いじめはなかなか止められない1
快サイド
友音たちが渡り廊下にいた時快たちは?
俺はなんとか笹森さんと話す時間を確保した。
きっと千尋が機転をきかせて雪村さんと悠也を部室から出してくれなければここまであっさりいかなかっただろう。
俺は笹森さんの逃げ口を防ぐために扉の前に立つ。
「ねぇ、笹森さん。こないだ…」
「そのことは聞かないでください!!!」
あっかわいい…ってそうじゃなくて、
俺がこないだのことを聞き出そうと話し始めると、笹森さんは普段出さないくらい大きな声で俺を怒鳴り、涙を溜めた大きな目でにらみつけて来る。
「笹森さん何で頼ってくれなかったの?」
「皆さんには迷惑かけたくありません」
「でも、僕達同じ部活の仲間だし友達じゃん。」
「それでもこのことは皆さんには関係ありません」
「そんなことないよ、こういう時助けてあげるための仲間であり、友達なんだよ?」
「それでも…」
「でもじゃない。って笹森さんばっかり責めちゃダメだよね。僕達もなんで今まで気づかなかったんだろ…ごめんね」
僕がそう言って項垂れると、笹森さんはわかりやすく慌て始める。こういう反応をする笹森さんは小動物みたいで可愛い。
「快くんのせいじゃありません!私が…」
そう言って笹森さんは俯く。
「ねぇ、お願いだから何があったか話して?」
笹森さんは小さく頷いた。
笹森さんの話を要約すると、初めは千尋と話ている姿を見られて、それが気に入らないらしくいじめてきたのだけど、少しずついじめることを目的としたいじめをしてくるようになったらしい。
千尋かぁ、あいつイケメンだからなぁ。
と、調度よく千尋が部室に入ってきた。
「笹森さんは千尋に言いたくないらしいけど、俺はいったほうがいいと思う。だから俺が言っていい?」
俺がそう言うと、笹森さんはコクリと頷く。
そして、話し終わると千尋は顔を青くして笹森さんに謝った。
「ごめん、俺の顔のせいで」
「いや、千尋くんは悪くないですし…」
「とりあえず!!!どうやったら解決できるか3人で考えない?」
俺がそう言うと2人は頷いた。
気付いたら外は薄暗くなっていた。
そろそろ二人が戻ってくるので話も終わりにする。
話し合いの結果、とりあえず俺か千尋ができるだけ笹森さんと友に行動することが決まった。