4話
OFUSE始めました。
https://ofuse.me/rukea
ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
https://twitter.com/rukeanote
歩いて250日目。漸く街道が見つかった。……馬車の大きさが変わっていなければ、幅は3台分と言った所だろう。大きな街道だな。という事は、それなりに交通量がある筈。
「右か左か。まあ、どっちでもいいか。村ならまた移動をすればいい。……責めて宿がある町に行きたいところではあるが」
どちらに行こうか迷っていたら、馬車の音だろうか。徐々にこちらに近づいてきている。結構な音がするという事は、相当急いでいるんだろう。もしかしたら、魔物に追われているかもしれない。
何故かは解らないが、240日目くらいから、一気に魔物の質が落ちた。どんどんと落ちて、今では雑魚しか出て来ない。それでも最下層の魔物よりはマシなんだけど。素材になったり、食べれたりする分だけマシである。
音のする方向に向かって行くと、馬車が凄い勢いで走ってきている。その後ろには狼型の魔物の群れが居た。……そういえば護衛を雇わなかったのか? 流石に無謀じゃないだろうか。
「助太刀する。そのまま走れ」
「旅の人か! 感謝する!」
馬車と並走していた狼の魔物を切り飛ばす。これでも剣には自信がある。適性はDしかないが、使い慣れているんだ。このくらいの魔物は余裕だ。
フォレストウルフか。切った感じで解る。そのくらいの強さでしかない。魔物としては下の中といった所だろう。初心者だと群れでいるから負けかねない。流石にタイマンで負けるなとは言いたいが。
追っていた馬車よりも、明確な敵を見つけたからだろう。残りの4体もこっちに集中してきた。……若い群れだな。統率が全然行き届いていない。もう少し連携が密になってくると、フォレストウルフと言えども、面倒な事になってくるんだが。
「まあ、遅いから関係ないんだが」
首を狙って切り飛ばす。同時に4体でも問題ない。……というか、飛び掛かるんじゃない。空中に自分から飛んでしまえば、回避も出来ないだろうに。経験が少なすぎるな。飛び掛かるのは明確に隙が出来る。強い個体はそんな事はやってこない。
「……ふう。とりあえずは何とかなったか。計5体のフォレストウルフか。まあ、素材にはなるな。牙は確保しておいて、後は毛皮と肉か。毛皮は剥いで、肉は処分するしかない」
そんな訳で、悠長に解体をしていた。直ぐに終わるし、放置するのも勿体ない。とりあえず処理は後でするとして、マジックバッグに入れておけば解決だからな。肉は腐るから放置だ。まだどのくらい歩かないといけないかが解らないし。
3体目の解体をしていた時、馬車の音が聞こえた。……逃げた馬車が帰って来たのか? 追われなくなったからと言って、帰ってくるのは早計だとは思うが。
「やあ、ありがとう! 助かったよ」
「礼を言う前に警告だ。逃げ果せたなら戻ってくるな。儂が負けていたらどうするつもりだ?」
「っう。ま、まあ、勝っていたんだから良いじゃないか。それよりも、駆け付けてくれたんだろう? どっちに行こうとしていたんだい?」
「……強いて言うのであれば、どっちでも良かった。大きな町があればそれでよかったんだが……」
「じゃあ僕の行く方向と同じさ。なんてったってこっちに行けばデクレバレンツ辺境伯領領都、クレバートンなんだからね」
領都があっちの方向にあるのか。それなら領都に行くしかないだろう。情報を聞くのはそれからで良い。……何処かに情報屋が居るかもしれないし。まあ、まずはこの男から情報を吸い出さないといけない訳なんだけどな。
ただ、何でこいつは帰ってきたんだ? 普通なら逃げて追いかけて来ない所まで全力の筈だ。何で止まったんだ? ……ああ、解った。解ってしまった。そう言う事か。
「そう言えば、護衛はどうしたんだ?」
「そう! 酷いと思わないかい!? フォレストウルフが5体って見えた瞬間に逃げたんだよ!? これは冒険者ギルドに抗議しないといけない案件だよ!」
ほう。冒険者ギルド。ファンタジー世界らしいじゃないか。そういう組織があるって事か。国営か世界組織かでまた変わってきそうだけど。とりあえず、話を合わせつつ情報収集だ。
「逃げると言ってもフォレストウルフだろう? この辺では当たり前の様に出るじゃないか」
「そうなんだよ。それなのに2人しか居なかったからさ。でも、Cランク冒険者だったんだ。Cランクって事は、フォレストウルフなんて簡単に倒せると思ったんだよ。……結果は逃げたんだけどね」
「冒険者には明るくないからな。むしろ今から登録しに行く所だった。Cランク冒険者がどのくらい強いのかは、ちょっと解らない」
「冒険者じゃないの!? そんなに強いのに。むしろ勿体ないんじゃない? 今まで討伐報酬も貰っていなかったって事?」
「辺境で暮らしていてな。フォレストウルフは大事な食材だった。だからこうやって解体している」
「へえ。珍しいね。……あれ? もしかして、エルフ?」
「そうだが? まあ、珍しいとは思うが、気にするな。エルフ的な事情で辺境暮らし。漸く出てきて、今ここだ」
「あー。多分だけど、隠れ里がまだあるんだろうね。偶に聞くからね。森で迷ったらエルフが助けてくれたとか」
ほう。エルフは絶滅していないという情報が解っただけでも収穫だな。……昔、都市を出ていったエルフたちが組織した隠れ里があるんだろうか。それともまた別の系譜のエルフか? その辺は流石に解らないか。
「歳も歳だし、そろそろ色々と挑戦してみようとな。こうやって出てきた訳だ。……で、ものは相談なんだが、フォレストウルフの肉を買わないか? 流石に毛皮なんかは冒険者ギルドに持ち込んだ方が良いんじゃないかと思っていたんだが」
「肉も毛皮も買い取るよ! 冒険者ギルドは基本的に討伐報酬しか出ないし。毛皮や肉は肉屋に卸すんだよ。もちろん自分で交渉だ。だから討伐証明として鼻だけあれば良いんだよ」
「そうなのか? 牙は必要ないのか?」
「牙は要らないかな。大して使い道も無いし」
何故だ? フォレストウルフで一番価値があるのは魔石だ。その次が牙だ。それが要らない? 鉄よりも硬いから、鏃やナイフに加工する事も出来るし、何なら錬金術で素材になるんだがな。……魔法文明がかなり退化したか? あり得るな。
「それなら買い取って欲しい。魔石と牙はこっちが欲しいから売れないが」
「っぅ。魔石は無理かい?」
「自分で使うからな。倍の値段を提示されても売らないつもりだ」
「なら仕方が無いかあ。肉と毛皮がフォレストウルフ5体分で、225,000クリムかな」
「すまん。通貨が解らない。教えて欲しい」
「あー。そうなんだ。お金はクリムって言うんだけど、1クリムが鉄貨1枚。100クリムが銅貨1枚。10,000クリムが銀貨1枚。1,000,000クリムが金貨1枚。100,000,000クリムが大金貨1枚。10,000,000,000クリムが白銀貨1枚。1,000,000,000,000クリムが大白銀貨1枚。まあ、平民は金貨までしか使わないし、金貨ですら滅多に使わない。大金貨を使うようになってくれば大商人。白銀貨を使うようになってくれば御用商人。大白銀貨を使う様なのは貴族や王族。だから平民は金貨までで十分」
「となると、今回は銀貨22枚と銅貨50枚という事か」
「そう言う事。普通の買い物は銅貨で良いんだよ。冒険者になると、多少は単価が上がるから、銀貨が必要になってくるけどね。冒険者はお金を持っているから」
なるほど。多少の金額は上がるが、生活するだけなら銀貨1枚でも十分という事か。それは良いな。エルフの貨幣は流石に使えないし、どうしたものかと思っていたんだが。……エルフの貨幣は木札である。信用するしかないという感じなんだよ。
銀貨22枚もあれば、当分は暮らしていけるな。冒険者になるのは良いけど、それよりもゆっくりと生活できるなら、その方が良いのは確かだし。楽して生活できるなら、それに越した事は無いからな。




