ぽっちん連鎖理論
春。
桜とともに、バカも芽吹く。
──杏仁豆腐、今日も元気です。
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ユウ「なぁ、おれまたすごいこと発見した。」
カズ「前回もそれ言って“こっちん”生み出したよね?」
ユウ「いや、今回は“ぽっちん”。」
タクミ「語感レベルで退化してんだが。」
ダイキ「進化じゃねぇ、変異だろそれ!」
ユウ「いや聞けって。“こっちん”が情熱の発露なら、“ぽっちん”はその残響なんだよ!」
カズ「残響って……バカにポエム混ぜるな!」
タクミ「感情のバカ理論きたよ……」
ダイキ「でも確かに、“ぽっちん”って言ってると……春感じね?」
カズ「感じるな!止めろ感染拡大!!」
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ユウ「つまり、“こっちん”は動、“ぽっちん”は静。陽と陰。愛と余韻!」
タクミ「お前に陰陽道やらせたら、絶対災害起きるわ。」
カズ「春の言語進化論だな……退化だけど。」
ダイキ「“こっちん・ぽっちん”連鎖理論、ここに誕生!」
全員「バカでしょ!!」
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廊下の向こうから、ヒールの音。
三柱の聖域──通過。
レイナ「またやってんじゃん、“こっちん”の派生語w」
アイカ「語彙の進化速度、地球史上最遅ね。」
ミナミ「……でも、進化しないって、悪くない。」
(ユウたちの笑い声を聞きながら、ふっと微笑む)
春の空気に、熱が混ざる。
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ユウ「てかさ、“ちょんまげ理論”ってのもあるんだよ。」
カズ「待って、嫌な予感しかしねぇ。」
ユウ「人ってさ、髪を結ぶと“志”が上にいくんだよ。」
ダイキ「急に武士道みたいなこと言い出した!」
タクミ「この流れで悟り開くな!」
ユウ「だから俺、来週から“青春まげ”結ぶ!」
カズ「出家かよ!!」
安藤先生(入室)「……バカってほんと、季節限定で咲くのよね。」
ナムサン(窓の外から)「咲けぇぇぇぇぇッ!!」
(校庭に響く奇声)
タクミ「もう花粉より強い!!」
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レイナ「ねぇミナミ、あいつらほんと変わんないね。」
アイカ「バカが季節ごとに更新されるの、奇跡よ。」
ミナミ「進化しないのも、青春の才能でしょ。」
(桜の花びらが舞う)
彼女たちは笑って去っていく。
それを背に、教室の笑い声が続いていた。
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安藤先生「バカが止まらないうちは、春は終わらないのよ。」
──青春ギャラクティカ、春のバカ爆発。




