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灯台下暗し

短編
あらすじ

 ある一家の父親が、最近、パソコンを購入した。パソコンが古くなって重くなったので、新しく買い替えた。妻と子供も、このパソコンを共用する。あまりパソコンに詳しくないが、セキュリティソフトを入れて、インターネットを使えるようにした。最近は便利な時代で、口座管理もインターネットを使って行うことができる。
 でもあるとき、身に覚えのない支払いが出ていることに気がついた。何だろう、こんな物買ったかな、と思いつつ、詳しく確認はしていなかったのだが、月が変わるごとに、不審な支払いが増えていった。父親が使っている電子マネーは、彼しか使わないので、家族の他の人間が使うことはない。妻は昔、IT企業に勤めていたことがあって、こういうことにも詳しい。それで聞いてみたが、わからない、電子マネーの運営会社に聞いてみた方がいいかもしれない、と言われた。
 言われた通り、運営会社に連絡してみると、身に覚えが無いなら、誰かに悪用されている可能性があるから、使用を中止した方が良い、ということだった。
 それで、電子マネーの使用は止めて、現金を使用するようにした。すると今度は、口座から直接、お金が引き出されるようになった。銀行に連絡し、誰がお金を引き落としているのか、確認してもらった。月に働いてもらう給料の半分が、引き出されていた。
 子供はいつもゲームをしていて、妻は家事をしている。でも、今の状態じゃ、金が全部無くなってしまう。
 銀行に調べてもらうと、どうやら、海外から、引き落とされているらしいことがわかった。その口座も閉めて、違う口座を使うことにした。
 この1月で、銀行とかに関する書類が山のようにたまった。世の中には、お金を不正に盗まれている人が数多くいるらしかった。口座を変えたら、しばらく、不審な引き落としは無くなった。でも、ある時から、また、お金が引き出されるようになった。父親はもう、銀行を使うのは止めて、全部、家のタンスの中に現金を入れておくことにした。銀行も電子マネーも、使えたもんじゃない。現金を置いて、毎日のように、札束の数を数えた。自分のお金を盗んでいた奴は誰なのか、知る由もない。だが、現金にしてしまえば、盗まれることはない。
 そう思って、毎日札束を数えていたけど、それも止めた。ここに置いておけば盗まれることは無いだろう。
Nコード
N8203LL
作者名
ちくわドーナツ
キーワード
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ジャンル
ヒューマンドラマ〔文芸〕
掲載日
2025年 12月07日 12時26分
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文字数
1,562文字
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