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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
89/193

ぽっちん連鎖理論

春。

桜とともに、バカも芽吹く。

──杏仁豆腐、今日も元気です。



ユウ「なぁ、おれまたすごいこと発見した。」

カズ「前回もそれ言って“こっちん”生み出したよね?」

ユウ「いや、今回は“ぽっちん”。」

タクミ「語感レベルで退化してんだが。」

ダイキ「進化じゃねぇ、変異だろそれ!」


ユウ「いや聞けって。“こっちん”が情熱の発露なら、“ぽっちん”はその残響なんだよ!」

カズ「残響って……バカにポエム混ぜるな!」

タクミ「感情のバカ理論きたよ……」

ダイキ「でも確かに、“ぽっちん”って言ってると……春感じね?」

カズ「感じるな!止めろ感染拡大!!」



ユウ「つまり、“こっちん”は動、“ぽっちん”は静。陽と陰。愛と余韻!」

タクミ「お前に陰陽道やらせたら、絶対災害起きるわ。」

カズ「春の言語進化論だな……退化だけど。」

ダイキ「“こっちん・ぽっちん”連鎖理論、ここに誕生!」

全員「バカでしょ!!」



廊下の向こうから、ヒールの音。

三柱の聖域──通過。


レイナ「またやってんじゃん、“こっちん”の派生語w」

アイカ「語彙の進化速度、地球史上最遅ね。」

ミナミ「……でも、進化しないって、悪くない。」


(ユウたちの笑い声を聞きながら、ふっと微笑む)

春の空気に、熱が混ざる。



ユウ「てかさ、“ちょんまげ理論”ってのもあるんだよ。」

カズ「待って、嫌な予感しかしねぇ。」

ユウ「人ってさ、髪を結ぶと“志”が上にいくんだよ。」

ダイキ「急に武士道みたいなこと言い出した!」

タクミ「この流れで悟り開くな!」


ユウ「だから俺、来週から“青春まげ”結ぶ!」

カズ「出家かよ!!」

安藤先生(入室)「……バカってほんと、季節限定で咲くのよね。」

ナムサン(窓の外から)「咲けぇぇぇぇぇッ!!」

(校庭に響く奇声)

タクミ「もう花粉より強い!!」



レイナ「ねぇミナミ、あいつらほんと変わんないね。」

アイカ「バカが季節ごとに更新されるの、奇跡よ。」

ミナミ「進化しないのも、青春の才能でしょ。」


(桜の花びらが舞う)

彼女たちは笑って去っていく。

それを背に、教室の笑い声が続いていた。



安藤先生「バカが止まらないうちは、春は終わらないのよ。」


──青春ギャラクティカ、春のバカ爆発。

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