第56話 ポロリもあるよ
守の左隣の部屋を賭けた戦いを行うために屋敷の外、庭へと移動する一行
ジル、ウンディーネ、ノーム以外の者たちは、どこから出したのかわからないけれど用意されていた体育祭の時のような実況席へと座る
戦いを行う三名に向け、アナトが開幕の言葉を告げようとする
「それでは、守の左隣の部屋を賭けた戦いを始めるわよ〜♪アキレウス」
「コホン…。ドキッ!!守の左隣を賭けた少女たちの戦い三連発!!ポロリもあるよ。いやっほー!!」
「いや、ポロリがあったらだめだろ…」
「守以外の男の前でポロリなんてしないわよ?」
「いつもエロエロな態度をしておるくせによくいうのじゃ」
「対象は守だけよ?」
「…あ、あの人昔から変わってないですね…(ボソッ」
「さすがのゲスっぷりですね…」
「ダメな兄で申し訳ございません…」
「ふん、守を好きな連中のポロリなんぞ見たってしょうがねぇんだよ!!」
「じゃあ、何故言ったし…」
「こういうのはお約束なんだよ!!」
「そ、そうか…」
「それで、ちんけなタイトルはどうでもいいから、ルールを教えてくれないかしら?」
「ルールは簡単だ。今から守に関連した戦いを三本やってもらう。その中で一番勝率がいい者が隣の部屋をゲットだ。勝負内容はその都度説明しよう」
「俺に関連したっていうのやめないか?嫌な予感しかしないんだからさ…」
「却下。だいたい争いの中心はお前なんだから今回は受け入れろよ」
「そうよ、守。例えば、そこの王子に関連したことをやらされてもやる気が微塵もおきないわ」
「うむ。それは間違いなのじゃ」
「…や、やる価値がないです(ボソッ」
「小声ですごい毒吐きますね…」
「はぁ〜…もういいけど、最初は何をするんだ?」
「最初はこ…」
「ちょっと待ってもらおう!!」
アキレウスが最初の項目について説明しようとした瞬間、最初からはいなかった騎士団長が高らかに叫びながら登場する
「あら、ロベルタじゃない?もう回復したの?」
「騎士団長たる者、いつまでもうだうだしてられん」
「お説教が緩かったでしょうか?」
「うっ…これいじょうは、勘弁してください。そ、それよりもなんだ。影から見ていれば、守の左隣の部屋を賭けたバトルだと?私も参加させてもらおう」
「だそうだが、どうするよ?」
「いいんじゃない?ロベルタが勝つとは思えないけど、チャンスはあたえてあげるべきよ。それに面白そうだし♪」
「後半が100%の本音なんだろうな…」
「むぐぐ…ここにきてライバルが増えるのは嬉しくないのじゃ」
「あら?怖気付くのかしら。私は問題ないわよ。どうせ勝つのは私だし」
「…わ、私もかまいません(ボソッ」
「な、なら我も問題ないのじゃ」
「ジルさんは明らかに同様しっぱなしですね…」
「それで、騎士団長に邪魔されたけれど、最初は何をやらせるのかしら?」
「最初はこれだ。デデデン!!守のことを知っていれば、守の気持ちが察せられるだろうということで、今守が一番欲しい物を持ってきてくれ」
「お、なんだか俺に優しい勝負内容じゃん。もっと嫌な内容でくると思っていたが、そうだなぁ〜今欲しいものといえば…」
「おいおい、言っちゃダメに決まってるだろ?」
「おっと危ない」
「いいか、チャンスは一人一回、時間はそんなにかけないように。はい、スタート!!」
アキレウスの開始の合図で四人は一斉に街の方へ向かい、走っていく
「これは見える範囲で行われていないから、本当に戻ってくるまで実況とかしようがないな…」
「その点はあんまり考えてなかった。それより、さらっと今欲しい物を言いそうになったが、そんなに物欲が強かったかお前?」
「今欲しい物なんだろ?そんな大そうなものじゃないけどね。ある意味ウンディーネが有利かもしれないな」
「あの〜待っている間、手持ち無沙汰ですので、お茶でもいれましょうか?」
「あっ…」
「えっ…?」
「あ、いや…せっかくだしニースに淹れてもらうよ」
バツの悪いような反応を見せる守であるが、ニースに全員分のお茶を淹れるようにお願いする
屋敷に戻り、ニースがお茶の準備をしている最中に今回の件に遅れて参加したロベルタが颯爽と戻ってくる
「いくらなんでも早すぎではないですか…?」
「夫の気持ちがわからぬ妻など存在しないであろう?」
「あんまりハードルを上げない方がいいと思うが…全員揃ってから見せてもらうから少し待っていてくれ」
「勝者宣言されるのを楽しみにしていよう」
ロベルタに続き、ウンディーネ、ノーム、ジルと続いて戻ってくるのであった
そして、戻ってきた順から持ってきたものを公開していく
「まずロベルタからだな。守の望んでいるものは?」
「ズバリこれだ」
ロベルタが出したものは、その場にいる者であれば誰もが一度は目にしているワンドであった
「ロベルタさん…それは…」
「うむ。ワンドである」
「いや、それはわかるんですが、そのワンドはもしや…」
「私の剣と迷ったのだがな。あれほどの名剣を持っていれば、もはや私の剣は欲しまい。よって魔法の師であるアナトのワンドをだな」
「あっちゃ〜」
「ふふふ…本人を目の前にして私のワンドをあげようなんて、後で覚えておくことね」
「し、しまった」
「さよならロベルタさん。あなたはいい剣の師匠でした」
「せめていい妻だったと言ってくれ…」
「さ、さて…気を取り直して、次はウンディーネか?」
「私とノームは同じ店に遭遇したので、考えていることがおそらく一緒だわ。なので、一緒に出すわね」
そういってウンディーネはネックレスを出し、ノームはバンドを出すのだった
「あ〜なるほどね」
「守は察したようね。ここにいる面々は知っての通り、私たちが常駐するために、契約の対価で使用していた物はペットボトルとやらの中に入ってしまったわ」
「で、ですので新しく持ちたいのではないかと思いまして(ボソッ」
「ふふふ、私たちから渡すことになるとはね。別の契約を結んでもいいのよ?」
「そ、それは言わない約束だったじゃないですか(ボソッ」
「最後に欲望が見えてるが、これはなかなかといったところか。さて…最後はジルだが」
「うむ…」
ジルが取り出したのは首輪とそれについているリールだった
「お、おう…まずなぜそれだと思ったのか聞いてもいいか?」
「体育祭の借り物競争のような雰囲気を作り出すから、あの時を思い出してしまったのじゃ…」
「これを持ってくるあたり、ジルさんくるところまできちゃったのですね…」
「ちなみに俺にそんな趣味はないからなっ!!」
「ドSの守様でも受け入れる自信はあります」
「調教されるのは好みではないのだけれども…」
「わ、私は優しい守さんの方が断然いいです(ボソッ」
最初と最後に衝撃を受けつつも、出揃ったものを見て守は口を開く
「みんな、俺の欲しい物じゃなくて、自分の欲望丸出しの物ばっかなんだね…」
「う〜ん…こちら側としてももっと盛り上がると思ったんだけど、正直微妙な展開となったなぁ〜。それはそれとして、答えを発表してやれ」
「ごめんな。実は今一番欲しかったのは、飲み物が正解だったんだ。喉がからっからで…。みんなが探しに行っている間にニースがお茶を淹れてくれたから…」
「さっきのバツの悪そうな反応はそういうことか。と、いうことは?」
「強いて言えば、ニースが勝者となるけど…」
「わ、私にもチャンスがっ!!」
「ありません」
「ですよねー…」
「勝敗はつけときたいのだが、勝者は決めれないのか?」
「う〜ん…今回はドローで」
「では、第一回戦は全員引き分けで!!」
「納得いかないわ」
「そうじゃな…じゃが、安心した我もいるのじゃ」
「あ、あの…せめてバンドはもらってください(ボソッ」
「もちろん私のもね」
せっかくだからとウンディーネとノームの物は受け取り、勝負は第二ラウンドへと進むのであった
前回のあとがき通り遅れて参戦のロベルタが早速やらかしています。ちょっと残念な性格が彼女のいいところです。
初期プロットでは、ここであまり尺を使うつもりはなかったのですが、体育祭で動いてなかった面々を動かす意味で伸ばしています。
話は変わりましてもう片方の作品が1ヶ月空いてしまっていますが、もう少しお待ちください。




