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家族に“いらない”と言われた俺、実は国家機密級の能力者だった~捨てられたはずが政府に保護され人生逆転~  作者: あぁ


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最終話 「俺が選ぶ未来」

最終話 「俺が選ぶ未来」


『レベルA災害認定』


警報が鳴り響く。


施設全体が揺れていた。


「“あいつら”が来た」


男の言葉と同時に通信機から悲鳴が響く。


『外周防壁突破!』


『侵入者多数!』


『能力者部隊が――』


通信は途切れた。


部屋の空気が凍る。


だが、零だけは静かだった。


「間に合わなかったか」


そう呟く。


「知っているのか」


男が睨む。


零は頷いた。


「あいつらは俺たちと同じ実験体だ」


沈黙。


「ただし、俺たち以上に壊された」


その瞬間。


轟音が響いた。


壁が吹き飛ぶ。


煙の向こうから現れたのは数人の能力者だった。


その目には怒りと憎しみしかない。


「見つけたぞ」


先頭の男が笑う。


「完成体」


その言葉に胸がざわつく。


まただ。


完成体。


物のように呼ばれる。


俺は拳を握った。


「やめろ」


誰に向けた言葉か自分でも分からなかった。


「俺は完成体じゃない」


誰も答えない。


だから続けた。


「実験体でもない」


零がこちらを見る。


リナも。


男も。


全員が見ている。


「俺は俺だ」


その瞬間だった。


身体の奥で何かが弾けた。


光が溢れる。


視界が白く染まる。


そして――


全てを思い出した。


白い部屋。


泣いていた子供たち。


零。


逃げようとした夜。


記憶を消された日。


全部。


全部本当だった。


「……そうだったのか」


涙は出なかった。


ただ静かに理解した。


過去は消えない。


でも。


過去だけで生きる必要もない。


俺は前を見る。


憎しみに囚われた実験体たち。


俺を利用しようとした国。


俺を助けてくれたリナ。


十年間探し続けてくれた零。


全員が正しい。


全員が間違っている。


だから。


「俺が終わらせる」


力が広がる。


世界が静かになる。


能力者たちの力が消えていく。


炎も。


雷も。


憎しみさえも。


静寂。


誰も動けなかった。


「これでいい」


俺は笑った。


「もう戦わなくていい」


零が目を見開く。


「お前……」


「選んだんだ」


俺は答える。


「誰かの道じゃない」


「俺の未来を」


窓の向こうでは朝日が昇り始めていた。


長かった夜が終わる。


家族にいらないと言われた日から始まった人生。


だけど今は違う。


必要とされるために生きるんじゃない。


利用されるために生きるんじゃない。


自分のために生きる。


それが俺の答えだった。


――こうして。


国家機密級能力者と呼ばれた少年の物語は終わる。


だが。


彼の人生は、ここから始まる。


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