王女が涙ながらに訴えたので、チエナの言い分を即座に拒否するのではなく吟味することにしました
「はい、出来ましたら私、誠心誠意、皇帝陛下のお世話をさせていただきたく存じます」
私達はホンファの言葉に驚いてしまった。
ちょっと、ちょっと待って!
私はとても混乱していた。
えっ、ホンファ王女は、今回はお義兄様の第二夫人じゃなくてお義父様の後妻狙いなの?
20歳以上年齢の離れた自分の父と変わらないお父様の後妻になりたいというの?
私は唖然とした。
「王女はレオンハルト様と結婚したいと思っていたんだが……」
「皇帝陛下のお世話がしたいって事は陛下と結婚したいということか」
「確かに、皇帝陛下は皇后様を亡くされて今はお独り身であられるが」
「でも、20以上年齢は離れているぞ」
周りの貴族たちも驚いていた。
「ほう、王女殿下はレオンハルトではなくて私との婚姻を希望するというのか?」
お義父様も驚いてホンファを見た。
「はい。レオンハルト様にはエリーゼ様がいらっしゃるので諦めました。
しかし、今回の重大事件に際して、我々の責任のほうが大きいと思うのです。
だから私の身柄を人質として、差し出させて頂きます。
出来ましたなら皇帝陛下とご一緒させて頂きたいのですが、我がチエナの今まで行ってきた事もあり、すぐにはお許し頂けないと思います。
他の方々も私が陛下を害するのではないかとご心配でしょう。
だから、人質となった私を取り敢えずご信頼頂けるまでは、しばらくお傍でお使いいただければ良いかと存じます」
ホンファ王女はしおらしく言ってくれたが、全然信用できない。
お義父様がホンファの毒牙にかかる未来しか見えなかった。
毒殺は毒に慣れているお義父様は問題ないと思うえたが、女の魅力で迫られたらお義父様も危ないと思った。
というか、あれが私の義母になるというのが、絶対に認められなかった。
自分のお母様以外に、あの女をお義母様とは呼びたくない。
「侍女として使えと申すのか?」
でも、お義父様は考え込んでしまったのだ。
「父上、何を考えているのですか? チエナの王女の言うことは信じられません」
お義兄様がはっきりと反対してくれた。
「そんな、レオンハルト様。私があなたに何をしたというのです。私はお慕い申し上げていただけではございませんか。それが罪になると言うなら、また、石牢に閉じ込めて下さい」
ホンファが目に涙を貯めて言ってきたんだけど。
「まあ、ホンファ様。以前も石牢に入れられたのですか?」
ホンフアの後ろにいた侍女らしき女が驚きの声をあげていた。
本当に白々しい。
そんなのはここにいる帝国の臣民は皆知っているし、お前も知っているだろうと私は言いたかった。
「そうなの。ロベール様とアナベル様をこちらの手違いで捕まえてしまった時に、殿下に入れられてしまったの」
「そんな王女殿下をそのような扱いにするなど、おいたわしや」
侍女が目に手を当てながら叫びだした。
「我が国はやられたことには即座に同じことを返すのだ」
お義兄様がそう言ったが、
「まあ、なんということでしょう。間違えて捕らえてしまったとはいえ、ロベール様とアナベル様をチエナは貴族として大切に遇しておりましたのに。石牢など令嬢を入れるところではございますまいに。なのに王女殿下を石牢に入れるなどあんまりです」
「良いのです。エリーゼ様がいらっしゃるのに、レオンハルト様に横恋慕した罰です」
ホンファはまた、泣き出した。
えっ、私が悪いの?
いきなり飛んできたミサイルに私はビクッとした。
なんか、ホンファが私には笑っているように見えるのは気のせいか?
「ふんっ、そのエリーゼの誘拐もホンファが中心になって考えたと聞いているぞ」
お義兄様が呆れて言うが、
「まあ、それは濡れ衣ですわ。確かに私のレオンハルト様への恋慕を憐れんで、エリーゼ様を誘拐しようとする輩がおりましたかもしれませんが、私はそのようなことに関わってはおりません」
「しかし、チエナの者達がエリーゼを誘拐しようとしたのだ。その方の責任でもあろう」
「まあ、酷い」
お義兄様の声にホンファはまた泣き出したのだ。
「まあ、帝国は王女殿下を石牢に入れていたぶる趣味がお有りなのですか」
後ろの侍女が言い出した。
「レオンハルト。取り敢えず、結論をすぐに出す必要は無かろう」
お義父様が根負けしたみたいだ。本当に女の涙に弱いのだ。
帝国の男どもは皆そうだったが……
私は少しムっとした。
「しかし、父上」
お義兄様が反論しようとしたが、
「まあ、レオンハルト。今日のところは客室に下がらせて、少し皆で相談しようではないか」
お義父様にそう言われて、お義兄様はそれ以上反対はしなかった。
私はその時、ホンファが不吉な笑みを浮かべているのに気付かなかったのだ。
王女の演技に翻弄されるお義父様とお義兄様
宮殿内の滞在を許可してしまいました
果たして何も起こらないのか?
皆様の応援のお陰で第2巻発売が決まりました。
本当に有難うございます
現在コミックシーモア様では皆様から応援頂いた第一巻
『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に【シーモア限定特典付き】』
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/
が絶賛発売中です。リンクは下にも貼っています。
まだの方はぜひともお買い求め頂けたら幸いです。








