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LOVE奪取  作者: AuThor
20/20

END

「ごめん、ばれた」

仁は目を瞑り言う。


「なんで私に何の報告もなく、2人を引き合わせたりしたの?」

冷夏は冷たい声を発す。


「・・・姉ちゃんに言えば、酷い方法で阻止しようとするだろ」


「だから私を騙して呼び出したってわけ?」

冷夏はため息をつく。


「ごめん」

仁は夜景を見続ける。


「謝って済む問題?」

冷夏はあきれた声で言う。


「・・・・・」

2人は長い時間沈黙する。


「私、失恋したの初めてなんだけど」

冷夏は壁にもたれかかり、夜空を見上げる。


「俺もだよ」


「あんたと私の失恋を一緒にしないで。私の人生でそんなことはありえないはずなのよ」


「失恋も初めてだけど、ビンタされたのも殴られたのも初めてだ」

仁は小さく笑う。


「私もあんたをボコボコに殴りたいわ」


仁は苦笑いを浮かべる。


「本当にあんたの甘さは、パパそっくりね」

冷夏はうんざりするように言う。


数時間後、冷夏は豪邸の一室に冴子とテーブルの席についていた。


「馬鹿じゃないの? 元カノ使うなんて」

冷夏は両肘をテーブルにつき、手で顔を覆う。


「あの子は、私にも頼んできたわよ。あなたにも頼んだんじゃないの?」

冴子は冷夏を見る。


「頼んできたわよ。でも、元カノ使うほど馬鹿だなんて想像もつかなかったわ」


「確実に手中に収めておきたければ協力すべきだったのよ」

冴子はグラスのワインを飲む。


「結果論でしょ?」


「私なら絶対に最後まで徹底的にやるわ」

冴子は不敵に笑む。


「・・・・・」

冷夏は顔を覆ったまま沈黙する。


「あ、秀一さんが帰ってきたわ」

秀一の帰宅に冴子が気付く。


「ただいま」

ドアを開く秀一。


「おかえりなさい」

冴子が微笑む。


「冷夏、どうした?」

冷夏が顔を覆っている後ろ姿を見て秀一は聞く。


「傷心中よ、そっとしといてあげて」

冴子が静かに伝える。


「そうか、俺にできることがあれば言ってくれ」

秀一はそう言い、奥の方へ歩いて行った。


「寝るわ」

冷夏は立ち上がり、ドアを開けて2階に上がっていく。


仁は冷夏が去っていった後もビルの屋上で夜景を見ていた。


そして、携帯電話を取り出し、番号を押す。


「もしもし? 波木です」

見慣れぬ番号からかかってきた電話に出た華の声がする。


「和村仁です。これを最後にお電話をすることもありませんし、お会いすることもありません。このたびは多大なる迷惑をかけてしまったお詫びとして、慰謝料の方を口座に振り込んでおきました」


「!?・・・いりません、そんなもの」


「いえ、本当に申し訳なく思っているので、せめてもの誠意です。ご家族のために使われてください」


慰謝料の相場を無視した信じられないような金額が口座に振り込まれていることをこのとき華はまだ知らない。


「華さん、最後に言いたいことがあって」

仁は夜空を見上げる。


「・・・何ですか?」


「俺は華さんに本気で恋してました。そして本当に幸せにしようと思っていました。そこに嘘偽りはなかったです」


「・・・・ごめんなさい」

華の声が聴こえる。


「・・・・いえ、俺の方こそ本当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」


2人は電話を切る。


仁は夜景を見る。


「いいなー。信じぬけるほど愛し合えるって」

仁はつぶやく。



翌日、華は陽太と雛と公園で遊んでいた。


何があっても信じあうことの大切さを改めて華と陽太は感じていた。


和村姉弟の誤算は、本当に愛し合っている者のパートナーを信じる力。


華と陽太は何でもない日常にこれ以上ない幸せを感じている。


「ママー、パパー、こっち来てー」

雛が元気よく飛び跳ねる。


華と陽太は互いに笑い合い、雛のもとへ歩いていく。


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