プロローグ
どれだけ同時連載すれば気が済むんだろう。書きたいんだからしかたないよね。うん。
「勇者を殺して欲しいの!」
……へ?
「君だれ?てかここどこ?」
どこまでも白い空間に俺と少女が立っている。そして、黒髪の白いワンピースを着たごく普通の少女に物騒なことを言われた。
えーと、待てよ?勇者を殺してだったか。どこの世界に救世主を殺すやつがいるんだ?
「もう、ここに来た理由を忘れちゃうなんて、君馬鹿だね。しょうがないなぁ、私が特別に教えてあげる。君が交通事故で死んで、タイミングが丁度良かったから私がここに呼んだの。わかった?」
「はあ?」
わかるか。俺が死んだ?そんなこと信じられるかよ。実際俺がここにいるんだから生きてるっつの。ほら、記憶を探ったって死んだ記憶なんて……?
「……あれ、記憶が」
記憶が、無い。俺が死んだ記憶だけじゃねぇ。どこで暮らしたとかの記憶も何もかも、俺の生きた記憶が無い。あるのは俺が知ったであろう情報だけだ。
「ふふっ、ようやく気づいた?君のエピソード記憶は私が全部消しといたわよ。意味記憶まで消すと面倒だからさすがにそこまでは消さなかったけどね」
それを聞いた瞬間、俺の中で何かが膨れ上がるのを感じた。
「記憶を、戻してくれ」
俺は、俺が誰だったのかを知りたい。どうしてこんなに知りたいと思ったのかはわからない。
「勇者を殺し尽くしたら、考えてあげてもいいわよ」
ただ、無性に記憶を取り戻したい。そのためならば、なんだってしてやるよ。
「どうやって、殺せばいい?」
黒髪の少女は、ニヤリと不気味に微笑んだ。




