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剣の道~拾われた子が30年素振りを続け最強に至るまで~  作者: 涙目


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第1話「拾われた子」

この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。

冬。


雪の積もる街道で、一人の少年が倒れていた。


年は五歳。


名前も知らない。


両親も知らない。


持っていたのは、割れた木の剣だけだった。


彼を拾ったのは、辺境の剣術道場。


「飯くらいは食わせてやる。ただし弟子じゃない。雑用係だ。」


少年はうなずく。


生きるためには、それしかなかった。


朝は井戸水を汲み、薪を割り、洗濯をし、食事を作り、木刀を並べる。


そして稽古が終わる頃には、誰も使わなくなった一本の木刀を拾う。


誰にも教わらない。


誰にも褒められない。


ただ見よう見まねで、一回、二回と振る。


「剣なんて才能だ。」


「雑用に剣は必要ない。」


そう笑われても、少年は毎日振り続けた。


明日も生きるために。


その一振りが、三十年後に世界最強へ至るとは、まだ誰も知らなかった。

お読み頂き、ありがとうございます。

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