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声を聞かせて  作者: CACAONOVEL12
落下
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76/76

恩返し


「ママぁ~寒いよぉ」

「明日、雪降るらしいよ?」

「ほんとぉ?!」


すれ違った親子の会話が聞こえた。


“初雪まだなの?”

“うん。

 でも、もうすぐだよ”


あの日、芽衣は白い息を吐きながら、そう言った。

つい最近のことなのに、遠い昔のように感じる。


「瀬尾さん!」


小さな背中に声をかける。


「ああ、晃君か」


弱弱しく瀬尾さんは振り返る。


「芽衣ちゃん、大丈夫だろうか?」


昨日のあの光景が、瞼に現れる。


「・・・信じましょう」


瀬尾さんは優しく微笑んで、


「・・・ああ」


と言った。


「ところで晃君、学校は?」


「あ、今日から冬休みっス」


「そうか。

 じゃあ、芽衣ちゃんに恩返しでもするのかい?」


恩返し・・・か。


「そーっスね」


俺に何ができるのかはわからない。


それでも。

芽衣の近くにいられるのなら。





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