- あらすじ
- 姉の名前で座る椅子には、もう慣れたはずだった。 髪の色も瞳の色も同じ姉妹だから、十五回、誰にも気づかれなかった。 十六人目だけが、たった三分で見抜いた。
リゼットはレストル王国の伯爵家の次女。 社交デビューすら許されないまま、見合い嫌いの姉に代わって別人のふりを続けてきた。 声を真似て、仕草を真似て、自分の名前を捨てて座る席に、疑問を持つことすらやめていた。
けれど十六人目の相手は怒りもせず、追及もせず、ただこう言った。 あなた自身の話を聞かせてください、と。
その日から歯車が狂い始める。 父には「姿を消せ」と追い出され、頼る先もないまま、リゼットは見抜いた本人のいる異国の図書館へ向かう。
与えられたのは、小さな部屋の鍵と、臨時補佐という肩書き。 姉のために暗記した知識が、ここでは自分の名前で必要とされる。
ただ、あの人が差し出すものの理由が、まだわからない。 優しさなのか、義務なのか、それとも別の何かなのか。
報告書の期限は三十日。 あの人がそこに何を書くかで、姉の縁談も、父の体面も、すべてが変わる。
そして自分の名前を呼ばれるたびに、胸の奥で小さく軋む音の正体を、リゼットはまだ知らない。 - Nコード
- N9322LW
- 作者名
- 月雅
- キーワード
- 女主人公 ハッピーエンド 異世界恋愛 西洋風 貴族 身代わり ざまぁ 成り上がり じれじれ
- ジャンル
- 異世界〔恋愛〕
- 掲載日
- 2026年 03月09日 17時14分
- 最終掲載日
- 2026年 03月09日 17時15分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 19件
- 総合評価
- 194pt
- 評価ポイント
- 156pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 31,880文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お姉様の代わりに十五回お見合いに出た妹ですが、十六人目だけが私の名前を呼びました
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N0867LX|
作品情報|
完結済(全10エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
「子供の世話しかできない女は不要だ」 婚約破棄と同時にそう言い捨てられたリーネは、伯爵家を追われた。 手元に残ったのは着の身着のままの荷物と、どこの孤児院でもたらい回しにされた五歳の子供だけだった。
その子は、魔力が暴//
N9713LW|
作品情報|
完結済(全10エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
取り柄なしと告げられた日から、自分の価値を信じたことがない。
傾いた塔を見た瞬間、指が動いた。 基礎の沈下、梁の歪み、壁のひび。 前世で何百棟も診てきた体が、この世界でも勝手に建物を読んでしまう。
実家で取り柄なしと//
N9322LW|
作品情報|
完結済(全10エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
姉の名前で座る椅子には、もう慣れたはずだった。 髪の色も瞳の色も同じ姉妹だから、十五回、誰にも気づかれなかった。 十六人目だけが、たった三分で見抜いた。
リゼットはレストル王国の伯爵家の次女。 社交デビューすら許されな//
N7495LW|
作品情報|
完結済(全10エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
五年間、城の鐘楼でひとりきり鐘を撞き続けた。 朝六時。正午。夕方六時。一日も休まず、五千回以上。
ある日、財務管理官に告げられた。 鐘撞きの人件費は自動鐘の導入費用の三年分に相当する。この数字を覆す根拠はあるか。 なか//
N6794LW|
作品情報|
完結済(全10エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
三千百十二回、治癒を施した。感謝の言葉が返ってきたのは、たった八回。
十年間、王国唯一の治癒の力を持つエルザは求められるままに人を治し続けてきた。代価として自分の身体が壊れていくことを、誰も知らなかった。知ろうともしな//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。