- あらすじ
- 「飼えないから殺すのよ。他に理由はないわ」
そう言って母は、わたしが見ている前で、わたしにも良くわかるようにゲージに入れた子猫をゲージごと川に沈めた。
子猫は最初必死にニャイニャイと鳴き喚いていたが、やがてゲホッと咳き込んで、その後は声が聞こえなくなった。
わたしが三歳くらいのときのことだ。
「やってみると結構大変なのね。手が痺れたわ」
母は子猫の入ったゲージを回収する気はないようで、あらかじめ用意しておいた大きめの石をいくつかゲージの上に載せて、それが浮かび上がらないように細工をした。
次に大雨が降って水位や水の流れが変わるまで、重石を載せられたゲージはその場に沈み続けているかもしれない。
子猫の腐乱死体とともに……
何が起こったのかよくわからず、びっくりしているわたしの手を取ると母は帰路に着いた。
川から歩いて五分ほどの安アパートまでの比較的良く歩く道だった。
- Nコード
- N2147HT
- 作者名
- り(PN)
- キーワード
- キーワードが設定されていません
- ジャンル
- 純文学〔文芸〕
- 掲載日
- 2022年 07月23日 16時29分
- 最終掲載日
- 2022年 08月05日 10時11分
- 感想
- 0件
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- 総合評価
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- 26,166文字
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ボストンバッグはやがて地面に落下する
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