野良怪談百物語

俺が寝坊したせいで、バイト先である書店の開店時間が遅れてしまう――！　俺は急いで、レジカウンターの中に入れるお金を数えていた。　〈No.1〉

雨が降った後の、湿気の満ちた桜並木を自転車で走る。とそこに、一陣の風が吹いた。　〈No.2〉

俺は喫茶店で高校の時の友人、涼平を待っていた。普段待ち合わせの時間に遅れて来ることはない涼平が、今日は少し遅れている。珍しいこともあるもんだ、と思っていると、涼平は現れた。そして、遅れた理由を語った。//

彼女と引越しの準備をしていた。丸七年過ごした、思い入れのある部屋だった。すると、彼女がある物を見つける。　〈No.4〉

山の中の、川の向こうには、“トモダチ”がいる。“セイシキなトモダチ”にしてもらうために、少年は再び山に入る。　〈No.5〉

店員である俺以外、誰もいない深夜のコンビニ。俺はバックヤードへ続くスイングドアに近づき、はめ込まれたマジックミラーを覗いて髪を整えていた。　〈No.6〉

僕は教室で本を読んでいた。すると、一人の女の子が話しかけてきて、僕に問うた。「植物にも、魂はあると思う？」　〈No.7〉

書店員である山下は、閉店間際の店内で売り場の本の補充を行っていた。するとそこに、ある一人の女性客がやってくる。　〈No.8〉

怪談をした日の夜、風呂に入って髪を洗う。そして、後ろを振り向く。　〈No.9〉

誰だって子どもの頃、“秘密基地”に憧れた。――小学生の時、友だちと一緒に、ある空き家を秘密基地にした。そこで、私たちはあるゲームをした。　〈No.10〉

俺が部屋でくつろいでいると、ルームメイトの純が帰ってきて言った。「やべェ……見ちった……」。……どうやら、“ユウレイ”を見てしまったらしい。　〈No.11〉

就職活動をしていた私。その日はとある企業の二次面接があった。企業の入っている雑居ビルへ行き、私はエレベーターに乗り込んだ――。　〈No.12〉

今日も、私は眠れない。　〈No.13〉

舞は、そのエレベーターが苦手だった。　〈No.14〉

十年前、ある貸別荘に泊まった。そこは、なぜだか不吉な予感を感じさせる、貸別荘だった。　〈No.15〉

夢の中に現れる“白い腕”。その“腕”に悩まされる友人を救ったものは――。　〈No.16〉

俺はある日、古本屋に出かけた。その店の本棚で、ある本が目を引いた――。　〈No.17〉

最近、なんだか妙に“蜘蛛の糸”が顔に引っかかる……。でも今はそんなこと、どうだっていい！ 急がなきゃ……先輩との“飲み”の約束があるんだっ――！　〈No.18〉

これは私の――“初恋”の話。　〈No.19〉

『トイレの花子さん』。超有名都市伝説の一つだ。……俺は昔、“花子さん”に会ったことがある――。　〈No.20〉

君の好きだった“花”を、今日も部屋に飾る。――毎日、毎日取り替える。なぜなら――。　〈No.21〉

深夜二時。俺は暗い部屋の中、一人机に向かっている。――机の下、何かが足に触れる。（またか……）。俺は、机の下を覗き込む。　〈No.22〉

しゅん君は空を見上げます。――今日も、雨がふっています。　〈No.23〉

三十年以上前の、ある夏の日のことだ。俺と友人のヨッチャンは、ある体験をした。　〈No.24〉

美容室にて、店員は語る。それはかつて体験した、心霊噺であった。　〈No.25〉

心霊噺に自信がある店員の元に、ある客がやってきた。　〈No.26〉

――彼女に、ずっと伝えられないことがある。それは――彼女にはいつも、“なにか”が憑いているということだ。　〈No.27〉

バイト帰り、深夜の町を一人、走る。前方からは、奇妙な鳴き声が――。　〈No.28〉

これは友達のEちゃんと、ある場所に買い物に行った時の話。　〈No.29〉

雨の降りしきる帰り道。目の前に、道路に覆いかぶさるような、大きな木の枝葉があった。　〈No.30〉

深夜、男が家路についていた。片手には――副流煙をくゆらせる、タバコがあった。　〈No.31〉

朝、本を読んでいて違和感を感じた。私の部屋では嗅ぐことのない“匂い”――。それは――。　〈No.32〉

これは、私が小学三年生の時のお話。強い雨の降る日、私たちは図書館の遊戯室で、“かくれんぼ”をしていました。　〈No.33〉

「“かけちゃいけない電話番号”って知ってるか？」弘毅はそういい、それに全部かけてみるといいだした。俺は「下らない」と思いつつ、協力してやることにした。そして、ある一つの電話番号を見つける。“XXXX-//

夜中、ふと目が覚めると、部屋は光で満ちていた。　〈No.35〉

ある梅雨の日。部屋はやたらと湿っぽく、息苦しかった。　〈No.36〉

「……“合わせ鏡”って、知ってる？」彼女はそう言うと、僕の正面に座った。　〈No.37〉

「“妖刀”を実際に手にとって、ご覧になったことはありますかな？」――彼はそう言って、自分の家に私を招いた。　〈No.38〉

これは、私が見た“夢”についての話。　〈No.39〉

新しい部屋に引っ越してきた俺は、片付けもそこそこにベッドに入っていた。しかし――。　〈No.40〉

部屋を訪れた親友に、俺は聞いた。「……なんか“やっておきたい事”って、あるか？」　〈No.41〉

九時から始まる、一限目の講義。――ヤツは、遅れてやってきた。その、驚愕の理由とは――⁉︎　〈No.42〉

『今ヒマー？』俺はLINEで、マミコにメッセージを送った。　〈No.43〉

「なぁ。“命豆腐”、って知ってるか？」――全ては、友人のその一言から始まった。　〈No.44〉

教室には、“トラウマ”について語る二人の女生徒がいた。　〈No.45〉

公園には、“自動販売機”にまつわる話をしている、二人の男がいた。　〈No.46〉

引っ越してきたマンションの一室。ある日帰ってくると、玄関前に、一人の女の子が――。　〈No.47〉

『THE ROCKETS』。それが俺たちのバンド名だ。――突然だが、俺たちは今日。解散の危機を迎えていたんだ。　〈No.48〉

暗い病室。身体が動かない。――胸の上には、女が乗っかっている。「――ワタシ……ハ…………」　〈No.49〉

私がアルバイトをしている居酒屋には、店員間では“個室さん”と呼ばれている、常連さんがいます。　〈No.50〉

二泊三日で出かけた家族旅行。――その三日目。部屋を出ようとしたその時、妻が言った。「……こどもがいない……」　〈No.51〉

私が十七歳の時、母は亡くなった。――三年後。母の遺品である化粧台は、私が使っていた。　〈No.52〉

俺たち四人は、肝試しをするために“沈樹の森”に向かった。――そこは別名、“神隠しの森”と呼ばれている場所だった。　〈No.53〉

もし幽霊を見てしまったら、あなたならどうする？ ――叫ぶ？ 逃げる？ 慄く？ 見なかったことにする？ ――私が初めてそれを見た時、とった行動。それは――　〈No.54〉

あるところに、今年で五才になるタカシくんという男の子がいました。――これはタカシくんの、初めての“おるすばん”のお話です。　〈No.55〉

……私は、生まれつき“霊”が見える体質でした。……そして、私にはもう一つ。ただ見るだけでない、能力がありました。　〈No.56〉

「あれっ……？ なんか雰囲気変わった？」「……わかる？」――そう！ こちらの女性、先日“性格整形”手術を受けたのです！　〈No.57〉

ある山に、旅人が足を踏み入れた。……そこで出会った山のおばあさんは、旅人にこう言った。「この森にゃぁ夜になると、“妖怪”が出るぞ」――。　〈No.58〉

大学の友人たち五人で、旅行に行った帰りだった。車を運転していた友人、ナオキが、突然叫んだ。「……オイッ！ なんだアレッ‼︎」――それは、森の中に突然現れた。　〈No.59〉

初めて彼女を家に呼び、二人で飲んでいた。――そんな時、彼女がふと、言った。「私ね、“隙 間恐怖症”なの」　〈No.60〉

「そういえばね。昔、こんなことがあったよ」――十一月の雨を見て、思い出した。　〈No.61〉

これはフリーライターである私が、ある陶芸家“A”を取材しに行った時の体験談だ。　〈No.62〉

ある廃病院に、高校生四人のグループが肝試しをする為に忍び込んだ。　〈No.63〉

「“幽霊の声”って、聞いたことあるかい？」「……イヤ。ねぇわ」――「早速ググろう」　〈No.64〉

某県のある町に、交通事故発生率の異様に高い交差点があった――。　〈No.65〉

真は、左隣に座る――付き合ってちょうど二年になる彼女――愛生の両太腿の上に、ゆっくりと自らの頭を乗せ、横を向いたまま寝そべった。　〈No.66〉

季節は夏。その日私は姉と一緒に、録画した“ホラー番組”を見ていた。　〈No.67〉

僕のバイト先には、“黒木さん”という先輩がいる。この人が――かなりの強者だ。ある日僕は、黒木さんの家に上がらせてもらう機会を得た。　〈No.68〉

「まずはこれを見てほしい」。そう言って、友人は一枚の写真を差し出した。――それには、奇妙なモノが写り込んでいた。　〈No.69〉

深夜零時過ぎ。私は友人Kと一緒に、地元の心霊スポットである“線路下の地下道”に向かっていた。　〈No.70〉

五歳で亡くなった息子の命日に、母は不思議な音を聞いた。　〈No.71〉

俺の生まれた町には、“お化け映画館”って呼ばれる映画館がある。　〈No.72〉

十九歳の時、車の運転免許を取った。――免許をとってすぐのこと。ドライブがてら、父に運転の指南を乞うことにした。　〈No.73〉

小学生の時、T君という友人がいた。彼の家に、初めて遊びに行った時のこと。「階段の四段目は踏まないでね」。――彼は、そう言った。　〈No.74〉

T君の家で、「“かくれんぼ”をしよう」となった時の話。　〈No.75〉

CとDが、蚊を見つけた。　〈No.76〉

Bさんはある日、とあるライブハウスに出かけた。友人がギタリストとして所属しているロックバンドの、ライブを観る為だ。　〈No.77〉

最近、俺の周りで不思議なことがよく起こる。　〈No.78〉

最近、妙なものを見た。大学の教室、友人三人で話している時のことだ。　〈No.79〉

ドッペルゲンガー。それは、自分と全く同じ姿をした分身がこの世に現れてしまう現象。――もう一人の自分を見てしまった人間は、“死ぬ”。　〈No.80〉

「私ね、“すっごい守護霊”が憑いてるらしいんですよ」。仕事帰りの飲み会の席。隣に座ったNさんは、そう話しかけてきた。　〈No.81〉

腰痛に悩むJさんが急な腰痛に耐え兼ねて、整形外科に行った。　〈No.82〉

俺の家は去年まで、犬を飼っていた。オスのチワワで、名前はリク。　〈No.83〉

遠くの方から、音が聞こえて来る。――それは、南の方からやってきた。　〈No.84〉

「友達から聞いた話なんだけどさ……」そう言って、Lは話し始めた。　〈No.85〉

始めての一人暮らしを、あるアパートで始めた時の話。　〈No.86〉

夏。急な夕立――今風に言えば“ゲリラ豪雨”に襲われて、営業周りで外に出ていた俺は雨宿りを余儀無くされた。　〈No.87〉

私が高校二年生の時。美術の授業で、写生をすることになった。　〈No.88〉

私が小学校に上がるくらいの頃。家族旅行に行った先で、あるお寺に寄った。お堂の暗がりの奥には、閻魔様の坐像があった。　〈No.89〉

私は全寮制の女子高に通っていました。その帰り道、公園の前を通っていた時のことです。　〈No.90〉

夏の終わりの頃だった。Nさんは煙草を吸おうと、ベランダに出た。　〈No.91〉

五年前、私が二十歳になった年の夏。久しぶりに、母方の田舎を訪れた。　〈No.92〉

中学の時。家庭科の授業で、調理実習をすることになった。　〈No.93〉

「ねぇ、紗子」「なぁに。母さん」――雑誌に目を落としていた私は、後ろから聞こえた声に返事をした。　〈No.94〉

高校の時のクラスメイト、Sについての話だ。　〈No.95〉

娘が五才の頃の話。通わせていた幼稚園の遠足を明日に控えた、秋の日の午後だった。　〈No.96〉

Rの住む街にやってきた俺は電車を降りるなり、Rに言った。「なんか……臭わないか」　〈No.97〉

絵を描くのが好きだった、祖父についての話。　〈No.98〉

兄が、交通事故で死んだ。　〈No.99〉