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第57話 誘惑すればいいのでしょ?

第二回戦へと入る前に受取拒否となった首輪、リールに複雑な心境のジルとアナトのワンドを持ってきたことにより、[自主規制]で退場させられるロベルタと競技前に微妙な空気が流れるのであった


「え〜とだ、ロベルタはアナトに連行されたので、最初の通り、三人で続行しようと思うが…」


「あの女はいったいなにがしたかったのかしら…?」


「ま、まぁあれがロベルタさんクオリティだしな。とりあえず、次に移ろう。三人ともいい?」


「問題ないわ」


「いつかのためにとっておくのじゃ…(ボソッ」


「ジル?」


「な、なんでもないのじゃ。次に行くのじゃ」


「では、次の対決はコスプレ対決だ!!普段見せないようなギャップのある衣装で守を誘惑できたものが勝ち」


アキレウスの対決発表にその場にいる全員がジト目でアキレウスを見つめる

冷めた空気の中で守が、アキレウスに問いかける


「…一つ聞くがいいか?」


「…なんでしょうか、守くん?」


「これってお前がただただ見たいだけなんじゃないか?」


「ばっかいえっ!!そんなわけ…」


「お兄様?」


「はい、すいません。私の趣味でございます…」


アディリシアの冷たい呼びかけに即座に謝罪するアキレウス


「ま、そこのポンコツ王子の趣味はどうであれ、守を誘惑すればいいのでしょ?これは私に有利な対決ね」


「むっ、どういう意味なのじゃ?」


「二人ともチビだし、できることが限られているはずだわ。ノームに至ってはこういうシチュエーション苦手でしょ?」


「ふふふ…そう油断していると足元すくわれるのじゃ」


「た、確かに苦手ですが、頑張ります(ボソッ」


「皆さん、守さんの元カノがジャンヌさんであることを忘れてますね…」


「「「あっ」」」


「つ、つまり勝機があると(ボソッ」


「やる気が出たのじゃ」


「くっ…身長のアドバンテージくらいは譲ってあげるわ」


「みんな勘違いしているようだが、別に小さい子が好きってわけではないからな?」


「コホン…では、これもそんなに時間はないからな。これだと思う衣装に着替えてきたら戻ってきてくれ。先着順で評価を行うからな」


「ちょっと待ってくれるかしら?私とノームは、衣装の選択ができるほど衣服がないわ」


「ああ。ならこれを店に見せればいい。あとで宮殿から支払いに伺う」


アキレウスはそういうと国事で使われる印が入った紙を二人に渡す

受け取った二人は再び街へ、ジルは自身の部屋と向かっていくのだった


「こんなことのために国が動くなんて…」


「もちろん国民たちのお金を使うわけではないからな?父上のポケットマネーだ」


「それはそれでヴェルヘルムさんに申し訳ない…」


「ところで、守さんはどういったコスチュームが好きなのですか?」


「それは私も気になります。今後のために是非教えてください」


「え…赤裸々にしないといけないのか?」


「なに、恥ずかしがってやがる。どうせこの後深掘りするんだからケロッちまえよ」


「アキレウスにはイラッとくるが…。そうだな…服装で言うのであれば、この世界には存在していないのだが、チャイナ服姿の女性にはグッとくるかな」


「チャイナ服?どんな服なのでしょうか?」


アディリシアの疑問に答える形でチャイナ服の特徴を述べる

するとアキレウスが守に引いたように言う


「お前もなかなかマニアックな服装が好きなんだな…」


「ビキニアーマー好きのお前にだけは言われたくないわ」


「どっこいどっこいです。ところで、守さん、私だったらどんな衣装がグッときますか?」


「ニースか…そうだな…初めて会った時の服装やメイド服の印象が強いから、意外と私服姿が想像できないからそれかもしれないな。そもそも私服とか持っているのか?」


「初めてお会いしたあの服が私服でしたが、言われてみますとこちらに来てからは、基本的にメイド服以外着用していないですね。も、もしよろしければ、今度お買い物に付き合っていただく時に、守さんのグッとくるチョイスをしていただけないでしょうか?」


「普段頑張ってくれてるし、服くらいなら…」


「あ、あの!!私はどうでしょうか?」


「アディリシアは…


「SM女王様だな」


死にたいようだな、アキレウス?」


「少し黙っていてください、お兄様」


「ちょっとした冗談じゃないか…」


「アディリシアも王女なだけあって、ドレスとかが多いから案外着物姿とか見てみたいかもしれないな」


「着物、ですか?」


「着物もこの世界にないのだが、俺のいた日本の古めかしい衣装だ。もちろん今でも地方によっては、日常的に着ている人も多いのだが」


「守様の故郷の服装をチョイスしていただけるとは光栄です。特徴を教えていただけますか?」


チャイナ服の時同様着物の特徴をアディリシアに教える

この時のことが原因で、後にアディリシアの一声でアストン皇国に着物とチャイナ服が売り出されることになろうとは守は思ってもいなかったのだ


「お、どうやらジルが戻ってきたようだぞ?」


「早かったな。ってそれは」


「うむ。先日見せなかったが、吸血族の正装じゃ。久方に着たのじゃが、どうじゃろ?」


「あ〜その〜相変わらず目のやり場に困るよなその衣装。久しぶりにみて思ったけどさ、この衣装があるからSMみたいな思考になるんじゃないか?」


「否定はできぬのじゃ。じゃが、勘違いはしないで欲しいのじゃ。あくまで守だけなのじゃ」


「いや、そこを勘違いしたかったよ」


「それでどんなシチュエーションで守を誘惑するんだ?」


「…先ほど受け取ってくれなかったアイテムもあるのでな。やはりここはこれを使って我を飼ってもらうシチュエーションを」


「はい、却下」


「な、何故じゃ!!」


「放送コードギリなので」


「放送コードはなんなのじゃ…?」


「…結局ジルは俺を喜ばすじゃなくて自分を悦ばす方向に持って行き過ぎてるだろ」


「ぐぅの根もでないのじゃ…」


チャレンジすらさせてもらえなかったジルは、守の言葉に反論もできないとその場に崩れ落ちるので会った

ジルのチャレンジ失敗と同時に今度はウンディーネが戻ってくるのだった


「これは…!?」


「ふふふ…どうかしら?童貞を殺す服装よ」


白のブラウスに腰周辺がコルセット状になっているハイウエストの黒のロングスカートという普段露出率の高めなウンディーネとはギャップのある服装である

自身のプロポーションを生かしているのが明白で、豊満な胸、腰の括れの強調がされており童貞殺しの名に恥じていないチョイスである


「ウンディーネは二人と違って高身長、豊満な胸、引き締まった腰とプロポーションがいいからな。実際童貞の守にはくるんじゃないか?」


「悔しいが否定はできない。あと童貞言うな」


「ベストチョイスだったようね。ちなみに中はエロ下着よ」


「お持ち帰りされても万全というわけだな。俺だったらぶっちゃけこれが優勝だと思うわけだが」


「お兄様、気持ち悪いです」


「お前の意見なんてどうでもいいわ。で、守はどうかしら?」


「はっきり言って普段とのギャップがすごすぎて、ちゃんと服を着ているのにエロく感じるのがすごいなと。ぶっちゃけ元の世界でこういった女性を見かけたら堕ちていたかもしれない」


「かなり好感触のようね。なんならこのまま抱いてくれてもいいのよ?」


「いや…それは…ね」


「うふふ…まぁいいわ。いつかの楽しみにね。今はこの好感触だけで充分と言うことにしておくわ」


守の煮え切らない反応に何かを察したウンディーネは、この対決での好感触な評価にとりあえずの満足を得ると同時に勝利を確信しきるのであった

2月内になんとかもう一回更新できました。来月は掲載一周年もありますので、同じくらい更新できれば…という願望でいます。

第二回はコスチューム対決です。ノーム残しのウンディーネまでが今回です。少し前に童貞殺しの服というのが流行りましたが、実際に目にしたことはないので、おそらくこういうものなんだろうというイメージで書きました。


最後に、ロベルタ…あなたのことは忘れない。

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