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四日目の朝
朝がきた。
おかしい。
こないはずだった、あれから四日目の朝がきてしまった。
腕の中には今朝も妻がいる。
寝ている時は少し険のとれる彼女の寝顔が愛しい。けれど俺は、昼間の妻のややきつめのキリッとした顔の方が実は好きだ。
いや、やはりどちらもーー
「好きだ」
呟きながら抱きしめて、匂いを吸い込む。やはり落ちつく匂いだ。
妻が眠っているのをいいことに、髪にキスをした。
「君が好きだ」
起きている君にもキスできたらいいんだがな。
けれどそれには時間が足らなーー
そこまで考えてハッとした。
やっと頭がきちんと働きだした。
………これが夢でなければ、これはくる筈のなかった朝だ
…何が起きた?
妻と離れたくはなかったが、流石に気になりすぎる。
仕方なく起き上がって、あのニュース以来触っていなかったスマホを手にとった。
いつものようにニュースアプリを開く。
………普通にたくさんのニュースが並んでいた。
事故に株価に犯罪に政治。
いつも通りだ。
スクロールして「彗星」の文字を探す。
まさかあの記事を見たのが俺の夢だった、なんてオチはないだろうな……




