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世界についての講義は馬車の中から始まりです

 そして馬車に揺られる事暫し、その車内でこの世界の精霊達の在り方について教えて貰いました。


「確かに我々はそれぞれの種族ごとに別れてます。しかし、何も違う種族の精霊達と会わないなんて事はありません。寧ろ、現状が現状なので連携は必須です」

「以前から亜空間は存在しておった。それぞれの種族に適した大陸に近い場所に亜空間を創っておって、一大陸に集まっておったのは確かじゃ。それが、上位精霊が生まれにくい件を発端に集まる様になったのがこの空間じゃ。そこに人間世界で言う都を造ったのは」


 ふむふむ。

 成る程。

 確かにそれぞれの質にあった場所にいるのが精霊達にとっては何よりだもんね。

 ヴィルとディルが主に説明役で他の精霊はしきりに頷いているだけです。

 やっぱりこの面子のリーダーがヴィルで頭脳面ではディルの担当の様です。ま、想像出来たけどね。

 彼等の説明は以下の通りです。


 この世界は大きく分けて五つの主だった大陸から成り立っているそうです。



 世界最大領地を誇る大帝国ヴォールのある大陸シュトラール。

 灼熱の砂漠を有する熱帯の国グルートのある大陸ヒッツェ。

 高い山々がそびえ立ち、その地形によって膨大な風が発生する国ヴィンディヒのある大陸ブラーゼン。

 豊かな土壌を有する森と土の国のザントのある大陸ボーデン。

 豊富で清らかな水が幾重にも川となって流れる国トロプフェンのある大陸フルス。


 それがこの世界だそうです。

 で、その大陸に属する形で小さな島国が集まって今の世界があるそうです。

 大陸の気候を聞くと確かにそれぞれの種族に適した場所に見事に別れてますね!

 因みにシュトラールが光と闇の精霊が主に住んでいる場所だそうです。

 そして一同に集まれるのもシュトラールだそうな。

 光と闇の精霊達は基本的に何処の大陸にも適する事が出来る様ですが、シュトラールに存在する事は他にも意味があるんですって。


「この世界は様々な種族によって成り立っております」

「マジ?! じゃあエルフがいたり獣人がいたり人魚がいたり?!!」


 こっちの世界の空想の数々の種族ですが、挙げてみると、みんな頷いてくれる!

 わーっ! すっごい! 流石異世界です。

 そして凄いぞ私の故郷。

 空想の種族がそのまま存在するって。発想豊かだったんだなぁ…。


「ふふ…。そこまで喜んで頂けて何よりです。それに、他種族の事をそちらの世界でもご存知だったとは…。そちらの世界の知識も興味ありますので、今度是非教えて下さいね?」

「勿論!」


 ええ、教えますとも。私達が描いた空想を存分に!

 そして是非驚きの表情を見せて下さいな!

 私ばっかりが驚かされていてつまん無いし!


「…少し脱線したが、わしも興味あるの。わしも是非とも参加希望じゃ。で、様々な種族がいると分かったな?」

「うん」

「それは何よりじゃ。我等精霊族がシュトラールに都を造ったのは、種族の一つに龍神族がおる大陸故に選んだと言っても過言では無い」

「龍神族?」


 おお! 響きからしてカッコいい、しかもチート種族ですね!!

 某七つの玉を集めると願い事叶えてくれる種族ですかね?!

 まあ、そんな事無いでしょうが。


「龍神族は我々よりも更に神に…言え、神の系列の種族と言っても過言では無い、上位の種族名です。彼等は個体数こそは少ないですが、絶大な力を持っております。そんな彼等がシュトラールにあるヴォールと言う都を治める一族を守護している事、また、この大陸全体を守護していおります」

「龍神族の力は絶大なのは勿論、この大陸にも恩恵を与える程じゃ。だから種別の違う我等もこの大陸に一同に集まれる亜空間を創っても何事も無く過ごせるのじゃから」

「なる程ー。様は神様の治める土地だから属性違いのあんた達が一気に集まっても平気って事ね」

「そうなります。また、彼等はこの大陸を治める人間種族の頂に居る所謂王族と密接な関係にあり、その守護をしている事から守護されている王族には直接的な恩恵があります」

「流石神様だなー」

「ふむ。じゃがそれも少々厄介でのー」

「はい?」

「…人族の寿命はこの大陸にいるどの種族よりも短い。故に龍神族の加護を得ると不老長寿の恩恵が与えられるのじゃ」


 うわー。

 分かったよ。

 分かっちゃったよ。

 人間、寿命短いからね。憧れるんだよね、権力を持つ上の強欲層は特に。

 地位と名誉、そしてお金手に入れたら後欲しいのは?

 正に不老長寿ですね。はい。

 もしくは不老不死。

 最も、恩恵は不老長寿みたいですが、それでも尚欲望に忠実な輩には最大の獲物ですね!



「…先日、そのヴォールの皇帝が各国の人間達にせっつかれて伴侶を選ぶ為の選定が行われました」

「わしらはほぼ干渉はせんかったがの。覗き見していた精霊達も多くてのー。凄まじい人間の貪欲さを見せ付けられたわい」

「ん? え? ちょっと待って!」

「はい?」

「ヴォールの王族には龍神族からの恩恵が与えられるのは分かるけど…。それって他国からの人でも可能なの?!」

「その事ですか。そうですね。皇帝陛下の后となられれば恩恵を受けます。人間種族は寿命が短いでしょう? 故に長く孤独に晒される事になるヴォールの一族を思いやっての恩恵だそうです。后とその后の選んだ側近にのみ与えられるのです」

「先代はまだまだ健勝じゃ。そして今代の皇帝は人間の実年齢で19歳になる。それはそれはどの大陸も大騒ぎだったわ」


 ……………でしょうねー。


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