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用務員さんは勇者じゃありませんので 作者:棚花尋平

第五章 砂漠と荒野の境界で

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111-残照

いつもどおりの文量に戻りました……たぶん<(_ _)>

6月24日に『用務員さんは勇者じゃありませんので』5巻が発売予定となっております<(_ _)>
表紙はすでに公開されていますので、よろしければMFブックス様のホームページ、又は棚花尋平のツイッターなどを見ていただければと思います<(_ _)>
今後ともよろしくお願い致します<(_ _)>
 



 蔵人が砂漠行きの件を雪白に相談すると、日中が灼熱というところで嫌そうな顔をし、夜が極寒というところで嬉しそうな顔をした。
 灼熱と極寒の狭間で懊悩していたようだが、最終的にはリヴカのため、というあたりで了承する。
 あの雌は嫌いじゃないし、居場所がなくなっては不憫だ、ともはや人の社会の機微にすら思い至る雪白に、蔵人はこのまま人の社会で生きたら自分なんかよりよほど出世しそうだと苦笑いしか浮かばない。
 ちなみにアズロナは蔵人たちが行くところならばどこへでもついて行く気でいるようで、文句はないようだった。飛雪豹(イルニーク)に比べ、緑鬣飛竜(ベルネーラワイヴン)という種自体が暑さに多少は強いということも関係しているが、おそらくは寒ければ雪白の尻尾にくるまり、暑ければ蔵人の盾にしがみつけばいいとでも思っているのだろう。
 まだまだ好奇心が旺盛なアズロナは、まだ見ぬ未知の土地にぎゃうぎゃうと無邪気に喜んでいた。

 こうして蔵人たちはサウラン砂漠での燃える水の調査に参加することになった。
 いつもの蔵人ならばリヴカが帰って来てから今回の件を相談するという方法をとったかもしれないが、わざわざ上司が出張ってきた案件をリヴカにひっくり返させるわけにはいかない、という思いがそれを躊躇わせた。
 契約社員や派遣社員という組織の末端にいたことしかない蔵人は、会社というものに深く関わった経験がなかったが、それでもこれくらいの気を遣うことが出来ないわけではなかった。今まではそんな機会がなかっただけである。



 その日の内に雪白に乗って砂漠と荒野の境界に向かうと、砂漠での調査はすでに始まっていた。
 とはいえ、実際に動くのは三日後くらいのことになる。
 荒野側のベースキャンプと二つの調査隊に別れて、それぞれにハンターや傭兵たちが護衛につくことになったが、下準備に時間がかかってしまった。
 荒野よりもさらに精霊の気性が荒く、水精などは昼も夜も存在しない。
 蔵人など最初は初級魔法すら使えなかった。
 砂漠は空気中の魔力が濃いらしく、今まで渡していた量の魔力では見向きもしないし、そもそも性格が違うため頼み方も違う。
 そんなこともあって、砂漠の環境に蔵人を含むハンターたちが慣れるまで三日を要した。

 そこからようやく始まった調査であるが、難航した。
 振り返れば荒野のベースキャンプが見える砂漠の浅い位置での調査であったが、これでもまだ安心できない。
 今見えているはずの荒野が、いつのまにか蜃気楼にすり替わっている。
 そんなデタラメな現象も起こりうるという。
 鳥人種が空から確認しようにも上空の風が異様に強く、仮に上空から確認できたとしても蜃気楼モドキに騙されてしまう。
 そのため調査隊はベースキャンプと調査隊を物理的に長いロープで結び、さらにベースキャンプと調査隊の位置を常に把握しておける自律魔法具を用いている。

 加えて、昼は灼熱、夜は極寒。気温差は砂漠を進むほどに激しくなった。五十度を超える日中を避けて、夕方から朝方にかけて調査は行われているが、夕方といえど熱く、夜は寒い。
 そして、こんな地でも魔獣は存在しており、地竜や大魔虫に遭遇しないためにも、調査は浅い位置からじりじりと砂漠の奥へ進むしかなかった。

 そんな手間をかけて調査を続けても、燃える水、つまり石油は影も形もない。
 トールがそんなものは存在しないだろうと推測していることなど調査隊が知るよしもなく、当然蔵人も知らない。
 蔵人としてはすぐに見つかるものではなさそうだとなんとなく理解していても、こんな面倒な地でそれに付き合っていると余計に長く感じてしまう。
 もっとも、そんなことが気にならないほどに魔獣や魔虫の襲撃があったわけであるが。

「――うぜぇっ」
 ラロが幅広の直剣と曲剣を両手で振るいながら、人の顔ほどもある魔虫を次から次へと切り落とし、叩き落とす。同時に軽い雷撃を周辺とまき散らして魔虫が襲ってくる数を制限していた。
 その横では盾とハンマーを持ったずんぐりむっくりな豚系獣人種の男がラロを守るようにして魔虫の攻撃を弾き、そのハンマーで動きの鈍い甲虫を叩き潰した。ラロのまき散らす弱い雷撃などマッサージ程度にしか感じていない、生粋の前衛であった。
 さらにその周囲を火球が乱れ飛び、近寄る魔虫を片っ端から貫き、焼き尽くす。
 ロイドという人種の魔法士の精霊魔法で、蔵人の同時行使に負けず劣らずの速射で火球を放っていた。
 蔵人はというと、その中間で後衛に魔虫がいかないように牽制したり、砂で防壁を形成したり、前衛に魔虫が殺到しすぎないように妨害したり、余裕があれば砂杭で攻撃したりと、中衛のような役割を負っていた。

「やれやれ、魔虫に集られるよりも、女に集られたいね」
 あらかた魔虫を退治しきったラロが剣を納めながら軽口をたたく。その腰や背には様々な形状の剣が吊されていた。今回は魔虫に効果的な鈍器系と刺突系の剣を使ったらしい。
「……食えねえかな」
 豚系人種のブーマが物欲しそうに呟く。
「やめとけ。知ってるだろうが、全部毒持ちだ。……くそ、素材もありやしねえ」
 魔法士のロイドがブーマを止めながらも、素材を売り払うことで得られる副収入のなさに悪態をついた。魔虫に使える部位はなく、毒でさえ数分もすれば砂漠の熱に毒性を失ってしまう。
 この三人が蔵人が組んだ臨時パーティで、全員が元流民出身であった。
 ラロは女、ロイドはカネ、ブーマが食い物と執着するものはそれぞれ違い、性格も一癖も二癖もあるが、ハンターとしては優秀でランクも全員が蔵人より高い。だが決してランクの低い蔵人を侮ることがない、希有なパーティであった。
 周囲を見ると、ほかのパーティも魔虫の襲撃を蹴散らしたようで、調査隊の魔獣車が集まる場所におもむき、水をもらっている。ほっとした空気が流れていた。

 蔵人はハンターたちから、砂漠へと視線を向ける。
 夕日に朱く染まるラクダ色の砂が、延々と続いていた。
 強い風が一夜にして作り上げた砂丘は、明日の朝にはその姿を変えてしまうだろう。
 地球できいた砂漠よりも物騒であるが、蔵人は念願の砂漠に立っていた。だが――。
 熱い。
 歩き難い。
 喉が渇く。
 鎧の隙間から入ってくる細かい砂が鬱陶しい。
 すでに借家に帰りたくなっていた。
 しかし、これも仕事であると諦めてため息をつきながらも、これから寒くなるなと龍華国でもらった外套を羽織ろうとして、ふと気づいた。背中にへばりついているはずのアズロナがいない。
 周囲を見渡すと、蜘蛛のような魔虫を倒したらしいアズロナが足下で蔵人を見上げていた。
 ところどころに傷を負い、魔虫の体液らしき紫色の液体が体中に付着している。蜘蛛を相手に関節技をかければ当然そうなるのだが――。
 蔵人は慌ててアズロナを抱き上げた。
 この蜘蛛には毒がある。
 ゆえに蔵人は戦わせずに背中にへばりつけておいたはずなのだが、気づかないときにこっそりと背後から忍び寄っていた魔蜘蛛と一戦交えたようであった。
「――痛みは? 痺れは?」
――ぎうぎうっ
 焦る蔵人の心配をよそに、アズロナはケロッとした顔をして、抱き上げられたことに喜んでいた。
 熱もなく、瞳孔にも呼吸器にも異常はない。全身くまなく探ったが、アズロナがくすぐったそうに身をよじるだけであった。
「……毒に強いのか?」
 だがアズロナ自身もわかっていないらしく、小首を傾げている。

 どうやらアズロナには毒への強い耐性があるらしい。
 そもそも飛竜という種は飛竜毒を持つせいか、物質毒には強い傾向にある。それでも蔵人が紅蓮飛竜に用いたように魔法毒は効くし、通常の毒とて効かないわけではない。この蜘蛛の毒も相当に強い部類である。
 だがそれすらも、アズロナには効かないようであった。
「あんまり心配をかけるな。敵は教えてくれれば俺が――」
 ぼふりと顔に直撃した白い尻尾が、蔵人の言葉を遮った。
――ぐぁうっ
 甘やかすなとでも言うように、どこからともなく帰ってきた雪白が唸る。
「……サンドワーム」
 雪白の足下に横たわっている、魔獣車を二台つなげたほどの大きさがあるミミズを見つけたブーマが嬉しそうに呟き、ラロが短く口笛を吹いた。
 姿形はあれであるが、サンドワーム、サウランの言葉で砂潜虫(サラーム)はなかなかに美味である。蛸の歯ごたえに、カニの味というのが一番近いが、そこに辛みが加わる。
「やっぱ蔵人がいるといいな。くそったれな場所だが、食うもんには事欠かねえし、見張りも多少は気を抜ける」
 ラロたちが蔵人を侮らなかったのは、無論蔵人自身の能力ということもあったが、雪白の存在が大きかった。休憩中や就寝中の警戒ではいの一番に察知し、敵が少なければ勝手に狩ってくれる。どこからともなく食べられる魔獣を狩ってきてくれる。そんなことが三日も続けば、蔵人を侮る者はここに存在しなかった。

 雪白にしても特に無理はしていない。
 約束どおり干渉もほとんどない。やりたいようにやっているだけであった。
 このサンドワームにしても独占する気はなく、分けてやる気もあった。なぜなら――。
「……串焼きは当然として、煮込みか、それとも……」
 豚系獣人種のブーマの調理技術が素人ばなれしているのである。
 蔵人の料理はほっとするが、ブーマの料理は刺激的で、蔵人の料理がいつでも食べられることを考えれば、ここはブーマに託したほうがいいというのが、食い意地の張った雪白の結論だった。
 蔵人としても否やはない、どころか手間が省けていいと思っている。
 元々、それなりに食えるものしか作っていないし、それで十分だと思っている。自分よりうまいものを作れる者がいるならそれにこしたことはない。
「おしっ、調査隊も無事みたいだし、戻るか」
 砂漠の環境に慣れてからは、ほぼ毎日、こんな日々が続いていた。
 しかし、じりじりと遠征する距離は伸びているも、成果はない。



*******



「……例の砂漠の調査を、クランドさんに紹介した?」
「ええ。快く受けてくださいましたよ?」
 ハンナのかわりにアンジェがそう答えると、リヴカは半眼になる。
 その視線にハンナはすすっとアンジェの影に隠れるが、アンジェはつらっとした顔のまま平然と受け止めた。
「あの人が、護衛依頼を、快く?」
 あり得ない。絶対にあり得ない。
 あの嫌なことは絶対に譲らない蔵人が、護衛依頼を受けることなど、それこそ雪白がしおらしく従順になること以上にありえない。
 だとすれば、アンジェがどうにかして受けさせたのだということになる。
 ハンナが受けさせた? それもあり得ない。泣き落としが蔵人に通じるとは思えない。
 しかし、なぜアンジェが受けさせたのか。どうやって。
 リヴカは目まぐるしく思考しながら、アンジェに抗議する。
「……あまり無理に受けさせないでください。あの人は最悪すぐにでも逃げ出してしまいます」
 そして言いながら、気づく。
 自分のためだろう、と。
 アンジェが自分の事情を話し、蔵人の情に訴えかけたのだと。

 リヴカには蔵人以外にも担当しているハンターはいるが、基本的な対応は蔵人と変わらない。ほかの職員と激しくハンターの取り合いをしているわけではないため、有望といえるようなハンターよりも少し癖があり、我の強いハンターが多かった。
 当然受ける依頼は偏っていき、いつかは協会内の評価も下がるだろうということもわかっている。
 アンジェはおそらく、それを心配したのだと思われた。
 だから、あまり強く言い返せなかった。色々と目を掛けてもらってもいる。
「そうかしら?」
「……それに、クランドさん一人に依頼を受けさせたところで、どれほど評価が変わることか」
「一人受けさせてもそれほど変わらないかもしれない。だけど、一人も受けさせなければ永遠に評価は変わらない。違うかしら?」
 そのとおりである。
 今までとは違うというところを少しでも見せたなら、評価が上がることこそないだろうが、下がることはいったん止められる可能性はある。
 結婚でもしてしまえば評価など気にしなくてもいいのだろうが、いまはそんな気になれなかった。
 だが、レシハームは人を増やさなくてはならない。ハンターにしろ、子供にしろ。
 ラケルのようなハンターであればまだ理屈も立つが、リヴカには明確な理由はなく、年々その圧力は増していた。だからこそ、より協会での功績は必要となってくる。

「心配してくださっているのはわかります。しかし、あの人との付き合い方には細心の注意を払ってください」
 アンジェが眉をひそめた。
「……穏やかではないんじゃないかしら? 一介のハンターにそこまで配慮しなくてはならないと?」
「……少し、言い方を間違えました。あの人に仕事をさせたいなら、好きにさせておいたほうがこちらのメリットが大きいということです」
「どういうこと?」
「先ほども言いましたが、嫌なことがあればすぐにどこかへ行ってしまうということです。そのために、人の社会に属さなくてもいいように山野で生きていける力をつけたと、本人が言っていました」
「……貴女という情のしがらみがあっても?」
 リヴカは一つ、間をおいた。
 言い切るにはまだ少し、躊躇いがあった。
「……おそらくは」
 アンジェは蔵人のことを知らない。
 この国や宗教への懐疑が、依頼を選ばせていることまでは気づいていない。どこにでもいる偏屈な流れのハンターであると思っている。
 だがそれは仕方の無いことでもある。蔵人の語る言葉はおおっぴらに公言したり、文章になど残せない。必然、蔵人というハンターの概略のみしか資料には書けず、ただ偶然高位魔獣を従えることになった、流れのハンターにしか見えなくなる。

 躊躇いながらも言い切ったリヴカを見て、アンジェは少しだけ痛々しさを感じたが、今は仕事中である。
「それなら逃げてしまってもいいんじゃないかしら? 一人の職員が抱えられるハンターの数は限られているわ。結婚もしない、依頼も選ぶなんてハンターをそう何人も抱えるメリットはないわ」
「それならほかのハンターも同じですよ」
 リヴカが強い口調でそう返すと、アンジェは手がつけられないと肩を竦めた。
 貴女がそんな風に引っかかるから、遠ざけようとしているのよ。じゃないと、次の相手も見つからないし、行き遅れになってしまうじゃない。
 そんな言葉が浮かんだが、アンジェはあえて言わなかった。
 強情な娘なことはわかっている。
「……はぁ、好きになさい。でもそんなに強情だとハンナに先を越されるわよ」
 ハンナはなんだかんだと泣き落としで依頼を受けさせている。日頃のそそっかしいところも庇護欲を誘うし、何よりそのスタイルが男にとって魅力的であった。
 リヴカがちらとハンナを見ると、申し訳なさそうにしながらも、素直に照れている。
 こんな風になれればいいが、なれるわけもない。
「ハンナなら良いお嫁さんになるでしょう」
 リヴカがそう答えると、アンジェはますます手がつけられないとばかりに、大きなため息をついた。

 アンジェとの話を終えたリヴカは受付に戻るが、ため息を一つつく。
 この依頼、リヴカならば蔵人には勧めなかった。
 確かに依頼主の身元ははっきりしているが、大元をたどればあのギディオンの依頼である。
 依頼自体は悪くはない。むしろ、待遇も条件もいい。国と密接に関係のあった『精霊の剣』も解散して参加しておらず、一級市民特有の悪意に晒されることもない。表向きのギディオンの顔は商売人であり、篤志家だ。危険度は高いが、なんの問題もない依頼である。
 だが、リスクを極端に嫌う、いや信用のない相手を極端に嫌う蔵人には紹介すべき依頼ではなかった。
 大元のことを知ったとき、蔵人がどう思うか、それがリヴカには心配だった。




*******




 そんなリヴカの祈りが届かなかったのか、蔵人たちはアンデッドの群れに襲われていた。
 多くがスケルトンであるが、馬のスケルトンに乗ったナイトスケルトンや重装鎧を着たスケルトン、商隊か貴人の護衛のような魔獣車を引いた蜥蜴のスケルトンまでもがいる。

 魔獣の暴走(スタンピード)であった。

 事前になんの兆候も起こらないアンデッドの大発生は、極寒の深夜、これまでで一番砂漠の深いところまで来ていた調査隊の意表を突いた。
「くそったれっ! 二季前に起こったばかりじゃねえかっ」
 ラロがほとんど鈍器といってしまってもいいような大鉈を振るってスケルトンの頭部を殴り砕く。
 その横では、轟音と共にナイトスケルトンの突撃(チャージ)を受け止めたブーマが、ホーススケルトンの脚をそのハンマーで殴り砕き、返す刀で落馬したナイトスケルトンの頭を下からかちあげた。
「夜が明ければ動きは鈍る。それまで耐えろっ」
 その後方から、ロイドが叫ぶ。
 ほかの護衛ハンターたちもそれぞれにパーティ単位で奮戦していた。
 だが極寒の夜ともあって、光精や火精の姿はほとんどない。押し寄せるスケルトンに対してまったく数が足りていなかった。

 なぜこんな砂漠でアンデッドが発生するのかといえば、かつてケイグバードを蹂躙したレシハームと北部列強は殺した兵士やケイグバード市民の死体を砂漠に投げ込んだのである。
 砂漠葬という習慣は確かにあったが、それは投げ捨てるようなものでもなく、敵対国がすることでもない。
 一応、光精魔法と浄化の自律魔法でアンデッド化しないように浄化したはずであったが、砂漠にそんな常識は通じなかったらしく、今でもこうして恨みを残した者がアンデッドとなって砂漠から這い出てくる。
 公式発表こそされていないが、地元の者にとってはそれを推測するのは容易く、半ば公然の秘密となっていた。
 もちろん護衛たちもそれを見越して準備はしている。
 それでも、あちらこちらでハンターたちの怒号や叫びが上がっていた。
 肉を貫く錆びた剣、砂漠を駆け回るナイトスケルトン。
 終いには血の匂いに誘われて魔虫の群れまでも殺到し始め、動くものすべてが敵だといわんばかりのスケルトンと三つ巴の戦いが始まる
 まさしく地獄が、そこには広がっていた。

 ようやく日が、昇る。
 どれだけ精霊魔法を放ったか、どれだけハンマーを振るったか。
 蔵人は黄金に染まりだした空にほっと安堵し、同時に目の前のスケルトンたちの動きが鈍り始めた。
「――日の出だっ、押し返すぞっ!」
 ロイドのかけ声に蔵人以外のハンターが野太い怒声で返す。
 蔵人は未だにこういうノリが苦手であったが、それでも防御にさいていた精霊魔法すら解除して砂杭を放ちまくった。


「……ほんと、呆れた魔力量だな」
 あれだけ精霊魔法を放ったというのに顔色一つ悪くしていない蔵人にラロが呆れたような声をだす。
 スケルトンはひとまず駆逐した。
 だが夜になれば再び現れるはずである。それまでに撤退したいところだが――。
 魔力を枯渇するぎりぎりまで使ってしまったロイドが、具合悪そうに蔵人の作った砂小屋で横になっていた。ロイドだけではない多くの後衛ハンターがうめきを上げて砂の小屋に身体を横たえている。
 魔力の枯渇症状というのは重度の乗り物酔いや二日酔いというとわかりやすい。
 蔵人はアカリに言われて以降は完全枯渇こそさせていないが、魔力を増やすために枯渇寸前というのは今でもやっている。それに乗り物酔いも二日酔いも嫌というほど経験がある。
 だから枯渇症状の苦しみというものは痛いほど知っているが、こればかりは時間経過に任せるしかない。

 そして、後衛以外のハンターも傷だらけだった。自己治癒や仲間の治癒で大きな怪我こそ塞いでいるが、それ以外は魔力の節約を考えて自然治癒に任せている。
 調査隊は念のためにと対アンデッドの武器を備えていたため、負傷者こそ多数出たが、死者はいなかった。それでも調査隊はほとんど半壊状態といっても過言ではなかった。
「……ちょっといいか?」
 ハンターたちを取りまとめる隊長が比較的元気な蔵人たちに声をかけた。

 ちょうど雪白も戻ってきていた。
 熱いっと一つ唸るが、蔵人の側から離れない。蔵人の盾が放つ冷気が目的だった。ちなみにアズロナも蔵人の背中にへばりついている。
 雪白は単騎でアンデッドの群れに突撃し、最前線で手当たり次第にスケルトンを砕いてくれていた。もし雪白がいなければ、おそらく調査隊は壊滅していたのではないだろうか。

 まだ動ける主要なハンターと調査隊の責任者を魔獣車に集め、隊長が語り出した。
「……撤退には少し時間がかかるようだ」
「マジかよ……」
 その一言で、ここにいるハンターたちはすべてを察した。
「……ってことはあれは幻か?」
 調査員の言葉にラロが天を仰ぎ、今現在かろうじて見えている荒野が幻なのかとほかのハンターが呟く。
 隊長はそれに頷き、話を続ける。
「……荒野との繋がりが切れた。ロープも魔法具もだ。おそらく、野営地のほうでもアンデッドの襲撃があったと思われる」
 荒野の野営地にある魔法具と蔵人たちが同行している調査員の持つ魔法具は不可視の線でつながっており、それを辿ることで帰路の目安にしてきた。ほかにも野営地と調査員を結ぶロープを延々と伸ばして移動していたり、常に荒野を視認したりして、何重にも安全策を張った上で調査を行っていた。
 今も調査員の肩に止まる小さな魔鳥も上空からの確認手段であるのだが、それすらも駄目ということである。

 蔵人は雪白をちらりと確認するも、雪白は悔しげに唸るだけ。
 上空には強力な魔獣が存在していた。小鳥程度ならばれなくても、雪白は目立つ。
 無論戦って負けるとも思えないが、蔵人たちを巻き込む恐れがある。それは避けたいと考えるほどの相手であった。
「……どうにか、夜までにはつないでみせます……」
 申し訳なさそうに黙っていた調査隊の責任者がそう言った。

 調査員のその言葉を信じながら、ハンターたちは万が一のときのための準備を始める。
 事ここに至って狼狽えるようなハンターはここにいない。
 全員が覚悟してこの砂漠に来ている。
 ゆえに、粛々と準備を進めるだけだった。
 籠城できるだけの簡易トーチカを精霊魔法で作り、倒したスケルトンの持っていた武器を集める。すべてを使えなくとも投擲することはできる。
 灼熱と言っても過言ではないに日中の砂漠を、蔵人たちは汗だくになりながら準備を続けた。

 そのときのことだった。
 蔵人はふわりと身体が浮いたような感覚を覚える。
 だが周囲を確認するまもなく――落ちた。
 ものの見事に調査隊は丸ごと、砂漠にぽっかりとあいた大穴に吸い込まれていった。ハンターたちが精霊魔法でどうにかしようにも、あまりにも穴が大きすぎた。
 雪白は感知こそできなかったが、どうにか対応しよう脚の皮膜を広げようとするが――。
 蔵人が呆気なく落ちていく様を見つけ、呆れたような顔をする。そして仕方ないと首を振って、そのまま落ちたのであった。




「……呑まれちまったか」
 ラロが零した言葉に蔵人が顔を上げた。
 落下したあとは砂に流され、土精魔法も使えず、あとから流れる砂を走るようにやってきた雪白にしがみつくことしかできなかった。
 土精魔法の使えない特殊な感触は、龍華国で落とし穴に落ちて奇妙な女神像の元に行き着いたとき以来で、今は土精魔法も使えるようだが、ココがどこかはわからない。遺跡かもしれない、という推測は立つが、呑まれるという言葉は蔵人の知識にはなかった。

 今いるのは蔵人とアズロナ、雪白、そしてラロだけだった。
 蔵人の視線に気づいたラロが答える。
「ああ、迷路遺跡(メイズ)にな」 
 ラロが言うには、遺跡にはいくつか種類があり、ミド大陸に多いのは完全踏破されるまでそこにあり続けている一般的な『遺跡』で、このサウラン大陸に多いのは出現している時間に制限のある『彷徨遺跡』、そしてどちらの大陸でも極々稀に発生すると言われる『迷路遺跡』である。
 呑まれた、というのはこの『迷路遺跡』の入り口のことであった。
「ほかの奴らもそれぞれ迷路遺跡の入り口にいるだろうよ」
「……どうすれば脱出できる?」
 古い石の通路が一直線に続いている。後ろにあったはずの入り口は砂で埋まり、引き返すことはできない。
「迷路の中心にいる番人を倒せば、遺跡に入った全員の近くに帰路が示させるらしい。それができないならどこかに一カ所だけある脱出路を見つけるしかないな」
 出口は近くの安全地帯、村や人がいるところに開かれることが多いらしい。
 ラロがちらりと雪白を見た。
 数日分の携帯食料しかない今、迷路を解くような時間などはない。こんな状態で魔主に等しい力を持つ番人を倒すなど不可能でもあった。
 だが、雪白がいれば番人との戦いも優位に進められる。ラロはそれをあてにしているようだった。
 蔵人もこの非常事態で雪白を頼らないという選択肢はない。
――ぐるるっ
 二人の視線を受け、任せて、とでも言うように雪白が唸った。

 それからは蔵人たち、いや雪白の独壇場だった。
 まるで迷路の全貌がわかっているかのように突き進む雪白。
 蔵人たちはそれを追いかけるだけ。
 雪白としてはただ強そうな奴がいる気配のほうに向かっているだけで、迷路を攻略している気などまるでない。
 雪白とその尻尾に装備されたアズロナ、蔵人、ラロという縦一列で進むわけだが、雪白が現れる魔獣を鎧袖一触に葬り、さらに多くの罠を感知し、その後ろの蔵人が避けきれない罠を障壁で強引に押しとおり、さらにその後ろにいるラロが念のためにとマッピングした。
「……ほかの探索者が見たら引退するんじゃねえか?」
 長い流民生活で探索者としても稼いでいるラロは、あまりに力づくな遺跡の攻略方法に唖然としてしまった。もし蔵人たちが遺跡を完全踏破する気になったら、いったいいくつの遺跡が完全踏破されてしまうかわからない。それも、多くの財宝を無視しての完全踏破である。
 こんなときでなければ、ラロでなくとも勿体ない、と思ったことだろう。

 そうして三日ほどで、番人の元にまで到達してしまった。
 あくまでも蔵人とラロの速度に合わせた結果であって、もし雪白のみならば一日もかからずに到達しただろうことは明白だった。
「……四腕牛魔(ブルタウロス)かよ。しかもでけえ」
 通路の先にある石の大広間をのぞき込むと、屈強な魔獣がいた。
 四腕牛魔。
 牛魔(タウロス)は筋骨隆々の人型の体躯とバッファローのごとき頭を持つ魔獣で、遺跡では比較的よく見られる種であるが、この四腕牛魔は魔主として這い出てくるほどの強力な魔獣であった。
 しかも大きさは巨人種を超え、一般的な体色である赤ではなく黒、握っている四本の大斧はすべて形状の違う魔法具らしかった。

 決して六つ星と七つ星の二人で挑むような相手ではない。
――グォオンッ
 だが雪白は蔵人にアズロナをぽいっと預けると、嬉々として大広間に飛び込んでいく。
――ブルゥワアアアアアアアアアアアアアアアアッ
 四腕牛魔が雪白に呼応するように、理性など微塵もない狂気すら混じった咆哮を上げた。
 それだけで、蔵人とアズロナ、そしてラロも身体が竦んで動けなくなった。
「……ハハ、やっぱりおまえがいて助かったわ」
 ラロがじっとりとした冷や汗や脂汗を浮かべ、咆哮を引き裂くように駆け抜ける雪白の姿を見て呟く。
「……雪白が、だろ」
「おまえがいなきゃ、あいつもついてこないだろ。なら一緒さ」
 雪白の邪魔をしないように、通路から顔を覗かせるように蔵人たちは雪白の勇姿を見守った。アズロナなどは目を輝かせて雪白に見惚れていた。



 呆気ない。
 終わってしまえばそのとおりだが、それは雪白だからこそ、である。
 巨大な体躯が地響きを立てて倒れ込み、雪白は獲物が完全に息絶えたことを確認してから、くるりと身を翻した。
 ほとんど傷もない、その颯爽とした姿にアズロナがぎゃいぎゃいと歓声を上げる。
 直後、広間の右奥の砂でふさがれた通路の砂が少しずつ崩れだし、脱出路が姿を現そうとしていた。
 それを確認すると、ラロが大広間に足を踏み入れ、蔵人もアズロナを抱き上げてそれに続いた。

「助かったよ」
 ラロが雪白に礼を言うと、ブラッシングタイムに入ろうとしていた雪白は、気にするなとでもいうように尻尾をひらひらと振って、蔵人の前にごろりと寝そべった。
 蔵人も礼を言いながら三種のブラシを取り出し、ブラッシングに取りかかる。アズロナは雪白の顔の前の這っていき、カッコよかったよっと興奮気味に雪白の顔に自分の顔を擦りつけた。
 ふんっあんなもの大したことはない、と鼻を鳴らしながらも、雪白はアズロナをぺろりと舐めて応えやった。

「おいおい、普通はお宝を確認す……いや、いい。それくらいはこっちでやるわ」
 四腕牛魔の握っていた大斧や広間の奥に据えられた魔法具らしき腕輪をまったく確認することなく、ブラッシングをする蔵人たちにラロはそう言いかけるも、前言を翻した。
 それくらいしなければやることがない。
 もちろん独り占めなどという気はまったくない。雪白の力を見て、そんな勇気はこれっぽっちもなかった。ちょっとばかりおこぼれに預かりたいなくらいは思っているが、それならばせめてできることをやって心象を良くしようという算段であった。
 ラロはまずは四腕牛魔の死体に近づき、斧以外には何かないかと探ってから、唯一持てそうな、戦闘中に異常に速く振り回されていた大斧を持ち上げた。
 予想どおり軽い。
 おそらくは『体感重量無効』や『威力増大』くらいの能力はありそうで、ラロはほくほく顔でそれをまず雪白たちのほうに持って行こうとして、唖然とした。

 ――いない。

 蔵人たちがどこにもいなかった。
 去った様子はない。つい先ほどまで呑気にブラッシングを始めていたはずだった。
 ラロは蔵人たちがいたはずの場所に慌てて近寄ると、地面に今まさに閉じつつある落とし穴を見つける。
「……ここで落とし穴かよ」
 よもや迷宮主を倒してから落とし穴が出現するなど、きいたこともなかった。
 ラロはしばし閉じゆく落とし穴を見つめていたが、すぐに思考を切り替えた。
 追いかけるなんていう選択肢はない。
「……まあ、これも仕方ないよな。流民で生きられるのは運の良い奴だけさ。おれにはおまえみたいな馬鹿げた魔力も猟獣もコネもないが、運だけは良かったみたいだな。悪く思うな」
 ラロはすぐに割り切った。
 魔獣の蔓延る原野も厳しい土地だが、最底辺のスラムも同じくらい厳しい土地である。そこでは昨日まで共に歯を食いしばっていた仲間が、今日はもう死んでいるなんてこともありふれたことだった。割り切らなければ生きられない。まごまごしていれば次は自分の番になる。
 ラロは魔法具を台座から取り上げ、いつもの軽い表情を引き締めた。
「とはいえ、こっちもラクじゃねえがな」
 ここからは蔵人たちはいない。
 番人が倒されたとはいえ、ここは遺跡。油断などできるはずもない。
 ラロは手に入れたばかりの大斧を背負い、二本の剣を携えて、魔獣の蔓延る帰路に向かって慎重に歩き出した。




********




 アンデッドの大発生が報告され、調査隊が命からがらに逃げ延びてきても、蔵人、そしてラロは帰らなかった。
 リヴカは戻ってきた調査隊の後始末に慌ただしく働きながらも、蔵人たちの行方について戻ってきたハンターに尋ねて回った。
 調査隊は砂漠でアンデッドの大発生に出くわし、撃退するも、野営地との繋がりが途絶。覚悟を決めて再戦の準備を進めるも、その最中に迷宮遺跡に呑まれた。いくつかの集団に別れて迷宮遺跡の入り口に落とされたハンターたちであったが、慎重に迷宮遺跡を進んで三日目に、それぞれの目の前に別ルートが新たに現れ、番人が倒されたことを知ったらしい。

 皮肉なことではあるが、雪白が最速で番人を倒したことでほかのハンターたちの前にほとんど入り口に引き返すような形で帰路が生まれた。その結果、ハンターたちはもっとも砂漠に近い自治区の村近くに出口が開かれたのだ。
 リヴカも、そして協会もそこまでは予想した。 
 ではなぜ蔵人とラロが戻らないのか。
 番人と戦って死んだか、もしくは別の遠くに出口が開いたか、としか考えられない。
 だがさらに数日経っても蔵人たちが戻ることはなく、どこかで生存しているという情報も報告されなかった。
 そして、賢者からの連絡もいまだ、リヴカの元に届いていなかった。
 賢者、いやトールは失意の縁にいた。どうすればいいか、今も迷い続けていた。
 しかしそんなことを知る由もないリヴカは、蔵人の帰還と共に、賢者の連絡を待ち続けていた。




 協会の管理する家をいつまでも遊ばせておくわけにはいかない。
 リヴカは残っている荷物をいったん預かるつもりで、家の清掃や整理も兼ねて、自ら志願して蔵人の借家にやってきた。もし蔵人が生きて帰ったとき、蔵人の絵が表に出たら大変なことになる、というのも理由の一つである。ラロの家にはハンナが行っていた。
 しかし、足を踏み入れた蔵人の家は、いつも以上にがらんとしていた。
 綺麗に整頓してでかけたらしく、残っているのは絵だけ。いつもならば散乱しているはずのあのきわどい絵はどこにもなく、当たり障りのない絵が残されていた。
 これは蔵人が不在のときにもし誰かに踏み込まれ、それを証拠に猥褻物陳列罪扱いで捕まるのを恐れたためであった。
 リヴカはどことなくホッとしたように壁に貼られた絵を剥がし、集めていくが、その中の一枚に目がとまった。
 白と黒の濃淡だけで描かれた絵。緻密であるが、どこか幻想的な絵であった。

 協会の窓口で生真面目な顔をして書類をまとめている女。
 愛想笑いすらもない、堅い表情。
 しかし、その堅い表情に一つだけ異物があった。
 赤い縁の半円眼鏡が、鼻にちょこんとかけられていた。

 存外、似合っている。
 そう思ってしまったのは、時間をおいて客観的に見れたせいか、うぬぼれか。
 リヴカはもらったきり一度もかけていない眼鏡を思いだして、少しかけてみようかな、などと思い始めていた。
 そして絵はリヴカのものだけではなかった。
 奥の部屋にはサディ、ラケル、ハンナ、ソフィリス、グウェンドリン、骨人種の母娘と、おそらくは蔵人がサウラン大陸で出会った女たちが描かれていた。
 蔵人らしいとリヴカは苦笑するが、そこにある書きかけの絵に息を呑んだ。

 雪白やアズロナ、リヴカ、サディ、ラケル、ハンナ、ソフィリス、グウェンドリン、フーリ、骨人種の母娘、骨だけの魔獣、そして珍しいことに男であるファルシャもいた。
 蔵人がこの地で出会ったであろう人々が、一堂に会した絵であった。少しばかり女性が多いが。

 現実ではおそらく実現しない、宗教も立場も関係ないといわんばかりのその絵。
 おそらくは、蔵人の純粋な望み。
 そしてそれはリヴカの望みでもあった。
 リヴカは気づかぬうちに、その絵に見入っていた。
 なんともいえない疼痛を胸に感じながら。
 痛みともいえないような、うずき。
 アズロナを抱いている自分が、雪白の尻尾にくすぐったそうにしている自分が、羨ましかった。
 このうずきは、いつか良い想い出になるかもしれない。
 蔵人が砂漠から帰還したなら、いつか誰かに笑って語れるかもしれない。
 そんな胸のうずき。
 割り切った、つもりだった。
 だが今は、この疼痛がどうしようもなく、切なかった。



********


 リヴカがそんな感傷を抱いていたとき、落とし穴に落ちた蔵人たちはというと――。
 巨大な女神像の足下にいた。
 それは龍華国で見た獣が混じり合った女神とは違う、別の姿をした女神であった。




次回はロンファ・アフターです<(_ _)>
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