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ため池の改良と神様に感謝



 春の風物詩と俺が勝手に決めたザブトンの子供たちの旅立ちを見送った後、クロたちの角の生え変わりが始まった。


 その後は、パートナー探しか。


 うーむ。


 凄いことになるぞー。


 現実はみつめないぞー。




 ため池の改良をやってみる。


 現在は水源の滝から水路を通り、ため池まで一直線だ。


 なので、ゴミが水路に入るとそのままため池に入ってしまう。


 ゴミなら拾えばいいが、生き物だった場合は困るかもしれない。


 それを防ぐ為、ため池の前に貯水地を作り、ワンクッション置く事にした。


 ため池は逆ピラミッド型で中央の深い所で五メートルぐらいあるが、貯水池は均等に五十センチぐらいにする。


 これで、ゴミなり生き物なりが流れてきても、貯水池でブロックできる可能性が高くなる。


 もちろん、貯水池とため池の間に柵が必要だ。


 金網が理想だが、そんなものは無いので竹を並べて作った柵にする。


 良い感じでゴミを防いでくれるだろう。



 同じように排水用の水路も改良する。


 風呂の排水を流す水路に排水プールを作り、そこにスライムを入れて水を浄化している。


 同じ仕組みをため池からの排水路にも設置した。


 これは水を綺麗にするのと、ため池に落とした物を川にまで流さない為の措置だ。


 ため池と新しく作った排水プールを繋ぐ間にも竹の柵を設置する。


 これはゴミの逆侵入防止用ではなく、スライムを排水プールに留めるためだ。


 そういえば、気付けばスライムはそれなりの数に増えていた。


 今では勝手に移動しているスライムをよく見る。


 勝手に移動しているのを最初に見た時は焦ったが、スライムが自主的に必要な場所に向かって移動するだけで無害だと判明したので放置している。


 時々、色の違うのが混じったりしているけど、問題は無いと思いたい。




 なんだかんだとやっていたら、クロたちのパートナー探しの時期が来てしまった。


 しかし、今年はほとんど旅立たなかった。


 現在いる者たちでカップリングが成立したらしい。


 良いことなのだろうか。


 まあ、良いとしよう。


 代わりと言ってはなんだが、リアたちと同じように森の中を放浪しているハイエルフたちに対して、ここへの移住を誘う一団を派遣することになった。


 行くのはリーフとラーサの二人に、護衛としてクロたちの子供を十頭。


 どんなに遅くなっても冬までには帰ってくる予定だ。


 同時に、新しい者たちを受け入れるためのログハウス作りも進められる。


 なんだかんだで忙しい。



 酒用のブドウは、あっという間に収穫の時期を迎えた。


 収穫したので、ワイン作りに挑戦してみた。


 古い方法だと足で踏むらしいが、個人的に食べ物を足蹴にするのはNG。


 なので素直に石を削って作った臼で荒く潰す。


 潰した後、樽に納めて保管。


 これで終わり。


 本当にこれでワインができるのか不安になるぐらい簡単。


 簡単だが、量が量なので非常に大変だった。


 仕込んだ酒は、人が入れるぐらいの大樽で十六。


 全部を同じ作り方で作って失敗すると悲しいので、樽毎に潰し方を変えてみた。


 上手くいってほしいものだ。




 問題。


 酒用のブドウ畑をどうするかだ。


 いつもなら、また耕して同じ物や別の物を作るのだが……


 酒が上手くできるか未定の状態で、酒用のブドウを作り続けるべきだろうか。


 食料の保存を考えれば、小麦や大豆、米やトウモロコシの方が良いかもしれない。


 悩んだので、皆に相談してみることにした。


 酒用のブドウ畑で意思が統一されていた。


 えっと……


「ワイン、期待しています」


「早く飲みたいですねぇ」


「試飲の時は呼んでくださいね」


「私、ワインには煩いわよ」


「ふふふ」


「あの量なら、結構飲めますよね」


「樽作りなら任せてください」


 全員、酒を求めていたらしい。


 どうなるか判らないが、酒用のブドウ畑を作り続けることになった。




 畑はブドウ畑だけではない。


 小麦、大豆、稲、トウモロコシと穀物類を収穫した後、ニンジン、ジャガイモ、ダイコン、ニンニク、タマネギなどの根野菜の収穫。


 この辺りの区別は、ザブトンの子供が収穫できるかどうかで分けている。


 ザブトンの子供たちは、ハサミがあれば可能な収穫ならできるが、カマが必要だったり力が必要だったりする収穫は厳しい。


 なのでザブトンの子供達にはトマト、キャベツ、カボチャ、キュウリ、ナス、そして果実系の収穫をメインに任せている。


 俺は人の手が要るほうれん草、サトウキビ、お茶を収穫した後、アブラナを収穫して油を確保する。


 人手が増えたのは本当にありがたい。


 消費も多くなったが、【万能農具】のお陰か、成長の速い作物のお陰か、今のところは飢えるということは無い。


 感謝。




 そう言えば、色々と作物に関して実験をした。


 俺が作った作物は、他の場所で育つのかだ。


 タマネギで実験してみた。


 結果、俺の耕した場所でなら育つが、それ以外の場所だと腐った。


 タマネギを水だけで栽培してみたが、これは上手くいかなかった。


 芽が出た後、すぐに腐ってしまった。


 俺のやり方が悪いのか、水が悪いのか……ともかく、【万能農具】が無くても、俺が耕した場所であれば育つのがわかったのは大きい。


 ただ、成長速度は遅い。


 遅いが、それは俺の知っている作物の成長速度。


 つまり……


 作物の成長が速いのは、【万能農具】のお陰なのだろう。


 改めて神様に感謝。


 ちなみに、【万能農具】で育てた果実系は実をつけるまでの成長が早く、実をつけた後の成長は普通の成長になるようだ。





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― 新着の感想 ―
ブドウ踏みはアニメではやりましたね、ヨーロッパでは処女の乙女がブドウ踏みをする習慣が有ったとか。
[良い点] ため池と水路の間に貯水池を入れるアイデアは良いなと思います。 [気になる点] ため池と貯水池は、同じ意味に感じました。 貯水池で水をキレイにするなら整水池か調整池に変えるのは如何でしょうか…
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