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迷宮探索紀行 ~世界一の高層ビルが鬼畜ダンジョンになったらカオスすぎた~  作者: 結城 からく


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第23話 残された課題

 俺とミアナは、手分けして眼帯女の遺品を外して奪った。

 指輪や腕輪、ネックレスなどが主だ。

 いずれも魔術的な効果があるそうで、ミアナにとって必要らしい。

 戦力アップに繋がるのなら大歓迎であった。


 死体はベランダから投げ落とした。

 迷宮内では、死体がゾンビになることがあるからだ。

 通常は無視できる程度の確率だそうだが、魔術師の死体は特に影響を受けやすいという。


 ただのゾンビなら簡単に処理できる。

 しかし、魔術師のゾンビは生前の能力を暴走させるらしい。

 後々になって再戦するリスクを考えれば、屋外に捨てるのが一番だろう。

 あのレーザーに焼かれるのはもう遠慮したい。


 俺は休憩していた部屋まで戻ると、そこで一連の経緯をミアナに説明する。

 それを聞いたミアナは、険しい顔で述べる。


「彼女を相手によく生きていたものだな……」


「勲章を貰ったがね。それより、あの眼帯ガールと知り合いなのかい?」


「知人、と呼ぶほど接点はない。同僚未満の存在だ」


 苦々しい様子で前置きしてから、ミアナは語り始める。


 なんでも眼帯女は、件の迷宮封印作戦に参加した一人らしい。

 雷魔術の達人であり、優秀な研究者としての側面もあったそうだ。


 総じてエリートな彼女だったが、ここ数年は危険人物として周知されていた。

 戦争によるストレスから快楽殺人に目覚めてしまったという。

 封印作戦に参加したのも、高額の報酬と魔物の虐殺が目当てだったとのことだ。

 彼女の膨大な魔力が作戦には不可欠と判断されたのである。


 そしてこの世界を巻き込む異常事態が発生した。

 元から狂いつつあった眼帯女の精神は決壊し、迷宮のモンスターと同類に成り果てた。

 こうして彼女はアースタワーを彷徨う異常者になったわけであった。


 俺が生き残れたのは幸運だろう。

 状況次第では瞬殺されていたに違いない。

 あの雷撃は脅威だ。

 生身の部分に直撃すれば終わっていた。

 機械部分の破損で済んで良かったと思うべきか。


(それにしても、どうするかね……)


 俺は右腕と腹と確認する。

 どちらも衣服を詰め物にして人工血液の漏出を抑えてあった。

 雷撃を受けて内部機構が故障しているため、まともに機能していない。


 今すぐ命に関わることではないものの、なるべく早めに修理したい。

 最も手っ取り早いのは、どこかで医療用の義体を見つけることだろう。

 部位ごとに保管されていれば最高だ。


 エレーベーター横の案内板では、ここから二つ下のフロアに医務室があると記載されていた。

 設備の整ったスイートルーム用なので期待できると思う。


 最悪、電化製品を分解して即席の修理部品にしてもいい。

 物資の乏しい戦場では何度も使ってきた手だ。

 急ごしらえの義体に頼るのはリスキーな上、ビジュアルが不格好になる。

 それでも贅沢は言っていられなかった。

 予備の策として、今のうちに準備しておきたい。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] さて、トニーとミアナが義体修理手段が有る部屋まで辿り着いて修理を済ませるまで、大したトラブルが起きなければ良いのですが…… ここ、鬼畜ダンジョンだからなぁ……。 それにしても、眼帯女…
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