帝国第三皇子の独り言 帝国の女主人は義妹なのに、それが判らずに手を出して滅ぶ家や国が目につきます
俺はマルクス・ロアール、ロアール帝国の第三皇子だ。
第一皇女のエリーゼの一番年の近い義兄になる。
エリが皇女ではない、単なる皇后の連れ子に過ぎないという帝国貴族は確かに多い。
しかし、例えそうであっても、エリーゼは帝国軍が東方10カ国の奇襲にあった時にそれを命がけで防いだ剣聖バージルの娘なのだ。帝国軍にとって決しておろそかにして良い娘ではないのだ。
その産みの母は皇帝の寵愛熱い皇后だったのだ。絶対に疎かに出来ないはずだ。
それにエリは、帝国で武の頂点に立つロザンヌ公爵の孫娘なのだ。それも一族に娘はエリ一人ということでその一族からは公爵はもとより公爵夫人、その息子でエリの伯父等からとても大切にされているのだ。
それだけでも、価値はとても高いのだ。軍事国家の帝国の貴族が蔑ろにして良い存在ではないのは明白だ。
なおかつ帝国の皇太子である我が兄上が目に入れても痛くないほどにとても大切にしている。
そう、女なんか煩いだけだと切り捨てていたあの兄上が大切にしているのだ。
俺が帝国の貴族だったら、兄上が執着していると聞いた段階でたくさんの食べ物をエリに捧げるはずだ。
そう、エリーゼはとても高価な宝石よりも安いケーキで釣れるのだ。これほどお買い得な皇女はいない。
実の兄の俺ですら、言うことを聞いてもらうために自分のアイスクリームを進呈したくらいだ。
アイスクリームで、あの恐怖の兄上の怒りが軽くなるのならばそれほど安いものはなかった。
それにもかかわらず、たまにそのエリに喧嘩を売る馬鹿な貴族がいて本当に俺は笑えた。
モイーズ・トローム伯爵令嬢なんて、本当に馬鹿な令嬢の一人だ。
折角、女に興味のないローレンツ兄上の婚約者になれたのに!
俺ならその地位を脅かされないように、エリにアイスクリームを進呈する。
たかだかアイスクリームで、その地位が安泰になれば言うことないではないか?
なのに、それを何をトチ狂ったのか外務卿の娘のアガットにおもねって、エリを馬鹿にしたのだ。
エリ自体は単細胞なのだから、どうしても気に入らなければエリに影に隠れてやれば良い。
それを「本当ですわ。私はローレンツ様が、『あの、エリーゼは本当に馬鹿だからな』とおっしゃっているのを聞きました。ローレンツ様はあなたが継母様の連れ子で、面倒を見させられて、とても嫌だったとおっしゃっていらっしゃいましたわ」
と言い切ったのだ。
そんな事言われたローレンツ兄上はいい面の皮だった。
「ローレンツお義兄様って信じられない。10歳の時にお義兄様がおねしょしたのを誤魔化すために、私がお義兄様のベッドの上で水をこぼしたことにしてあげたのに。その恩をこんな所で、婚約者に言わせて返してくれるなんて、最低!」
と、単細胞の怒り狂ったエリにとんてもない事をエリにバラされていた。
こんな事をバラされて、あのプライドの高いローレンツ兄上が許すわけないではないか。
モイーズはカンカンに怒ったローレンツ兄上に婚約破棄された。
モイーズもその父の伯爵も必死に俺とか、レオンハルト兄上とか父の皇帝に謝ってきたが、謝る相手が違う。何故エリーゼの前で3日3晩泣いて、許しを請わない?
謝るところを間違えているし、本質を捉えられていない。
何しろ今でも帝国の女主人はエリなのだ。
基本的にはロザンヌ公爵夫人が公務とかは皇帝陛下に付いているが、その公爵夫人にしろ、エリをとても大切にしている。それにエリは帝国騎士の女神役を4年ほどやっているから帝国騎士の覚えも目出度いのだ。
その上、父の皇帝にしろ、皇太子のレオンハルト兄上にしろ、エリの言うことには逆らえないのだから。
何しろエリは会って間もない頃に、あの強面で傲慢皇子と言われた兄上に「馬になれ」って命じたくらいなのだ。
それを聞いてエリのために馬になった兄上も兄上だ。
俺もローレンツ兄上もあいた口が塞がらなかった。
それ以来、兄上は本当にエリに頭が上がらないのだ。
だから俺もローレンツ兄上も、必死にエリにおもねって、鬼教官のレオンハルト兄上の訓練を減らしてもらったものだ。
エリがいれば兄上の視線は必然的にエリに行って、俺等に対する小言が10分の一に減るのだ。
それだけで鬼の特訓が大分ましになった。
アイスクリーム1個分の価値は十二分になるのだ。
令嬢達もエリに首ったけの兄上の前で、いくら自分をアピールしても無駄なのに!
第一皇子にアプローチしても第一皇子はエリしか見ていないのだ。
そんなのは見てすぐに判れよ!
俺は余程言ってやりたかった。
それよりも婚約者のいない、第2皇子のローレンツ兄上にアプローチしたほうが余程ましなのが理解できない。
挙句の果てに棚ぼたでローレンツ兄上の婚約者になれたモイーズはそれを理解せずに馬鹿なことを言って婚約破棄された。
本当に馬鹿としか言いようがなかった。
それが、ベアトリス・クラパレード公爵令嬢も、アガット・カルディ侯爵令嬢も理解できなくて、謹慎や、他国の王族に嫁に出されることになったのだ。
そして、今また、チエナのホンファ王女が手を出せば国家存亡の危機に繋がるにもかかわらず、その皇太子の兄上がとても大切にしているエリに手を出そうとしたのだ。
大国チエナといえども、ただで済むわけはないではないか!
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
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おだやか先生が可愛いエリーゼとめちゃくちゃ格好良いレオンを描いて頂きました。
感動の1枚です。
レーベルはリブラノベル
私自身二作目の商業作品という事で感激しております。
私がここまで来れたのは小説家になろうで応援頂けた皆様方のお陰です。
本当に有難うございます。
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