- あらすじ
- ※これは、「いつか、君を助けにくる」の登場人物、アルバートの物語です。お手数ですが「いつか、君を助けにくる」の本編を先にお読みになってからご覧ください。
――――――――――――――――――――――――――
『───アル、バートの言った通りに、すればよかった』
『ごめ……んね、アルバート……』
カレンの、最期の言葉。
それは、謝罪だった。
感情のままに、剣をふって。
いつしか、あれだけいた魔獣は全て、血だまりに伏していた。
絶望的な状況で生き残ったことも、アルバートの胸に何の感慨ももたらさなかった。
心にあるのは、ひとつだけ。
───誰も、救えなかった。
カレンも、レオも、ルイも。
父も。みんな、みんな。
あのとき、止めていれば。
友人達が魔獣の森にいくのをもっと強く止めていれば、避けられたはずだったのに。
尽きぬ後悔は、アルバートを掴んで離さない。
涙を零すことさえも、許さない。
だって。
自分なら、止められたはずだったのだから。
皆は、死ななくてよかったのだから。
責を負うべきは、自分だ。
母は哀しみを押し隠し、取り繕った笑みしか見せなくなった。
魔獣の森に行かず、友人を失ったルナサの心は壊れ、一言も喋らなくなった。
そして、アルバートは。
友達の最期を看取り、ただひとり生還したアルバートは。
もう誰も、こんな思いをすることがないように。
傷付くのは、自分だけでいいように。
───ひたすらに、強さを求めた。
これは、大切な者達を亡くした少年の物語。
なくしてなお、この哀しみを誰にも味わわせないようにするために、強さを求める少年の───
───アルバート・カールトンの物語。 - Nコード
- N4357FR
- シリーズ
- いつか、君を助けにくる。
- 作者名
- 璃依
- キーワード
- 恋愛 戦闘 男主人公 「いつか、君を 助けにくる」の 番外編
- ジャンル
- 異世界〔恋愛〕
- 掲載日
- 2019年 08月09日 21時01分
- 最新掲載日
- 2019年 08月10日 18時52分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 2件
- 総合評価
- 4pt
- 評価ポイント
- 0pt
- 感想受付
- 受け付ける
- レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 2,912文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
次は、助けてみせるから。
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品
N5774GR|
作品情報|
短編|
異世界〔恋愛〕
「いつか、君を助けにくる」のクリスマス番外編。
N7807GM|
作品情報|
短編|
詩〔その他〕
ちいさな箱の中の、ささやかな夜。
N5189GG|
作品情報|
連載(全8エピソード)
|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
「これは、時雨刀という。――時を斬るための剣だ」
物を斬れない剣、時雨刀。その剣が斬れる唯一のものは、『時の歪み』だった。
時雨刀を扱えるのはただひとり、時の調整者のみ。
――これは、さまざまな思いを抱えた人々と。//
N0648FX|
作品情報|
短編|
現実世界〔恋愛〕
主人公である辻遥花は、中学二年生のときに転入してきた片瀬湊にひそかに恋心を抱いていた。
しかし、卒業して別々の高校に入学した後、湊からはメールも電話も来なくなってしまう。
葛藤、そして再出発の物語。
N6210FP|
作品情報|
連載(全141エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
ローランド国では、銀髪青瞳の者は《穢れた者》と呼ばれ、災いの象徴として忌避されている。
そんなこの国には、ある忌むべき慣習がある。
《穢れた者》達の身に世の穢れを宿らせ、二十歳を過ぎると海に沈めるのだ。
「ステラ…待っ//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。