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願い
車を走らせていると突然フロントガラスに、ベタンと手形が付いた。
驚いていると、
べたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべた
と、無数の手形が付いた。
すぐさま路肩に車を停めた。心臓の鼓動が早まる。
手の大きさからして女性のようである。まるでボンネットの上に乗って、両手でフロントガラスを叩いているようだ。
気味が悪い。いったい何だというのだ。
すると、眼鏡に誰かが触れた。レンズが白くなる。
眼鏡を外すとレンズの外側だけでなく、内側にも指紋汚れのようなものが付いていた。
赤ちゃんを抱っこしたときにいたずらで眼鏡を触られたときのことを思い出した。
車内に何かいるのか…。
車内に異様なにおいが漂った…。
うんちだ。
私は全てを悟った。
お母さんと赤ちゃんの幽霊が私の車内でおむつを替えている。
きっと近くにおむつ替えスペースがなかったのだろう。
やがて臭いは消えた。
私はお母さんがおむつを持ち帰ってくれたであろうことを唯々願うばかりである




