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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
チエナ王国の王女が邪魔してきました

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お義兄様の憂鬱 セントバレンタインデー

 今日はセントバレンタインデーだ。


 かつて我が国の前の支配者の悪逆非道の国王哀王の治世の時だ。

 その年は不作だった。

 哀王は不作にもかかわらず、農民達に今まで通り年貢を納めろと命じた。

 農民達はたまったものではなかった。

 農民は逃げ出す者もいた。

 哀王は逃げ出した農民は見つけ次第処刑しろととんでもない命令を下したのだ。

 王都の近くのとある村にバレンタインという司祭がいた。彼は税金を払えずに逃げてきた農民達をかくまっていた。それを知った哀王は激怒して兵士達に命じてバレンタインを教会ごと焼き殺した。それを知った付近の農民が怒り狂って反乱を起こし、それに我が始祖ロザンヌ伯爵が呼応し蜂起、哀帝を倒して新王国を造った。これが我が家の始祖の伝説だ。


 以来何故か、セントバレンタインデーは女性から男性にチョコレートを贈る日になったそうだ。



 だから今日は騎士達も朝からそわそわしていた。

 まあ、婚約者のいる俺はそんなそわそわなど関係無いと思っていたのだ。


「レオン、今年はチョコレートが来ないな」

 トマスが指摘してくれた。

「当然だ。エリがやっと俺の婚約者になってくれたからな。皆に公表したし、しつこいアガットもラペルズ王国に嫁いだからな。俺にチョコを送りつけるような余計な事をする奴はいなくなったのさ」

 この時は俺も余裕綽々だった。


「トマス、お前はもらったのだか?」

 俺はトマスに聞いてやった。

「おう! これだ」

 トマスは自慢げに結構大きな赤い包装紙を見せてくれた。

 いつもは俺のチョコレートの山を見て、お前はたくさんもらえていいよなと嫌みを言ってくれていたのだ。今年は違うらしい。


「そうか、良かったな」

 俺は完全に他人事だった。その送り主が誰かも確認しなかった。


「おはようございます」

 そこに、今はエリの親衛騎士にしたゴーチェが元気に挨拶して入ってきた。

「朝からえらく機嫌が良いんだな。チョコレートでももらったのか」

 バレンタインにしては珍しく機嫌の良いトマスが聞いてきた。


「見てください。こんな大きなチョコレートをもらいました」

 ゴーチェが見せてくれたのはトマスと同じ赤い包み紙だ。

「ふんっ、俺様ももらったぞ」

 トマスが見せびらかしていた。


「ええええ! エリーゼ様。皆に配っているんですね」

 がっかりして、ゴーチェが首を垂れた。


「なんだ。エリか」

 俺は自分の婚約者が騎士達に配っていると聞いて少しだけむっとした。


「朝一に俺のところに来てくれて、『いつもおつとめご苦労様です』といって置いていってくれたんだ」

 トマスの言葉に俺は更に機嫌が悪くなった。

 ここまで来たのならついでに俺の分も置いてくれたら良いのに!


 エリは昨日はレストランで残業があるとかで遅くに帰ってきたみたいだった。俺はガンダーラ王国のアルバンが新たに加えた領地の統治の仕方を教えてほしいと泣き込んできたのに夜遅くまで付き合ってやったので、昨日はエリに会えなかったのだ。


「失礼します」

 そこにそのアルバン本人が入ってきたのだ。

「殿下昨日はいろいろありがとうございました」

 アルバンが頭を下げてきた。


「うん」

 俺はいらだちを鎮めようと目の前のペンを握ったらボキッと折れてしまった。


 それを見ていたアルバンらがぎょっとした。


「アルバン、その手のものはなんだ?」

 トマスが聞くと

「これですか?」

 嬉しそうにアルバンが取り出した物はまた、真っ赤な包装紙に包まれていた。これもエリのレストランの物だ。俺の機嫌が更に悪くなった。


「エリーゼ様に先程もらいました。本当に良い方ですよね」

 こいつは悪気はないのは判ったが、俺の前でその話をするか?

 俺はじろりと睨み付けた。


「これで失礼します」

 不吉な物を感じたのかゴーチェがさっさと帰っていった。


 そこに大きな荷物を抱えたマルクスが入ってきた。

「どうしたの、兄上? 不機嫌そうな顔をして」

 無遠慮にマルクスが尋ねてきた。

「別に何でも無い」

 俺は無愛想に手を振った。


「殿下のその大きな包みはセシール様からですか」

 トマスが聞いていた。

「ああそう。それとエリから」

 大きな箱の上にトマスよりも大きな赤い箱が載っていた。

「ああ、そうだ。兄上。これセシールから」

 小さなチョコレートの箱を俺の机の上に置いてくれた。

 トマスのに比べても小さな箱だった。

 まあ、弟の婚約者だからこんな物だろう。

 俺はそう思おうとした。


 そこに大きな箱を抱えた、父が入ってきたのだ。


「おお、レオン、これを見てくれ。エリーゼが今わざわざ持ってきてくれたのだ。お義父様の為にわざわざ作ってくれたそうだぞ」

 自慢げに真っ赤な大きな箱を見せてくれたのだ。

 な、なんだと、父のが一番、大きいんじゃないか?


「なんだ、お前はその小さなチョコしか、エリーゼからもらわなかったのか」

 父がこれ見よがしにエリからもらった大きなチョコレートの箱を俺に見せてくれたのだ。


 その瞬間、完全に俺は我慢の限界がきた。


「やばい!」

 俺の怒り顔を見た瞬間、マルクスは慌てて、部屋から飛び出して行った。


「レオン、待て、ここで暴れるな」

 トマスが青くなって叫んでいるし、アルバンは俺の威圧に当てられて倒れる寸前だった。


「お義兄様。何しているの!」

 そこに少し怒ったエリが入ってきたのだ。


「エリーゼちゃん。良かった。レオンハルトがチョコが無いって怒っているんだけど」

 トマスが余計な事を言ってくれた。

「何言っているのよ。私の書いたメモ、無視して部屋から出るからでしょ」

 エリがむっとして俺を睨み付けてきた。


「メモってなんだ?」

 俺はそんなのは知らなかった。


「昨日酔って帰ってきたから、机の上に置いておくって言ったでしょ」

 エリの声にそんなのがあったかという顔をすると、


「本当にもう! 全然人の話聞いていないんだから。セドリック」

 エリが外にいた自分の護衛騎士に合図すると

 セドリックが部屋に入るのも大変そうな大きな箱を抱えて入ってきたのだ。


「ちょっと大きく作りすぎたから、リビングに置いておくってメモに書いていたでしょ。大きすぎるから、なんだったら詰め所に持っていって皆で食べてって書いたのに!」

 エリは俺を睨み付けてきた。


「うわーー、すごいな」

 開けた箱の中身を見てトマスが羨ましそうにケーキを見つめた。

「良かったら皆さんで食べて……」

「やらない」

 俺はエリの言葉を途中でぶった切るとその箱を抱え込んだのだ。

「えっ、お義兄様。それ全部一人で食べるの」

 エリが呆れた。


「せっかく、エリが作ってくれたんだからな」

 そう言うと俺はスプーンですくったケーキを一口食べた。

「うーん、うまい」

 そう言ってエリに微笑んだのだ。

「でも、ちょっと大きすぎない?」

 エリが言うが、せっかくエリが俺のために作ってくれた物だ。俺は他人にやるつもりはなかった。


「ほら、エリも食べてみろよ」

 俺はそう言うとフォークに突き刺して一切れエリの口の中に放り込んだ。

「うーん、ちゃんと出来ているわね」

 エリは嬉しそうに笑ってくれた。


「エリね俺にも食べさせてくれ」

 俺はそう言うとエリにフォークを渡したのだ。


「えっ、お義兄様。ここでやるの? 恥ずかしいんだけど」

 エリはそう言いつつ、ケーキを大きく切って俺の口の中に放り込んでくれたのだ。


 俺達は交替でそのケーキを食べさせ合ったのだ。


 皆の視線がとても生暖かったし、トマスとかはさっさと仕事しろよと合図してきたが、俺は無視した。


 俺にとって最高のバレンタインだった。



ここまで読んで頂いてありがとうございました。

1日遅いバレンタインデーです。

この電子書籍全3巻のリンクはこの下10センチのところにあるのでよろしくお願いします。


新作始めました『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど』

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「あっ」私は誤って聖女アニエスにジュースをぶちまけてしまった。「何をしている!」そこに登場する怒り顔の私の婚約者のエミール王太子。アニエスは「クラリス様にわざとかけられました」とあろうことかエミールにすがりついて叫びだしてくれた。なんでなんでこうなってしまうの?

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そうこの話は地味で大人しい女が悪役令嬢として転生させられて断罪されるお話になるはず……

ドジっ子悪役令嬢と氷の王子様のお話です。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/


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表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


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『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

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次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://ncode.syosetu.com/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://ncode.syosetu.com/n9455ip/

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