サンダードラゴン
お久しぶりの投稿です
不定期ではありますが、これからも投稿する予定です
エメラルドはモンスターを全てスルーして、なぜか7階層まで直行した。
俺は襲ってくるモンスターを倒しながら、息切れしながらもついていった。
「ちょ、どこまで行くの…?」
エメラルドは俺の口を抑え、「静かに!」と小声で言った。
耳を澄ますと『ザッザッ』と、大きな足音が聞こえてくる。
「ドラゴンだよ…安心して?ボクが倒すから、キミは周囲を警戒してて!」
エメラルドは折り畳み式の槍を手にしている。
二回ほどステッキのように左右に振ると槍は広がり、戦闘モードに入る。
軽々と岩へ、岩へと跳び移り、ドラゴンの背後に寄っていく。それはまるで優雅に舞う蝶のようだ。
(す、すごい…)
槍は徐々に青く光始め、力を込めているのが分かる。
よく口元を見ると彼女はぶつぶつと何かを言っている。
そしてついに、ドラゴンの首までたどり着いた。エメラルドは槍を握りしめ、振り下ろした。
大きく振った槍は首に命中した…が、なぜかドラゴンの首は切れるどころか、多少傷がついている程度だった。
エメラルドは着地してすぐ、弱々しく倒れた。
「く、くそ…今攻撃したじゃん!」
そう…このドラゴンは常に電気を帯びているサンダードラゴンだった。
俺もすぐさま詠唱を始め、電気で攻撃するも、その電気は軌道を変えて空中で消えてしまった。
「え?なんで?!」
すぐさま鑑定しようとするも、ドラゴンの口から何かが放たれようとしていることに気がつき、この場を離れざるを得なくなった。
「…こっちだ… こっちだっての!」
ドラゴンは振り向き、標的がエメラルドに変わる。
すぐさま電撃がエメラルドに当たるが、バリアを駆使して軽症だった。右手の中指にはめられた指輪が目立っている。
「お前たちを倒す。この国のために!」
エメラルドはなんとか立ち上がり、槍を持った。うつむいていても、ボロボロになっていても、戦おうとするその姿はまるで騎士のようだった。
エメラルドは再び走りだし、すかさず足を狙う、が、足に触れる直前で止めた。
耳を傾けるとバチバチと音が聞こえる。
「やっぱり触れるのはNGだよね。なら、エアーでやるのみ!」
エアーで槍を振り、足に触れることなく切れ込みを入れることができた。
「え?なんで?」
俺はよく分からないまま、その場を見ていることしかできなかった。
だが、ドラゴンにとっては致命的でもなく、怒りを買う結果になった。
ドラゴンはエメラルドを踏みつけにしようとした。エメラルドはもう一度バリアで防ごうと手をかざすも、なにもでなかった。代わりに指輪は壊れ、跡形もなく散った。
「え…そんな…」
そのとき、一人の男が現れた。
男はエメラルドを即座に抱き抱えて、見事な身体能力で攻撃をかわした。
「さすがだな、風魔法で真空を創って刃物にするとは…今はエメラルドと呼んでおこう。」
「「エディ!」」
「サンダードラゴンなら、剣を持ってきた意味がねぇな」
装備を整えたエディは大きな火柱を3つほど創り、ドラゴンを囲った。
それらをドラゴンに一斉に命中させて大きな炎になる。
そこに魔道具を投げつけるとドラゴンの悲鳴が鳴り響き、炎が消えると大きな魔石だけが残った。
俺たちはすぐさまエディのところに駆け寄る。
「助かったよー!今の何?!」
「ありがとうな!でも、なんでここに?」
「ああ、今のは火に当てると更なる高熱で燃え上がる魔道具だ。ここに来たのは…イヤな予感がしてな、このダンジョンからドラゴンが逃げ出したと情報が入って、何があったのか調査を…」
「え?!もう?!」
エメラルドは心当たりありげな声を出し、「行くよ!」と、二人の手をつかんで走り出した。
「急がないと…時間が!」
怪我をしているのにこれだけ必死に走るということは、何かしらの出来事が起こった としか俺には分からなかった。
森村の裏話
エメラルドの髪は腰まであるが…




