第84話 影鬼4
3日目、たけると鈴鹿、カメラマンは規制線の中の境内で影の出現を待つ。
その日は、影が現れない。
たけるは影が現れるまで待つつもりである。
4日目午後2時ごろ、境内の中央に影が現れる。
黒い丸い影で直径は2メートル位ある。
影を作っている対象物はない。
たけるは、呪われた刀の名を心の中でつぶやく
「来い、羽左衛門ノ贄ノ夜叉」
虚空から護符に包まれた鞘に収まった刀が虚空から浮かびあがる。
彼が刀と手に取ると電気が走るようにしびれる。
それでもかまわず、刀を鞘から抜く。
彼の心が鬼への憎しみに満たされる。
鈴鹿も虚空から大通連を出している。
2人は刀を持ち影の近くに立つ。
まだ、鬼の気配はない。
カメラマンは離れたところから撮影している。
影に変化は起きない。
2人は、襲ってくる瞬間を待ち続ける。
2時間ほどすると、2人は鬼気を感じる。
影から大きな手が出て、たけるの足を掴みに来る。
たけるは刀を振るい、手首から手を切り飛ばす。
しかし影から出てきた手は1本だけではない。
鈴鹿に向かって、大きな手が足を掴みに来る。
彼女はたけるに気を取られ反応が遅れる。
大通連を振るうが手首を刺すだけに終わる。
手は鈴鹿の足を掴み、影の中に引きずり込む。
たけるは鈴鹿を捕まえようとするが間に合わない。
「鈴鹿、助けるぞ。」
たけるは影の上に立ち独り言を言う。
影に引きずり込まれた鈴鹿は、鬼に右腕を引きちぎられる。
影の中は黒い空間が広がっている。
暗いはずだが、鬼の姿ははっきり見える。
鬼は鈴鹿の右腕の肉を食いちぎり咀嚼する。
鬼は鈴鹿の肉を飲み込む。
すると鬼は苦しみだし、痙攣する。
鈴鹿は、その隙に右腕を取り戻す。
右腕を傷口につけると、右腕は付き、食いちぎられた部分が再生しだす。
鬼は泡を吹き、痙攣している。
鈴鹿は鬼の心臓を大通連で貫いてとどめを刺す。




