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026:報酬の行方

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9400PVを超えました。

感想がないのはつまらないのかなとか

心配になります。

「では、全員終わったところで質問する。冒険者を辞めたくなったものはいるか?」と教官が4名に質問してくる。

周囲を牽制する二人に剣を修行した男性が「最低でもこの子達より強くるまでは辞めないよ」と宣言する。

「随分低い目標だな、他の三名はどうする?」と今度はギルマスが質問してきた。

「学園に入ったら強くなれますか?」と質問に質問で返すと「戦い方に拘らなければ現時点の4対1でも負けないくらいにはなるな」とギルマスが答える。

二人がお互いを見て「でも、金がなぁ」と暗い表情をした。


「冒険者ギルドとは冒険者に気持ちよく仕事をしてもらうのが仕事だ。そして学園と王国はギルドとの相互理解を深めるため色んな施策を行っている」とギルマスが大声で叫ぶ。

現時点で戦闘を諦めてEやFランクで冒険者を続けるのも一つの手だ。ただ、冒険者ポーター制度や後見人制度・はたまた支援パーティーによる現地育成も行っている。

かかった費用を無利子で返済する制度や労働によって一定期間の奉公をする事も可能だった。

「騎士には限りがある、かといって農業王国で徴兵と言っても常時訓練をできるとは限らない。農業科もあることだし人によっては学費の免除・寮に三食付なんていう待遇もあるな」と甘い言葉で誘惑するギルマス。

「「俺達はどこかのパーティーで研修を受けながら修行したいです」」と二人は言った。

後で聞いた話だけど同じ村の出身だったようだ。


「最初にこの講習があるのはいくつか目的がある、まずは慢心した心を折る事。たかがゴブリンと思って討伐に行った者達がどれだけ返り討ちにあったか。そして、学園での講義である冒険者の戦い方は騎士の戦い方と違うと言う事。最後に油断しているゴブリン側が田舎から出てきた冒険者見習いに一瞬でも驚かされたという事」そこで私語をしていた少年達を視線で黙らせる教官。

「冒険者を続けるなら最低でも後9つの講習を受けて欲しい。詳細はギルドの掲示板にでも貼っておく」と言いギルマスがついてくるように言った。


 応接に戻ると席に座るように促される。

「本当は今すぐ冒険に出てもゴブリンくらいなら正しい装備をすればそう負けないはずだ。だがな、残念な知らせもある。冬はなぁ・・・冒険者の仕事が激減するんだ」と声をひそめて話す。

正確に言えば遠くの雪下ろし作業とか迷い害獣とかの討伐とかはあるけど若者がいればどうにかなる仕事でもある。

わざわざ冒険者に頼むかどうかは難易度次第らしい。

そしてもう一つの手段としてはダンジョンに潜ると事だが、ダンジョンで火を焚く訳にもいかず寒さに耐え切っても報酬が確約されている訳でもない。また野営するにしても燃料を余計にくってしまう。

結局激減した仕事の取り合いが発生するので警備業務や日雇いの仕事をしている冒険者も少なくなかった。


「正直な、さっき読み上げた目録はどれを選んでもいいと思うぞ」ギルマスの言葉にさっきの目録を思い出す。

まずは金貨10枚か、大体1月は4週あって一週間で銀貨30枚の宿代がかかっている。

多分ウィークリーマンション的な価格設定なんだろうなと思う。

格安の庭付き屋敷(賃貸)が一ヶ月金貨1枚で借りられるとして所持金で5ヶ月までは大丈夫だ。文官への雇用は冒険者になるなら候補にも入らない。

冒険者ポーター制度は一切戦闘はさせてもらえないらしい、冒険者の心得とか動きとか薬草知識等を覚える事を重視しているそうだ。


 宿泊場所だけ考えても学園が破格の条件のようだった。

特待生として入るとした場合に選択できる学科は冒険・魔法・農業の3つで出来れば魔法科を薦めるとのこと。

学園は週5で授業があり、午前に座学を受けた後に食事をはさんで午後は戦闘訓練と部活動があるようだ。

テストでクリアできる学科もあるので短縮に短縮を重ねて必習項目と戦闘項目に専修項目を足して100コマを受けると卒業資格が発生する。第二条件は明確にはされていないようだ。


 内容的には二ヶ月で一通りは終わるが理解できるかは努力次第、卒業時期は三月なので卒業か中退するならそのタイミングでいいとのこと。「特待生として入ったなら卒業をしてくれると嬉しい」とギルマスが言うが二ヶ月で終わる内容を2年ちょっとも期間があれば大丈夫だと思う。


「なにも今すぐ決めなくていいぞ」というギルマスに「魔法科でお世話になります」と立ち上がり頭を下げる。

「寮は空いていたと記憶している、諸手続きには数日で済むから少ししたら受付に話してみてくれや」と言うと決めるのはこんなもんかとギルマスが伸びをする。

「Eランクのリュージ名前を覚えておくぜ、そろそろ更新された冒険者カードも出来ているだろうから忘れずに受付に寄っていくんだぞ」応接を出ると受付で冒険者カードを返却してもらいお昼にすることにした。


 教えてもらった食堂に行くとかなり格式があるお店だった。

食堂というには語弊があるな、高級レストランにちょっと届かないビストロ風な感じだった。

店の前まで行くと既にコロニッドさんが待っていたので一緒に店に入る。

お勧めのランチを2つ注文してフレンチトーストと燻製の話をしていると焼き芋を買ってくれた人が挨拶に来た。

「なにやら楽しそうな話をしていますね、お料理はいかがですか?」とこちらの話に入る隙を窺っていたようだった。「「とても美味しいです」」と告げると先ほどの燻製肉の話に興味があるようだった。


「肉屋さんの保管や流通がわかるといいんですが」と言うと二人して紹介しますよと迫ってくる。

多分、試行錯誤しないと完成品まではいけないと思うし養鶏の現場も見てみたいな。

あと、食材も一通り見て乳製品や発酵食品なんかもあると嬉しい。

そんな話をするとコロニッドさんが「今度王国の調理場でパンケーキをもう一度教えてもらえませんか?」と言ってくる。そして「何ですかそれ?」と聞いてくる料理長。


 特に予定がなかったので「明日で良ければいいですよ。朝食前に行くので門番さんに話を通してください」と告げると料理長が「私も行っていいですか?」とコロニッドさんに聞いていた。

色々手配を取ってくれるようなので他の見学を含めてお願いしてみることにした。

休みが取れるか申請してみますよと明るく言ってくるコロニッドさん。どうやら長期の有給休暇の消化をしているらしく下を育てる為に料理長か副料理長が抜けていたようだった。

食事が終わるとざっとだけど調理場を見せてもらえた。


 午後は学園を遠くから見てみようと場所を聞いて行ってみる。

無駄に広い敷地にも感じたが中を見てみないとなんとも言えないなと思った。

正門の隣には立て掛け式の黒板に本日の外部講習として4コマが書いてあった。

【生存術☆】【パーティーの心得☆】【大金を得たら】【命の価値☆】が表示されていて門番に聞いたら☆付きはここの学生は必修で冒険者は推奨講義のようだった。

講義の受付時間的に【生存術☆】が受講出来そうなので学園前の受付で聞くとギルドカードがあれば大丈夫ですとのこと。早速申し込みをすると地図を見せて第一教室に行ってくださいと説明をうけた。


 第一教室には前と後ろに出入り口があり、後ろ側が生徒入り口のようだ。

生徒入り口前には係員がいて講座名を話し「受講されますか?」と聞いていた。

なんとなくだが教室方面には何やら嫌な気配を感じた。

しかも間延びした列に入るペースはゆっくりで何か違和感を覚えた。

自分の番になり「受講されますか?」と聞かれたが別に喫緊で進めることもないかなと思い「また今度にしてもいいですか」と係員に話すと地図を指差し「こちらで手続きをしてください」キャンセルの手続きかなと思い案内された第二教室に到着する。


 教室の前にいる係員が「ようこそ学園へ、本日の講習【生存術★】を受講されますか?」と聞いてくる。

あれ?キャンセルの手続きじゃ?と不思議がっていると「こちらであっていますよ、あちらは授業が始まれば一般的な講義が始まるはずです。冒険者を志すものならこちら講習が必須となります」と言ってくる。

「では、受講させてください」と言い冒険者カードを提出した。


 授業はアクシデントもなく恙無く終わった。

主な命題は緊急事態には極力あわない・準備をする・回避する、避けられない場合は少しでも情報を得て状況を有利にするということ。また、相談出来る仲間やパーティーを作るといいという内容だった。

ギルドは冒険者の支援が出来る機関なので是非利用して欲しいと熱を帯びた講義だった。

関連講習として薬草等の種類や採取の仕方、森・町・街道の歩き方や注意点、盗賊の出やすい地形などの説明もあった。詳細は別途講習があるのでそちらを受講して欲しいという言葉で締められた。


 帰り道では何件かのお店を見てまわったら一軒気になった店に出会えた。

【グリーンフレグランス】石鹸と液状のボディーソープらしきものが置いてある店だった。

「地球で言うところのファンシー系のお店なのかな?」と考えていると女性店員が顔をだしてくる。

石鹸の置いてあるスペースは極僅かだったが・・・正直草の臭いが強かった。

それでも汚れが落ちるならと小さな石鹸を一個と液状の陶器に入った小瓶一つを銀貨2枚で買った。

会計をする店員さんは嬉しそうに「正直あまり売れてないんですよねぇ」と言うと苦笑いした。

おまけで石鹸受けをつけてくれたので有難く受け取った。


 明日は朝からフレンチトーストを作って燻製肉を作る為の食肉の流通と牧場を案内してくれる予定だ。

夕食を終えると魔力鉢を取り出し魔力を複数の流し方で研究する。

【制約/武器スキル習得難易度UP】【制約/攻撃魔法の習得難易度UP】がある以上、自分の直接攻撃手段は少ない。少しでも手数を増やすか回復方面に進むか防御特化の盾役に進むか考えないといけない。

とりあえずは魔法の修行が最善だと思い今日も訓練をするのであった。


所持金:金貨5枚+銀貨189枚(+銀貨50枚)

支払い:銀貨-2枚(石鹸)

支払い:銀貨-8枚(表記がない昼食の支払い他)

残 金:金貨5枚+銀貨179枚(+銀貨50枚)

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