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032:恋しくて

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15,400PVを超えました。

 しばらく休憩して異常がないのを確認できたので今日は帰宅することにした。

何人か一緒に帰ろうか?と聞かれたけど買い物してから帰ると話すと、それぞれグループに挨拶してから帰ることになった。

昨日杖を購入した店に行き受取証を渡すと皮の収納具をもらう、装備をして腰に短剣と杖を挿すと安定して使いやすいように感じた。


 寮に戻ると既にみんなは戻っていた。

「「「「おかえりー」」」」と一斉に言われたので少したじろいだが「ただいま」と言うとヴァイスにまあ座ってくれと談話室でまたまた作戦会議となった。

「今日は実践戦闘グループを見たんだから明日は開墾地でも見る?案内出来るよ」とザクスとレンが身を乗り出して聞いてくる。

「しばらく戦闘系はいいから、明日は是非見学させて貰うよ」とザクスとレンにまた食堂で落ち合う約束をする。

そしてマイクロさんが指摘した『基礎体力の不足』について相談したら明日からみんなで朝練をやることにした。


 夕食が終わると風呂場にいって体を拭くことにした。

ふと何が問題でこの風呂が使えないか気になったので寮母に調べてもいいか確認をする。

「現状使えていないので風呂場を壊さない程度に調べるのは大丈夫ですよ」と了解を得たので調べてみる。

男性用の風呂場は洗い場が2箇所に広い浴槽がある、浴槽の隅には排水の穴があり普段はコルクっぽいもので塞いである。湯は女性像が持つジョウロからお湯が出て浴槽に溜まるはずだった。

ジョウロを良く見ると女性像の指の所にトパーズのリングがあり、そこで魔力を込めるとお湯が出るらしい。


「明日から朝錬だしなぁ」出来れば風呂に入ってから講義を受けたいと思う。

付与魔法オープンと呟くと魔法オープンの細分化したものが分かるようになった。


【付与魔法】:Lv1

スペル:鑑定【物品】:Lv1

エンチャント:【伸縮/拡張】【重量軽減】【回転/移動】【成長/増殖】


 まずはターコイズの指輪に触れ「鑑定」と呟く。

【水を撒く乙女像】:水と熱の魔力が込められた魔道具。ターコイズを触媒として一定量の水と熱量が設定されていたが現在はノイズが入っている。


 試しに魔力を込めると不自然な水量が一気に出て浴槽から飛び出たので魔力を遮断する。

イメージだとジョウロに水が溜まる段階で適温まで暖められ、零れて浴槽に落ち適量の湯が放出される付与魔法がかかっている。

水筒への付与を一度見ているので普通に考えると水魔法と火魔法の二段階をターコイズに魔力を通して魔道具にしているイメージ・・・なのかな?

土の精霊がやっているのに参加したり、他の精霊のやるのを見たりしたけど自分一人で付与魔法を使ってないので実際問題何が引っかかっているのかが分からなかった。


 魔力操作とかが必要なのかなと思い杖を持ってターコイズに当ててみた。

もう一度「鑑定」と呟いても同じ反応しかでないようだった。

そういえばこの杖、石を埋め込めるスペースがあってそれによって魔法の相性が変わってくるんだったな。

そう思い収納のアイテムを思い出す・・・・う、ごちゃごちゃしてる。

頭の中で分類を作り収納に魔力を流しながらイメージを送るときれいに整頓されていく。

【収納関係】【生活雑貨】【調理道具】【食材・調味料】【魔法の品】【植物関係】等。


 魔法の品の中に連鎖炎石があったので杖に近づけて両方に魔力を通すと、杖のあいているスペースにかちゃりと嵌まる。洗い場に大き目のタライを持って行きクリエイトウォータで水を出すと水に向けて魔力を込めてみる。


タライから水が球体になるのを解除し水をかき回してみる。

ちょっと反応が違うようなので今度は振動するような動きをさせてみる・・・これも違ったようだ。


 そもそも連鎖炎石は石に次々と魔力が移っていく魔道具でエネルギーが倍倍になっていく所に価値があったはずだ。確か炎の精霊がヒートウェーブという加熱魔法の変わりにくれた石だったのでまずはタライに石を少量入れて1cmくらいの水を張っておく。

属性の力を込めずに魔力を連鎖炎石に通すイメージで発生する魔力を杖からタライの石に向ける。


 魔力を引っ張られるイメージがあり、大量に魔力を入れると暴走しそうな予感がする。

やっぱり火魔法との相性が悪いのかもしれない、5分くらい集中しているとメッセージが浮かぶ。


《New:エンチャント:【加熱】を覚えました》

《New:付与魔法のレベルが上がりました》

《New:スペル 簡易エンチャントを覚えました》


 タライの石に触れてみるとかろうじて暖かく水は温くなっていた。

なんとなく違和感が残ったので付与魔法のレベルがあがったことだしもう一度ターコイズを鑑定することにした。


【水を撒く乙女像】:水と熱の魔力が込められた魔道具。ターコイズを触媒として一定量の水と熱量が設定されている。水の属性魔法・土の属性魔法・火の属性魔法が込められておりノイズが入っている。


 メッセージが変わった!だけど何で3属性も入っているんだろう。

普通に考えれば水はお湯を作るから確定として、もし付与を込められた順番にメッセージが出るようだったら余計なのは火の属性魔法かもしれないな。

これはまだ仮定の状況だから土の属性魔法も候補に入れといてもいいかな?学園の授業で細分化した魔法の授業があったら優先的に受けてみよう。


 翌朝は朝食前に動ける格好で玄関に集合して基本のストレッチとランニングをする。

ヴァイスとティーナが動けるのは分かっていたがザクスとレンも思ったより体力があった。

魔法科も負けないぞと懸命についていったが「まぁ今日は初日だしこんなもんでいいか」というヴァイスに「「「簡便してよぉ」」」と声がハモった。


 風呂場で汗をよく拭いてから朝食を取り本日の講義に参加する。

本日受けたのはこの3つ【付与魔法】【研究発表:常春】【瞑想】だった。

瞑想は前日と同じ内容だったが奥が深い、魔法が使えるものは得意な属性に引っ張られやすく神聖魔法の使い手は独特な雰囲気を醸しだす。ちなみにこの雰囲気を纏うことが神聖魔法の第一歩らしい。


 付与魔術と研究発表ではかなりの良い情報を知ることが出来た。

まず、魔道具に付与する魔法は自分の覚えている魔法又はエンチャントの特性を覚えておく必要がある。そして対象に出来ると思える行動や魔法をとらすことしか出来ない。

水筒から水を出す・井戸から水を汲み出す事は出来るが湯飲みから火を出す事は出来ない。

車輪などを転がす事は出来るが馬車を横回転させることは出来ない。


 魔道具には【自分専用】【誰かの専用】【誰でも使える】という設定が必要になる。

収納なんかは基本的に専用装備になり、公共施設で使うようなものは誰でも使える設定がいる。

特に設定しない場合は自分専用になり魔力の波長を調整することによって誰かの専用にするようだ。

誰でも使えるようにするには技術が必要らしい。


 そしてこの技術の理論を確立させたのが常春様だった。

主に宝石を触媒として使用するのだが属性によって使う宝石を変えると相性が増すらしい。

これは宝石の色が対応していてルビー・ガーネット・サファイア・アクアマリン・ターコイズ・エメラルドが多く、紫水晶は魔法との相性が最上級の品質になる。

宝石は基本的に掘って産出されるものが多いので土属性とは相性が良いけど、今回ターコイズを選んだということは水と土の属性で付与されていることにほぼ間違いがないようだった。


 付与魔術とは動きと魔法を知る事が基本となる。ただ、必ずしも放出(発現)出来る必要はない。

また1つの属性を覚えた際に理解するエンチャントは複数の要素を含んでいる事あるらしい。

土の属性魔法を覚えた時【重量軽減】を覚えたけど、水の精霊が言うには【堆積】や【増殖】も土の魔法の要素だと言っていた。また、緑の属性魔法の時に増殖を覚えたように同じエンチャントでも複数の共通で持っている要素もあるという。


 お湯が出る魔道具で水と土の属性を使っていた。

土で加熱・・・単品で考えるから思考の罠にはまっていた、そうこれは温泉だったんだ。

そう考えると圧縮されたか火山の関係か・・・単純に地熱でも間違ってはいないはずだ。

すると頭にいつものメッセージが浮かぶ。


《New:エンチャント:【加熱/地熱】を覚えました》


 加熱だけだったのが更新されたようだ。

これで常春様の研究にも一歩足を踏み入れられたのかな?季節的に寒くなってきたのでお風呂が恋しいのです。

午後のグループ見学が終わったら今日はゆっくり風呂に浸かりたいと思う。


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