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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、学園祭に行く

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241 クマさん、絵本3巻を描く

書き終わったので予約投稿しておきます。
出勤時間にちょうどいいかな?

 エルフの村から戻って来て数日、ルイミンからお試しの連絡があったぐらいで平和そのものだ。
 連絡をしてきた理由は繋がるか不安になったから、クマフォンを試したそうだ。

『ちゃんと、ユナさんと話せてよかったです』

 わたしの声を聞くとクマフォンからルイミンの安堵の声が聞こえる。
 村のことを尋ねると、あれ以来結界の中には魔物は一匹も入って来ていないそうだ。
 神聖樹も10日に一度、確認することになったらしい。そこにはルッカも含まれて、四人で交互に見守っていくことになったことを教えてくれた。
 ルッカが初めて神聖樹のある岩山の中に入ったとき、神聖樹よりもクマハウスに驚いたらしい。

『神聖樹よりも、ユナさんのくまさんのお家に興味を持ったみたいですよ』

 まあ、洞窟を抜けたらクマハウスがあれば驚くかな?

『ユナさんが今後も来るためだよと、教えてあげたら喜んでいましたよ』

 わたしがって言うよりもくまゆるたちなのかな?
 嫌われているよりはいいけど、悲しくもある。
 そんな村の状況を教えてもらい、今度は神聖樹の茶葉が出来たら連絡を貰うことになった。もちろん、それ以外でも構わないことは伝えてある。


 今日はフィナとシュリと約束ごとがあるので家でのんびりと待っている。本日の予定は絵本の新作を描くことだ。そのためにフィナとシュリを呼んである。
 内容の確認とシュリの登場があるから、勝手に描くことが出来ない。
 黙って描いた絵本が不評だったら困る。
 絵本のモデルとして使っているんだから、本人の意見はちゃんと聞かないとね。
 お茶を飲みながら待っているとフィナたちが家にやって来る。

「本当に描くんですか?」

 家に来る早々にそんなことを言い出すフィナ。

「フローラ姫も待っていると思うし、約束もしちゃっているからね」
「ユナ姉ちゃん。わたしも描いてくれるの?」
「そのつもりだよ」

 フィナは渋々と、シュリは嬉しそうにする。
 絵本の内容はフィナと相談しながら描くようにして、シュリには自分の絵を確認してもらうことになった。描いたあとに、「似ていない」とか言って泣かれても困るからね。

「それで絵本の内容なんだけど、隣の街に行く、3人を描こうと思うんだけどいい?」
「3人ですか?」
「フィナにシュリ、それとティルミナさんの3人だね」
「わたし、隣の街に行ったことないよ」
「別に本当のことを描かなくてもいいんだよ。絵本は想像で描くものだからね」


絵本 3巻 くまさんと女の子

 女の子のお母さんは病気も治り元気になりました。

 そして、女の子には元気な妹がいました。(シュリっぽいデフォルメされた女の子)

 妹がくまさんに会いたいと言うので、一緒に森に行くことになりました。

 森の入り口に立ってくまさんを呼ぶと、森からくまさんが出て来ました。

 妹は怖がらずに、喜んでくまさんに近づきます。

 女の子はくまさんに駆け寄り妹を紹介します。

 くまさんは女の子や妹を乗せて遊んでくれました。

 でも、楽しい日々は長くは続きませんでした。

 女の子の家族はお母さんの友達がいる隣の街に行くことになりました。

 仕事を貰うためです。

 女の子は泣きながらくまさんにお別れをします。

 くまさんは優しく女の子の頭を撫でます。

 女の子の家族は馬車に乗って、隣の街に向かいます。

 くまさんは遠くから手を振ってお別れをします。

 女の子は涙をこらえます。

 馬車が動き出すと、くまさんとお別れになります。

 生きるために仕方ないことだと女の子は分かっているので我慢をします。

 馬車には女の子の家族以外にも数人乗っていました。

 馬車は隣街に向かって進みます。

 どんどん、くまさんがいる森から離れて行きます。

 でも、戻ることはできません。

 くまさんと別れて落ち込んでいると馬車がいきなり止まります。

「なんだ」

 馬車に乗っている人たちが騒ぎ出します。

「魔物だ!」

 誰かが叫びます。

 女の子のお母さんは娘を2人を抱きしめます。

 馬車から降りて逃げ出す者もいます。

「みんな、にげろ! ここにいても殺されるぞ!」

 外にいる者が叫びます。

 残っていた人も馬車から降りて逃げ出します。

 女の子の家族も逃げ出そうとしましたが、先に逃げ出した人に押されて倒れてしまいます。

 馬車の中には女の子たち家族だけが取り残されました。

「お母さん」

「大丈夫だよ」

 お母さんは震える手で2人の娘を抱き寄せます。

 外からは叫び声と、魔物の声が聞こえて来ます。

 もう、女の子たちは逃げ出すことは出来ません。

 馬車は揺れます。馬車は外から叩かれます。魔物が唸り声が恐怖を呼びます

 もう、駄目かと思ったとき、外は静かになりました。

 女の子たちは恐怖で外を見ることもできません。

 でも、外から「く~ん」と聞きなれた鳴き声が聞こえてきました。

「くまさん!」

 女の子はお母さんの手を振りほどいて外に出ます。

 そこにはくまさんがいました。

 女の子は泣きながらくまさんに抱きつきます。

 お母さんと妹が馬車から出て来て心配をしてくれます。

「大丈夫だよ。くまさんが助けてくれたよ」

 馬車の外には魔物が倒れていました。

 他の人たちは見えません。どうなったかはわかりませんでした。

 馬さんは倒れ、馬車は壊れ、ここからは歩いて行くしかありませんでした。

 そのとき、くまさんが「く~ん」と大きく鳴きました。

 すると、遠くから、黒いくまさんと白いくまさんがやってきました。

 お母さんと妹は驚くけど、女の子は驚きませんでした。

 くまさんが呼んだと分かったからです。

 くまさん、黒くまさん、白くまさんが背中を見せてくれます。

 どうやら、くまさんが隣の街まで乗せてくれるみたいです。

「お母さん、くまさんが隣の街まで乗せてくれるって」

 女の子がお母さんに言うと、始めは信じられないようだったけど、背中に乗ると信じてくれました。

 女の子たち家族はくまさんに乗って隣の街に向かいました。

 くまさんは隣の街の近くに来ると女の子たちを降ろします。

「くまさん、ありがとう」

 女の子はお礼を言いますが妹は白くまさんを離そうとはしません。

 離れたくないみたいです。もちろん、女の子も別れたくはありません。

「くまさんは大きいから、街の中には入れないのよ」

 お母さんが妹を宥めますが抱き付いたまま、首を横に振ります。

「くまさんが小さければいいんだけど」

 するとくまさんが「く~ん」と鳴くと、小さくなっていきます。

 妹が抱きついている白くまさんも黒くまさんも小さくなります。

 どんどん小さくなって、手のひらに乗るぐらいまで小さくなりました。

 これなら、荷物と一緒に運ぶことが出来ます。

 女の子たちはくまさんをポケットに入れて隣の街に入ることにしました。

 魔物に襲われたことを説明した女の子たちはお母さんの友人のところに行きます。

 お母さんの友達に再会すると、喜んで女の子たちを受け入れてくれました。

 そして、女の子やお母さんたちに仕事を与えて、幸せに暮らし始めました。

 めでたし、めでたし。




 まず、女の子の妹を登場させる。
 これがシュリになる。
 デフォルメ風にシュリを描く。

「うわぁ、可愛いです」

 シュリは自分を描いてもらって嬉しそうにする。

「この街にお父さん、いないんですか?」
「一応、王都に行く設定を真似ているからね。絵本の中だと女の子たちが隣街に行く設定が思い付かないから、ゲンツさんは他の街にいることにしたんだよ」
「それじゃ、女の子たちはお父さんに会いに隣の街に行くんですね」
「まだ、お母さんの友人だけどね」

 くまさんのお別れのシーンを描く。

「くまさんとお別れするんですか?」

 シュリが悲しそうにする。

「大丈夫だよ。あとで登場するから」

 くまさんと女の子たちの別れのシーンを描いて、女の子たちが馬の車で隣街に移動するシーンを描く。

「てっきり、くまさんが登場して、乗せてもらうのかと思っていました」

 流石にここでくまさんを登場させるわけにはいかない。

「お別れしたばかりだからね。それにお母さんもくまさんで移動しようとは思わないよ」

 馬車の移動となり、魔物に襲われるシーンになる。
 これはミサの馬車が襲われたことを真似ている。
 みんなが逃げ出す中、取り残される女の子たち。
 馬車は揺れ、魔物の声がする。
 そこに颯爽と駆け付けるのが、くまさんだ。
 くまさんは魔物をやっつけて、女の子たちを助けてくれる。

「良かったです」
「くまさん強いです」

 そして、壊れた馬車では移動もできないし、くまさん1人では3人を乗せることは出来ない。
 そこで、くまさんは鳴き声をあげて仲間を呼ぶ。
 現れたのはデフォルメされた黒くまさんと白くまさんだ。

「くまゆるとくまきゅうですね」
「可愛いです」

 デフォルメされた新しいくまさんの登場に2人は喜ぶ。

「シュリ、どっちに乗りたいか希望ある?」
「くまきゅうちゃん」

 悩むこともせずに即答するシュリ。

「どうして、くまきゅうなの?」
「白くて綺麗だから」

 たしかにくまきゅうは白くて綺麗な毛並みをしている。
 でも、くまゆるは黒いからといって、汚れている訳じゃないよ。

「それじゃ、妹ちゃんは白くまさんに乗せるね」

 フィナ役の女の子はわたし役のくまに乗せ、ティルミナさん役のお母さんはくまゆる役の黒くまさんに乗せる。
 そして、くまさんに乗った3人は隣の街に向けて出発をする。

「逃げた人たちはいいんですか?」
「女子供を置いて逃げるんだからいいんだよ。一応、死体はないようにしているから、その辺りは読んだ子に想像してもらうよ」

 絵本は想像して知能を教育するものでもある。
 逃げた人が魔物に襲われたのか、助かったのかは読んだ子や教える役目は親に任せる。
 逃げて苦労して街に行ったと説明するのも、魔物に殺されたって説明するのも親の大切な役目だ。
 どうやって、教えるかによって、子供の考え方が変わる。と、フィナとシュリにもっともらしいことを言って誤魔化してみる。
 本音を言えば絵本に死体を描きたくなかっただけだ。
 あと、この場に他の人物がいると、くまさんの登場に邪魔だったとは言えない。
 事実と建前は別物だからね。

 そして、くまさんたちに乗った女の子たち家族は隣の街に向かって移動する。
 くまさんに乗った女の子たち家族は無事に隣街に到着した。
 到着したら、くまさんと別れないといけない。くまさんは街の中には入れないのだから。
 女の子たちはくまさんとお別れをしようとすると、別れたくないと我侭を言い出す妹。

「わたし、そんなことを言わないよ」
「別にシュリが言っているわけじゃないよ。あくまで絵本の女の子だから」
「でも……」
「そうしないと、本当にくまさんとお別れになっちゃうよ」

 シュリは自分が我侭を言っているようで嫌なようだ。

「シュリはくまさんと離れ離れになっても大丈夫なの?」
「……大丈夫」

 すぐに嘘と分かることを言う。
 そんなに我侭を言うことが恥ずかしいことなのかな?

「そうなんだ。せっかくこれをプレゼントしようと思ったのに」

 わたしはクマボックスからくまきゅうぬいぐるみを取り出す。

「くまきゅうちゃん!」

 くまきゅうぬいぐるみを見たシュリは笑顔になる。

「いらない?」
「欲しい!」

 悩むこともなく、返事をするシュリ。

「シュリは孤児院の子供が持っているのを見て欲しがっていたからね」
「フィナのもあるよ。フィナにはくまゆるをあげるね」
「いいんですか?」
「一緒に作ったでしょう」
「ありがとうございます」

 フィナも嬉しそうにくまゆるぬいぐるみを抱きかかえる。

「シュリ。もし、これでくまきゅうぬいぐるみと別れたらどう思う」
「別れたくない」
「でしょう。この絵本の女の子もそうなんだよ」

 わたしがそう説明をしてあげると、納得をしてくれる。
 シュリの了承も得たので絵本の続きを描く。
 街に入るためにくまさんたちが手のひらサイズまで小さくなる。

「小さくなるくまゆるたちと一緒ですね」
「手のひらサイズだから、もっと小さいけどね」

 無事にくまさんと一緒に街の中に入った女の子家族はゲンツさん役の男性と会うことができて、仕事をもらうことが出来ました。
 そして、幸せに暮らしました。
 絵本、くまさんと女の子の3巻が描き終わる。

「ユナ姉ちゃん。凄いです」
「はい。凄いです。でも、ノア様に怒られませんよね」
「ノア?」

 どうして、ここでノアの名前が出てくるかな?

「だって、このお話はわたしたちが王都に行くときのお話を元に作っているんですよね?」
「一応ね。いろいろと変更しているけどね」
「これを見て、ノア様が登場していないことを知ったら」

 なるほど、そういうことね。

「大丈夫だよ。フィナだって、登場するのは恥ずかしくて嫌だったんでしょう?」
「はい。でも……」
「ノアも恥ずかしがるから大丈夫だよ。それに、この絵本がフィナとわたしたちの話を元に描いているなんて知らないと思うし、なによりもノアがこの絵本を見ることはないよ」

 今までだって絵本の存在を知らなかったんだし、ノアが絵本の存在を知ることは無いと思う。
 王都だって一部の人しか持っていないし、クリモニアには孤児院にしか置いていない。
 ノアが絵本を見ることはほぼ無い。

「なら、いいんですが」
「フィナは心配性だね」

 とフィナの気持ちを笑いながら吹き飛ばしてあげた。
ノアの出番が無くなったw
今更だけど、絵本の2巻描いてませんね。
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