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3機

短編
あらすじ
 死んだら終わり。それが嘘だって、僕は知ってる。

 僕は2度、死んだことがある。1回目は空で死んだ。乗っていた飛行機がエンジントラブルで操縦を失い、海に墜落した。
 2回目は森だ。森の中で絵を描いていた。木の絵。とても大きい木があって、それを絵にしていた。そうしていたら、描いていた木に登りたくなった。木の枝に足をかけて登り、木の頂上まで登った。しばらくして下りようとしたら、木の枝を踏み損ねて落下した。落ち方が良くなくて、頭から落下し、地面にぶつかり死んだ。
 僕は3回目の人生を生きている。まだ死んでいない。1回目も2回目も、あまり幸せな人生じゃなかった。だから今回は慎重に、怪我をしないように、飛行機に乗らないように気をつけている。3回目で死んだら終わりだ。生き返ることはない。人生、3機までだから。
 普通人生、1機だから、僕は恵まれている。でももう僕は普通の人と同じ。死んだら終わり。

「なのに・・・」
 僕は腹から血を流していた。僕はこんな死に方はしたくなかった。僕は妹に刺された。妹と僕は、仲が良かった。一緒にゲームをしたり、外で遊んだりする仲だった。でも昨日僕は、妹のゲーム機を壊してしまった。妹がはまっていて、1日に何時間もプレイしていたゲームデータも消えてしまった。
 妹の気持ちはわからない。僕はベッドの上で血を流している。3機目、終了。
 人生、うまくいかないものだ。3機あったのに、小学生のうちに死ぬとは思わなかった。

 死んだら、僕はどうなるんだろう。あの世は怖い場所かな。それとも素敵な場所かな。あぁ、救急車のサイレン音が聞こえる。でももう僕はわかっている。死ぬんだな、と、直感でわかる。
 何のために僕は生まれてきたのかな。何でこんな理由で死ぬのかな。まぁ、いいか。

「南―無―阿―弥―陀―仏―、・・・」
 お経が聞こえる。あれ、生き返った?何だか、箱の中にいるみたいだ。僕は身体を起こした。葬儀に参列している人たちがいた。妹もいた。皆、目を丸くしていた。
「お兄・・・ちゃん・・・?」妹は言う。
「あぁ、生き返ったみたいだ」僕は言う。


Nコード
N7577LQ
作者名
ちくわドーナツ
キーワード
キーワードが設定されていません
ジャンル
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
掲載日
2026年 01月17日 13時12分
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文字数
1,132文字
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