第80話 紅葉復活
上条村を管轄する下条警察署は、紅葉の遺体を証拠品として保管している。
署員からは紅葉の遺体は気味悪がられている。
腐らないばかりか、遺体が動くところを見た者は1人や2人ではない。
紅葉の遺体は証拠品の倉庫に置かれている。
誰もいない倉庫の中から
「ガリガリガリガリ…」
音が続いている。
紅葉の両手が腕を入れてあるケースをひっかき削っているのである。
両腕はとうとうケースから外に出る。
腕は倉庫の中をはいずっていき、胴体の入っているケースにたどり着く。
両腕は再びケースをひっかき始める
「ガリガリガリガリ…」
音が続く。
腕はケースに穴が開くとケースの中に入る。
両腕は胴体に傷口をつけると元通りになる。
胴体は両腕でケースを押し開け外の出る。
胴体はズルズル倉庫の中をはいずり、足の入っているケースにたどり着く。
胴体は右足をケースから出し、次に左足をケースから出す。
胴体は両足を傷口に着けると元通りになる。
体は最後に頭が入っているケースの所へ行く。
頭を取り出すと首に着け傷口がふさがる。
紅葉は復活すると
「あの者たちをどうしてくれよう。」
と独り言を言う。
彼女は油断したとはいえ、首をはねられ、両手足を切断され、このような仕打ちを受けたのだ。
ただ、殺すだけでは汚辱をそそげないのである。
紅葉は全裸のまま証拠品倉庫から出る。
倉庫にはカギがかかっていたが、彼女にとってはかかっていないに等しい。
居合わせた警察官が全裸の紅葉を見て固まる。
しかしそれは、死に直結する。
紅葉は目の前にいる人間たちを手当たり次第に殺していく。
警察署が血の海になるのに時間はかからない。
紅葉は警察官の制服を着ると外に出て道路を走ってくるタクシーを止める。
タクシー運転手は客と間違え止まる。
紅葉はタクシーに乗り込み
「街へ行け。」
と命令する。
タクシー運転手は紅葉が客でないことを察知している。
紅葉の警察の制服は血まみれだったのだ。




