サイドストーリー・始まり村の財務担当
ステラたちが世界を渡った時1人だけ力を失わなかった者がいる。
それは慈悲の悪魔。漆黒の狩人だ。
どこに行くまでもなく草原をルンルンと歩く漆黒の狩人。
しかし心はルンルンではないようだ。
漆黒の狩人はとても悩んでいた。それはもうすご~く悩んでいた。
朝から夜までず~っと悩み続けていた。その悩みとは
漆黒の狩人
「私…寂しいです…」
漆黒の狩人は孤独だった。
普通に人肌が恋しかったのだ。
漆黒の狩人は、転移させるのが得意な悪魔だ。
自分が転移するのは慈悲と対をなす悪魔。災禍の悪魔の力が必要になってくる。
というわけで、ファミリアと別れてしまった慈悲の悪魔はINFINITE ROADの仲間も呼べず、100年ぶりに戻ったルザードに知り合いもいなく、さみしい思いをしていた。
出来るかなと思ってワールド・テレポートと唱えてみた。
すると、目の前に世界を渡った門が再び現れた。
漆黒の狩人もこれにはびっくり。扉を開けるとINFINITE ROADの世界に戻ることが出来た。
漆黒の狩人
「あぁ!いいことを思いつきました!!」
漆黒の狩人はそう言ってとある場所へとテレポートを実行する。
古びた木製のドアを勢いよく開けて漆黒の狩人は声を高々に叫んだ。
漆黒の狩人
「ただいま!!」
中にいた者たちは驚愕の表情をしていた。
1人はいつものカウンターで受付をしている。
1人は新人と思われる冒険者に「そよ風の森には入るなと言っているだろう!」と叱っていた。
1人は雷のような武器を持ち、一人は体に風を纏っていた。その奥で祈りをささげる赤毛の女性も見えた。
また、元ハッピー・プディングのギルドマスター。ただ者ではない雰囲気を持つ釣り人。アジ助によく似たトビウオに、何故かいかだを持っている男。ファッションショップのオーナーとその店員。そして一番の存在感を放つのは。
この中で最も強く、最も早く、最も手練れであろう男。
ちんすこう
「何もんだ、てめぇ」
漆黒の狩人
「んふふ…」
一同を眺めて、漆黒の狩人は笑いこう言った。
漆黒の狩人
「ギルド、作りません?」




