短編集

あなたの知っている赤い色の花はなんですか。 これは、ある日少女が見た夢の話。

これは、ある一人の女性『私』の人生にまつわる、いわし雲の話。

　残暑の候、その日先輩はＵＭＡになった。

　遠くから眺めているだけで良かったはずの、あずき色のジャージを着た彼。その彼が突然話しかけてきた。その日わたしは宇治金時を描いた。 　本日は晴天なり。 　※個人ブログに掲載しているものに加筆したもの//

　田舎にある祖父母の家で昼寝から目覚めたら、キジがお腹の上にいました。いい声のキジは人の言葉をしゃべり、わたしに求婚するそうです。

「僕はインキュバスなのですが、あなたの精気に一目ぼれしました」 　そう告白されてお付き合いすることになったのは、変なところで律義で、涙もろいインキュバスだった。お付き合いしてから判明したインキュバスの//

　とある場所の行列で、最後尾だった男と新しく最後尾になった男の会話。 ※個人ブログからの転載

　「や、しにがみです」とおっさんは言った。女の子はただ、ただ、驚いた。

　消えゆく彼女の体。そんな彼女の体を抱いて、涙を流す彼。わたしは、わたしも、悲しみながら、けれど、彼女に腹立たしさを感じていた。 　※ファンタジーにおける悲恋について思うこと。

　その日、いつもとは違う道を歩いた冴子は財布を拾った。届けた交番で言われたことに、拾った財布の見返りって本当に存在したんだなあと思ったその翌日、財布は思いがけない形で冴子の前に姿を現すのだった。ああか//

それが現れたのは、ひどい熱が内側からわたしを食らおうとした日だった。