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第1話「拾われた子」
この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。
冬。
雪の積もる街道で、一人の少年が倒れていた。
年は五歳。
名前も知らない。
両親も知らない。
持っていたのは、割れた木の剣だけだった。
彼を拾ったのは、辺境の剣術道場。
「飯くらいは食わせてやる。ただし弟子じゃない。雑用係だ。」
少年はうなずく。
生きるためには、それしかなかった。
朝は井戸水を汲み、薪を割り、洗濯をし、食事を作り、木刀を並べる。
そして稽古が終わる頃には、誰も使わなくなった一本の木刀を拾う。
誰にも教わらない。
誰にも褒められない。
ただ見よう見まねで、一回、二回と振る。
「剣なんて才能だ。」
「雑用に剣は必要ない。」
そう笑われても、少年は毎日振り続けた。
明日も生きるために。
その一振りが、三十年後に世界最強へ至るとは、まだ誰も知らなかった。
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