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9トラブル

9 トラブル


錬金ギルドを出て

ラムと俺は最初に製作ギルドに向かっているが


「えへへへへっ!」

ラムが尻尾をフリフリしてご機嫌に地面を

足で確かめるようにして、歩いている!


「なんだ?なんか良い事でもあったのか?」


「いやー、だってアタイは一週間も

生死をさ迷ってたんだよ!

うれしいに決まってるじゃん!」


「一週間も?」


「なんだ?知らなかったの?

この町の南にある海洋貿易都市の近くの

ダンジョンで怪我して、

この町に運ばれてきたんだよ!

あの地下室で、ばあちゃんに何とか

死なないようにして貰って、

もうギリギリ生きてたって感じでさ!」


「そうだったんだ・・・」


「うん・・・アタイ薄っすらとだけど、

覚えてるんだ!

ばあちゃんが何度もアタイを治す

ポーション作っては失敗してたの・・・」


「失敗?あのギルマスが?」


「うん!何度も叫んでたもん!


あー!また失敗かいって・・・」


俺はそれを聞いて、

なぜギルマスがあんなに見ず知らずの

俺を助け、上げ膳据え膳

でメシを食わせてくれ、

仕事に寝る所を用意してくれたのかが

やっと理解できた。


(そういえば、

あれはSランクの材料に特殊な方法で

作るって言ってたもんな・・・)

と昨夜、言われた事を思い出していた。



「じゃあ、あれだな!

俺もラムもギルマスに助けられたな!」


「えへへっ!だね!」





「着いたよ!」

「ここか!」



カン!カン!カン!


キーン!キーン!キーン!


レンガでできた倉庫の中から

木槌で釘を打ち込んでいく音と

ハンマーで金属を叩く音が響いてくる。


俺たちは事務所らしき方へと進み

入り口から中を覗くが

「暗いな!」

「だれもいないね!」

「これ見えてんの?」

「アタイ夜行性の獣人だから」

「そうだった!」

「叫んでみたら?」



「すいませーん!

錬金ギルドからポーションの

納品に来ました者ですが~!」

と俺が叫んでみると


ガタッ!


奥の方から何かが近づいてくる。


「だれだ?」

暗がりの中の人物らしき人が声をかけて来た。


「錬金ギルドのタダシと言います。

ポーションの納品に来ました。」


「納品?そうか!もう一月たったのか!」


パチンっ!

と部屋のスイッチのような音がして


パっ!と部屋が明るくなった。


そして、そのスイッチを入れた声の主は


ドール・マシーン(387)レベル129

ドワーフ ホッパー支部 製作ギルド長

HP1690/1690

MP2000/2000


スキル

槌技 火魔法 風魔法 土魔法 鍛造 鋳造 木工

 鑑定眼など


レアスキル

付与師



と集中してしまったせいか、

ドールさんを勝手に鑑定してしまった。


すると


ブルっ!

(・・・しまった、鑑定されてる・・・)


「チっ!隠匿してんのかよ!

でっ・・・お前は?」


「あっ!そうか!すいません!」

と魔力を貯める(隠匿効果有)指輪を外し、誤ると


(うおっ!寒気が・・・)


「なんだ?

ホントにトシコさんのトコの職員じゃねえか!

そっちが奴隷の子か?」


「アタイはラムだよ!宜しくな!」

「ふーん!」


錬金ギルド職員になってからの

俺のステータスはこうなった。



セキネ・タダシ(35)オス レベル1

ハイヒューマン

ホッパー支部 錬金ギルド職員


HP150/150

MP100/100


スキル

鑑定眼 空間魔法

ポーション(どんなポーションもMP消費なしに作れる)




「あっ!ところで、商品はどちらに納めますか?」

と俺お得意の営業スマイルで聞くと


「そこのカウンターだ!

それより、ホントにあの人の弟子なんだな?

その少し前にお前と同じ錬金ギルに務めてた奴が

作った指輪をしてるって事はよ!」


とドールさんが再度、

俺が付け直している指輪を見て、そう言った。


「え、え~そうですよ!前の方って?・・・」

「そうだなあぁ・・・100年前位かな?

あいつが働いてたのは?

ほら、そこの地下水くみ上げるポンプ!

それも奴のアイデアだ!」


と事務所の横を見に行くと


確かに井戸にポンプが付いている。


(俺と一緒の世界から来たのかな?)

と思っていると


「じゃあ、ご主人様!

アタイは冒険者ギルドに行ってくるよ!

夕方まで自由にしていいんだろ?」


「あぁ、気をつけてな!

怪我したら、俺があげたポーションを使うんだぞ!

市販のじゃなくて!」


「わかってるって!」


とラムは行って行ってしまった。



俺とラムのやり取りを見ていたドールさんが


「随分、奴隷に優しいんだな・・・」


「いえ、・・・えー、まあ、・・・」

と俺が照れくさそうに返事をすると


ドールさんが

「よし!見てくか?」

と俺の服を引っ張って、工場へと進んでいく。



「えッ?い、いや・・・なんです?」


「大丈夫!大丈夫だから!」


「いや、何が?何が大丈夫なんです?」


「いいから!大丈夫だ!気にするな!」


「えッ?ちょっ!は、離して~!ち、力強いな!」

と俺が強引に工場の中へと連れ込まれた。


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