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第18話 もう少しちゃんとした場所で公表したかったのに

守が無双のごとく活躍した男子限定の騎馬戦が終わり、第三種目の女性限定綱引きが行われようとするのだった

守を慕う女性陣にとって全員が関わるこの種目では参加者全員がMVPを目指し、闘志を燃やすのであった

特にジャンヌやアディリシアは守が行きたいと望む場所について重く捉えているためにこれ以降に参加する競技にかける思いが高まるのであった


「ふふーん!この種目は力が全てを言うものみたいだし、戦場で剣を扱っていた私に有利だよね!」


「ジャンヌさん、気合を入れるのはよいのですが、今回は単体勝負ではありませんよ?」


「私はまだMVPを取るチャンスがありますが…。一つでも多く、なんとか獲得したいです」


「アディリシア姫にも誰にも負けないのじゃ。もちろん同じクラスのジャンヌにもなのじゃ。先の種目で見せた無双のごとき働きをすれば単体MVPが取れるのじゃ」


「私も今回を逃すと魔法コンテストしかチャンスがありませんわ。なんとしてもここで…」


「ま、まぁ?私は魔法コンテストでMVPを取る自信がありますが、他の女性陣に取られるのは癪ですし、少しでも守様を堪能するために本気で臨みますよ」


「…皆、意気込むのはいいんだが、俺にぶつけるのやめてくれないか…?」


女性陣は皆自分の活躍を注目して欲しいかのごとく守に圧をかけて、集合場所へと向っていく


「それでは今回の解説には、アストン皇国現国王のヴェルヘルム様にお願いしたいと思います」


「うむ。なぜ女性限定の競技で儂が呼ばれたのか、理解ができんのだが、任されたからにはやってみようではないか」


「よろしくお願いいたします。さっそくなのですが、この種目の見所選手について聞いてもよろしいでしょうか?」


「見所選手というよりは、やはり戦場で剣を振るっていたジャンヌくんの力は凄まじいものじゃろう。また、吸血族の中でも王女のジルくんも相当な力を持っておるはずじゃ。この二人が所属するクラスは間違いなく強いじゃろうが、他のクラスメイトが二人の力についていけるのかが勝負の鍵じゃな」


「アディリシア王女も今回の種目に参加されるようですが、父親としてどうみますか?」


(アレ)は体を動かすことに関してはからっきしじゃからのぅ。じゃが、報酬に守くんが絡むと案外「お父さまっ!!」…怒られてしまったので娘についてはこれくらいで終いで頼む」


「…振っておいてあれですが、下手したらロベルタ様の時のようになり兼ねないのでこの件はこれ以上触れないようにします」


第三種目の綱引きは勝ち上がりではなく、総当たり戦で行われるため、一度負けたからと言ってクラスの敗北がイコールになるわけではない

しかし盛り上げるためなのか運営側の陰謀と言わんばかりに、守たちのクラスとジャンヌたちのクラスは最後に当たる組み合わせになっている

ジャンヌやジルに課せられるハンデは片手で綱を引くというものだが、ジルはともかく片手で剣を扱っていたジャンヌにはハンデと言えるのかといった制限である

対決は着々と進んでいくもジャンヌたちのクラスはヴェルヘルムが冒頭の解説で言った通り、ジャンヌとジルの二人の力に他のクラスメイトたちが翻弄されながらも圧倒的な勝利を重ねていく

これに負けるわけにはいかないと守たちのクラスの守周りの女性陣も毎戦奮闘に奮闘を重ね、なんとか勝利を納めていき、とうとう最終戦に入ろうとするのであった


「いよいよこの綱引きも最終戦に入りました。ヴェルヘルム様がおっしゃった通り、ジャンヌ様のクラスは圧倒的な強さを見せています。一方、アディリシア様が在籍されていますクラスもこれまで無敗を貫いていますが、この結果はどうみますか?」


「うむ。娘だけでなく、守くんを慕う者が何人かおるクラスじゃからのぅ。MVP制度のおかげで皆負けるわけにはいかぬと奮起しておるのじゃろう」


「なるほど。先ほどは怖くて振るのを止めてしまいましたが、国王様とこのように話す機会など今後ないと思いますので、ぶっ込みますが、ヴェルヘルム様的にはアディリシア様が守様をお慕いしているのは宜しいのでしょうか?」


「ぶっーー!?」


「(っておい何を聞いているんだ!!今回ようやくまともな解説者になったと思ったら実況者が変な質問ぶっ込みやがった。頼むから体育際に関係あることで実況&解説をしてくれよ…)」


「儂はむしろ、守くん以外の男に娘を譲る気はないからのぅ。娘も本人(守くん)に口外しておるが、儂も既に娘は守くんの"もの"という認識をしておる」


「って普通に答えるんかーい!!ヴェルヘルムさん、こんなに人が集まっているところでそんなこと言うと…」


「(そりゃあ皆さんそんな反応で俺を見ますよねー…)」


守が振り返ると国王の問題発言により会場中のアディリシアファンはやるせない気持ちを血涙を流しながら無言で守を見つめるのであった


「お、お父様ったら。私はもう少しちゃんとした場所で公表したかったのに」


「なんででしょう。姫様の顔が全く嫌そうに見えません」


「国王様が世間に公認宣言をしていますから、それはもう嬉しいに違いありませんわ」


「ぬぐぐ…私のファントム家もいつでもウェルカムですのに!」


「守さん…今頃姫様のファンの嫉妬にあっているのではないでしょうか…」


口ではいやいや言っているも嬉しさが隠れていないアディリシアを悔しそうに見つめる三人の一方でジャンヌ達の方では


「…なんだろう。もはやこの種目の勝者はアディリシア様のような気がするよ…」


「同感じゃな。国王自ら国民の前で娘を譲ってもいいと言っているのじゃ。これがご褒美と言わずに何というのじゃ」


「ここまで私たちの圧倒的勝利だったのに会場の雰囲気はアディリシア様に全て持って行かれたよねー…」


「今までの解説者の流れから今回の国王でも何かしらはあると思っていたのじゃ…」


「え〜と…私が聞き出しといて何ですが、種目を重ねるごとに色んな方面で盛り上がりが書き換えられるこの体育祭ですが…そろそろ最終対決を始めたいと思います」


両クラスが準備を整え、審判が火の玉(ファイアボール)を打ち上げてすぐに両クラスの女性陣は綱を引き始める

スタートダッシュはジャンヌのクラスが圧倒的な力で引き寄せるも、負けるわけにはいかないと守たちのクラスはなんとか踏みとどまる


「くっ…さすがジャンヌさんです。留まるので精一杯です」


「これが片手ですものね。両手だと恐ろしいですわ」


「魔法が使えれば…」


「それはスポーツマンシップというものに反してしますよ?」


その後もアディリシアたちは何とか持ちこたえていたもののジャンヌとジルの力を超えることはなく、そのまま引き寄せられてしまうのだった


「種目としては負けちゃったかもしれないけど、勝負は私たちの勝ちだよね」


「素直に喜べない勝負じゃったがな…。しかし、MVPが取れればこっちのものじゃ」


「既に取っているのに欲張りな方々ですこと」


「「二人で一つなんてとったうちに入らないよ(のじゃ)」」


「今回も二人で一つだったりして(ボソッ」


「小声で不吉なことを言うではない、ニース!」


「す、すみません」


「皆、お疲れさん。最後の勝負、ジャンヌとジルがいるクラスに対してよくあんなに耐えたな」


「結局負けてしまったので意味がありません」


「いやいや、今回の体育祭は勝ちが全てみたいになっちゃっているけど、本来は勝ち負けだけが目的じゃないからな。これでいいんだよ」


そういうと守は自身のクラスの女性陣の頭を笑顔で撫でるのだった


「えへへ…負けてもこれがあるのでしたら、そこまで悪くないです」


「ま、守様が私の頭を!?もうこのまま洗いたくないです」


「守様からしていただけるなんて光栄ですわ!」


「私は今回MVPが取れなくても、お父様と守様のおかげで満足です♪」


「ねぇ…ジル…?」


「何も言わんでくれ…。悲しい気分が払拭できぬのじゃ…」


綱引きには負けたものの大事な勝負には勝てたとアディリシア、ニース、エリカ、メイは大満足するのだった

第二種目を男子限定にしたために第三種目は女子限定にしました。解説者を含め、圧倒的アディリシア推しの今回、ジャンヌやジルが勝利を収めたのにもかかわらず、完全にアディリシアが持って行きました。次回種目はアキレウス考案の種目により解説役はもちろん…。さてどうなるでしょうか

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