと、絶対的な風格を。
盾を作り出すわけでもなく、壁を作り出すわけでもなく、結界を張るわけでもなく。
これは完全なる自己を確立する、護りの花術。
肉体的な負荷も、精神的な負荷も、外部からの負荷の一切を可能な限り防ぐ術。
――あるいは、花術を用いた一種の自己暗示。
「真正面から受け止めたのか……」
「はい」
流し目を真正面から受け止めて、睨むでもなく、蔑むでもなく、ただ見つめ返す。
それだけのことながら、ヒースシアンにとっては驚くべきことであったらしい。
「ならば――ッ!」
彼は再び、その瞳にオドを湛えた。
瞬間――
「させないよッ!」
横にいたユズリハの剣閃が、虚空を裂く。
だが、その行いは、ヒースシアンにとっては驚愕に値することだったらしい。
「今のを、斬れるのか……」
「それがマナやオドに近い存在だというのであれば、術を斬るのと同じ要領で斬れるって思ったからね」
ユズリハがやったのは、以前にクラウドがライラの術を斬り伏せたのと同じことだ。
ただ、目に見える火の玉を斬ったクラウドと、目に見えない威圧を斬ったユズリハとで、難易度に雲泥の差はあるが――そもそも、放たれた術を剣で斬るという行為そのものが、非常識なものである。
「サニィはこれを使って操ってるワケだね」
小太刀を鞘に戻しながら、ヒースシアンを睨みつけた。
「この気配――昨日、感じ取ったばっかりだから、何とかなったけどね」
「つまり……ヒースシアンは、穢れを使った術が使えると?」
「そうなんだと思うよ。今やったみたいに、分かりづらいレベルでオドに穢れを混ぜ込んで放つ。
サニィも、今のドリーみたいに無効化はしてたんだろうけど、穢れはマナやオドそのものに付着する。あるいは、防御を抜けてこっそりと体内に入り込んでいるのかもしれない。
そうして体内にある程度まで蓄積したところで、完全な穢れを操る術を使ってやれば、今のサニィみたいに意志が希薄になるんだと思う」
そう淡々と解説しながら、ユズリハは胸中でヘドが出ると毒づいた。
「バレたら仕方ないな。
だが、バレたからといって、サニィをどうこうできないだろう?
マナを使えない無能だが、見てくれも葉術使いとしての才能は非常に有用だ。人形としての使い道ならいくらでもある」
「……貴方ッ!」
ヒースシアンの言い方に、ドリスが眦を釣り上げる。
「なぜそう怒るんだいドリス姫。
マナが使えないだなんて、生活用の花導品が使えないのと同じだ。
日常生活すらロクに営むことのできない無能を、有用な人形に変えてやってるのだから、救ってやってるのと同じだろう?」
ヒースシアンが本当に不思議そうに首を傾げたあと、
「まぁサニィは見てくれは好みだからね。可能な限り傷つけないように使っていくつもりだが」
そんな、どうでも良い補足を口にする。
直後――
「……がッ!?」
炎のように揺らめく真っ赤なオドを灯したユズリハの拳が、ヒースシアンの顔面を捉えた。
「ふざけろッ、クソスケコマシッ!!」
ユズリハは怒声とともに、その拳を振り抜いた。
そのまま、通りを真っ直ぐに吹き飛んでいって、勢いが消えぬまま地面へとぶつかると、水面を駆ける水切り石のようにバウンドしていく。
そのまま、中央に近いところまで、ヒースシアンは転がっていった。
殴った直後、ユズリハの意識は完全にヒースシアンを無視してサニィに向かう。
「サニィ!
貴女がもっとも嫌うであろう、ノンゲートを無能と見下すクソ以下のヒースシアンに、都合の良い人形扱いされ、良いように操られるのを嫌だと思える意識があるなら、とっととクラウドに意識を刈り取ってもらいなさいッ!」
サニィが術不能者であることは何となく察していたが、実際に知ったのはこの瞬間。
それでもユズリハは、以前出会った時のサニィの言動や態度から、自分の好きなユノに近い性格や人格をした人間であると、推測していた。
――だというのであれば、ユノを焚き付ける要領で、サニィを焚き付けられるのではないかと思い、言葉を紡ぐ。
きっと、サニィはヒースシアン――ひいては、術不能者を見下す者が大嫌いだ。
そう考えて、ユズリハはサニィを煽る。
「貴女が気絶している間に、貴女の意識を塗り替える穢れは祓っておいてあげるからッ!」
ピクリと、サニィが動きを止める。
その後、ふらりとしたぎこちない動きながら、全てを受け入れるように、力なく両手を広げる。
「クラウドッ!」
「分かってるッ! 感謝するぜ、俺を楽しませることができる女ァッ!」
そして、クラウドの一撃がサニィの意識を刈り取る。
「ざま……みろ……。いいように、されて、たまる、もの……ですか……」
攻撃を受けて、意識が途切れる寸前に、サニィはそう呟くと、くたり――と、それこそ糸の切れた人形のように、彼女はクラウドにもたれかかった。
「やれやれ。何とかなったか」
クラウドがそう安堵した息を漏らした時、ぼとり――と上空から、ぼろ雑巾の塊のようなものが落ちてくる。
「回収に手間取りました」
少し遅れて、声の主も、虚空に姿を見せながら、ふわりと地面に着地した。
「ユズリハさんでしたか――少し吹き飛ばしすぎです」
「ごめんごめん……わたしも、コイツに言わせれば無能寄りの人間だから、つい」
何もない虚空から突然姿を見せたのは、以前もこのような出現の仕方をしたジャックの従者――レインだ。
「それなら仕方がないかもしれませんね。
何であれ、サニィとクラウドの戦闘が始まるなり突然姿を消したヒースシアンを私は探しておりましたので、貴女が見つけてくれて助かりました」
丁寧に――だけどどこか慇懃に――礼を告げてくるレインに、ユズリハは気にしなくていいよ、と手を振った。
「とりあえず、ヒースシアンは簀巻きにでもしましょう」
ドリスの提案に、異を唱えるものはいない。
「では」
どこから取り出したのか、荒縄を取り出したレインが、ヒースシアンを縛り上げていく。
それを横目でみながら、ユズリハはクラウドたちに訊ねる。
「あのさ、確認するんだけど――『かけがえのない変革者たち』って、精霊を害する組織?」
その問いに、クラウドとレインは顔を見合わせた。
それから、レインが真っ直ぐにユズリハを見て、首を横に振った。
「いいえ。目的は口にできませんが、その問いは否定します。
むしろ、組織の長であるジャック様がプロテアである以上、精霊の味方であるコトは、歴史を思い返していただければ分かるのではありませんか?」
「質問の意図はわからねぇが、そういうこった」
レインとクラウドの言葉を聞いて、ユズリハは小さくうなずく。
「分かった。
二人の『精霊は害さない。害す気はない』って言葉、信じるよ」
それから、ドリスに視線を移した。
「ドリー、悪いんだけど二人を常夜の聖樹まで案内してあげて」
「それは構いませんが、ユズリハさんは?」
「これを見張ってる。こいつは逆に、聖樹の元には案内したくない」
ユズリハがそう言い放つと、ドリスは少し思案した。
ややして、ドリスもうなずいた。
「わかりました。聖樹でサニィの穢れを祓ってもらえばいいのですね」
「うん。よろしく」
「そういうコトですので、お二人はサニィを連れてついてきてください」
それだけ言うと、ドリスは歩き始める。
クラウドとレインは再び顔を見合わせた後、互いにうなずきあった。
「いいでしょう。こちらを信用してくれたように、こちらも信用しましょう」
「サニィの目を覚まさせてくれる可能性があるんだろ? なら、従ってやるさ」
「そうですね。クラウドにとってサニィは数少ない友人の一人ですしね。いや、唯一の友達でしょうか?」
「ダチなんかじゃねーから。ただの悪友みたいなもんだよ」
「それを友人と言うのでは?」
首を傾げるレイン。
それに、ケッと毒づきながら、サニィを抱き上げてクラウドも歩き始める。
その時だ――
「せっかくの人形を手放す気はないんだよッ!」
強烈な殺気が膨れ上がると、ヒースシアンを縛り上げていた荒縄が千切れ飛んだ。
「不意打ちに良いのをもらって軽く気絶してしまったとはな」
立ち上がるヒースシアンの気配は尋常なものではない。
「クラウド、サニィを聖樹なる場所へととっとと連れていきなさい」
「あいよ。わりぃが、姫さん、急いで貰える?」
「はいッ!」
即座に、互いが互いの役割を認識する。
仲間意識なんてものは無いものの、この現状を正しく認識できるものたちが揃っているからこその、最低限な会話での役割分担。
駆け出すドリスとクラウドを追いかけさせないように、ユズリハとレインが、ヒースシアンの前に立ちはだかる。
「貴方は――人間ですか?」
ユズリハの問いに、ヒースシアンは大袈裟に首を傾げて見せた。
「さてな。だが、人は越えたとは思っているよ」
そうして、彼は自身の指につけているオダマキの指輪を撫でる。
「その指輪――我々が探してる破壊対象のようですね。
指を切り落としてでも奪い取って、破壊させてもらうとしましょう」
「できるものならな」
直後、指輪から黒い触手を思わせる光があふれ出し、ヒースシアンに絡み付くように動く。
全身がその光で覆われ、やがて光が収まると、全身を黒づくめの存在がそこにいた。
「素晴らしいチカラだ」
声からして、ヒースシアンだと分かる。
だが、頭や顔を覆うような黒い全身タイツのようなものの上に、奇っ怪な形をした全身鎧を身につけている姿になっている。
顔も、花蜂を思わせるシルエットのフルフェイスだ。
そのせいで、人型の魔獣を思わせる姿と言えた。
「足止めのつもりかもしれないが――このチカラの前では、お前たち如き、足止めにならないだろうコトを教えてやろう」
自信満々にそう口にするヒースシアンに、ユズリハとレインは露骨に肩を竦める。
「たまたま手に入れたチカラで調子に乗ってる奴の足止めくらい、ワケもないよね」
「まったくですね。
そもそも指輪のチカラを自分のチカラと勘違いしている男など、男としては三流以下でしょうに」
ユズリハは小太刀を抜き放ち、レインは無数のナイフを指の間に挟んで構えた。
「その減らず口――いつまで叩いていられるかッ!
このヒースシアン、直々に確かめてやろうッ!」
意気揚々と構えるヒースシアンに、ユズリハとレインは嘆息する。
「勘違い野郎ここに極まれりって感じだよね」
「そういう意味では究極に至ってますよね」
彼の妄言に、二人はまったくといって良いほど、取り合わない。
やってることはただの挑発なのだが、ヒースシアンには覿面だったようだ。
「……こォのッ、匹婦どもがァァ――……ッ!!」
ヒースシアンはその叫びとともに、力強く地面を蹴った。
タイトルほどドリスの術が活躍してない気もしますが次回に続きます。
次回はヒースシアン戦と、ユノの状況の同時進行――の予定です
……が……
プライベートではどこのご家庭にもいるサンタさんのプレゼントになり得るモノを売るお仕事をしている関係上、現在繁忙期です。ついでに、冬コミにも参加予定の為、そっちの原稿もやっております。
なので、12月は毎週水曜日に更新が出来るかどうか怪しいです。
最低1回以上は更新するつもりですが、更新がない日は察して頂ければと思います。